第3419回 3回目のオリンピック(11) 延長戦でスペインに敗れ、銀メダル

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■アルゼンチン戦と同じ先発メンバーで臨むフランス

 フル代表の欧州選手権ではスペインに準決勝で敗れたフランスは、その雪辱を果たすために、パルク・デ・プランスに乗り込んだ。オリンピックのサッカー競技はオリンピックの開催都市以外で行われることが多いが、開催国フランスは決勝進出以外にパリで試合ができないという条件の組み合わせの中で、見事に決勝までたどり着き、栄光まであと一歩となった。
 決勝戦にはフル代表のディディエ・デシャン監督の姿も見える。ティエリー・アンリ監督がピッチに送り込んだメンバーを紹介すると、GKはギヨーム・レステ、DFは右からキリアン・シルディリア、ロイック・バデ、カステロ・ルクバ、アドリアン・トルフェール、MFは右からエンゾ・ミロ、マヌ・コネ、ジョリス・ショタール、トップ下にミカエル・オリーズ、FWは右にジャン・フィリップ・マテタ、左にアレクサンドル・ラカゼット、今大会で最初の大一番となったアルゼンチン戦と全く同じメンバーである。

■オーバーエイジ3人をそろえるスペイン

 一方の二冠を目指すスペイン、GKはアルナウ・テナス、DFは右からマルク・プビル、エリック・ガルシア、パウ・クバルシ、ホアン・ミランダ、MFは低い位置にパブロ・バリオス、アレックス・バエナ、高い位置は右からアイマール・オロス、フェルミン・ロペス、セルヒオ・ゴメス、FWの1トップはアベル・ルイスである。スペインもオーバーエイジの3人(ホアン・ミランダ、アベル・ルイス、セルヒオ・ルイス)が先発している。なお、GKのアルナウ・テナスはバルセロナ育ちで昨年パリサンジェルマンのメンバーに加わった。
 そしてこのチームを率いるのはサンティ・デニア監督、現役時代は代表に選出されたこともあったが、ワールドカップ、欧州選手権の本予選に出場することはなく、引退後はアンダーエイジの代表監督を様々なカテゴリーで務め、2019年には19歳以下の欧州選手権で優勝、そして今大会の予選にあたる2023年の21歳以下の欧州選手権でも準優勝しており、経験、実績とも豊富である。

■フランスが先制、スペインが逆転、2点差を追いついたフランス

 黄色いユニフォームのスペインのキックオフで始まった試合、開始早々にスペインと青いユニフォームのフランスの選手が激突し、ピッチに倒れこむ。立ち上がりから積極的に仕掛けたのはフランスであった。11分、右サイドからのオリーズのクロスはゴール前に上がらなかったが、ラカゼットがスペインの守備陣にプレッシャーを与え、ミスクリアしたボールは、ペナルティエリア内のミロに渡る。ミロの左足のシュートにアルナウ・テナスは届かず、フランスが先制点をあげる。立ち上がりは押されていたスペインは17分、右かラン攻撃でフリーになったフェルミン・ロペスがシュートし同点に追いつく。スペインにとってこの試合初めてのシュートが同点ゴールとなった。25分にはスペインが得意のパスサッカーを見せる。左サイドへのロングフィードを折り返し、アベル・ルイスがシュート、これをレストは防いだが、はじいたところをフェルミン・ロペスにたたき込まれ逆転を許す。スペインの勢いは止まらない。28分にはペナルティエリアの外からのFK、アレックス・バエナが直接決めて、2点差となる。
 試合はこのまま終盤を迎え、78分にフランスはペナルティエリアのすぐ外からのFK、オリーズが蹴ったボールに途中出場してきたマグリス・アクリウシュが軽く触ってコースを変えて2-3と1点差に迫る。そして89分、フランスは左サイドからデジレ・ドゥエがCKをファーに蹴りこむ。これに対し、アルノー・カリムエンドがスペインの選手に抱えられるようにして倒される。VARとなってフランスにPK、これをマテタが決めて延長戦となった。

■延長戦で2点をあげたスペインが優勝

 盛り上がるパルク・デ・プランスであったが、99分にスペインはパスをつなぎ、セルヒオ・カメージョがゴールを決める。試合終了直前にはなんとか同点にしようとスペインゴールに迫ったフランスであったが、逆にボールをキャッチしたスペインのGKアルナウ・テナスがすぐさま前方に投げる。これを最前線にいたセルヒオ・カメージョがおさめて、そのままゴールに突進、GKとの1対1から決定的なゴールを奪う。
 延長戦で3-5と敗れたフランスは準優勝に終わったのである。(この項、終わり)

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