第3390回 初戦はオーストリアに勝利(2) 2年前にUEFAネーションズリーグで対戦

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■初めて主要大会をデュッセルドルフで戦うフランス

 6月17日、フランスは欧州選手権の開幕戦を迎える。会場はデュッセルドルフのメルクール・シュピール・アレーナ、2004年にオープンしたスタジアムである。それまでデュッセルドルフにはライン競技場があり、1974年のワールドカップ、1988年の欧州選手権の舞台となった。しかし、このメルクール・シュピール・アレーナは前回の本連載で紹介した通り、近隣にケルン、ドルトムント、ゲルゼンキルヘンという都市があったため2006年のワールドカップの会場にはならず、フランスは初めて主要大会でデュッセルドルフで試合を行うことになる。

■初戦に向かう両チームの先発メンバー

 フランスはカナダ戦と同じ上から白青白のユニフォームで臨む。そして対戦相手のオーストリアは上から赤白赤とカナダと似た色合いのユニフォームに身をくるむ。
 フランスの先発メンバーであるが、GKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、ダヨ・ウパメカノ、ウィリアン・サリバ、テオ・エルナンデス、MFは低い位置にエンゴロ・カンテ、高い位置の右にはアントワン・グリエズマン、左はアドリアン・ラビオ、FWは右にウスマン・デンベレ、左にマルクス・テュラム、中央にキリアン・ムバッペとなる。主将を務めるのはムバッペ、前回の欧州選手権では無得点に終わっている。
 オーストリアの布陣はGKはパトリック・ペンツ、DFは右からシュテファン・ポシュ、ケビン・ダンソ、マクシミリアン・ブーバー、フィリップ・ムウェネ、MFは低い位置に2人、ニコラス・ザイバルトとフロリアン・グリリッチュ、高い位置には右からコンラート・ライマー、クリストフ・バウムガルトナー、マルセル・サビツァー、FWの1トップはミヒャエル・グレゴリチュ、4-2-3-1システムである。

■守備の要を負傷で2人欠くオーストリア

 本来であるならば正GKを務めるアレクサンダー・シュラバー、ストッパーのダビッド・アラバを負傷でメンバーに入れることができず、GKのペンツはこれが代表7試合目である。ペンツは2022-23シーズンはスタッド・ド・ランスに所属、出場機会に恵まれず、デンマークのブレンビーに移籍して試合に出場して、シュラガーの代役となった。またバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、レアル・マドリッド(スペイン)で活躍してきたアラバは昨年12月のビジャレアル戦で全治6か月の大けが、この負傷からカムバックすることができなかった。このように守備の要に負傷者が重なったが、これをどのように再構築するか、名将ラルフ・ラングニック監督の腕の見せ所である。またほとんどの選手がドイツのクラブに所属しているが、右CBを務めるダンソはRCランスの所属である。

■2年前のUEFAネーションズリーグではフランスの1勝1分

 前回の本連載で紹介した通り、2年前のUEFAネーションズリーグでこの2か国は対戦し、ウィーンで引き分け、スタッド・ド・フランスではフランスが2-0と勝利している。
 いずれかの試合に出場していたのはフランスではメニャン、クンデ、ウパメカノ、サリバ、テオ・エルナンデス、グリエズマン、デンベレ、ムバッペの8人、オーストリアはペンツ、ポシュ、ダンソ、ブーバー、ザイバルト、ライマー、バウムガルトナー、サビツァー、グレゴリチュの9人、ほとんどの選手が対戦経歴がある。正GKの負傷によって出場することになったオーストリアのGKのペンツは2試合とも出場している。今大会のメンバーに選出するまでに5試合しか代表のキャリアがなかったが、そのうち2試合がフランス戦であり、スタッド・ド・フランスでの試合の時はスタッド・ド・ランスに所属していた。
 そして2年前の対戦の時も両チームの監督は現在と同じ、フランスはディディエ・デシャン、オーストリアはラングニックである。デシャン監督はこれまでに代表監督として99勝している。記念すべき100勝を欧州選手権の初戦で記録することができるだろうか。(続く)

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