第3422回 2024-25フランスリーグ開幕(3) 前年王者のパリサンジェルマン、終盤に大量得点
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■ルアーブル-パリサンジェルマン戦で8月16日にフランスリーグ開幕
欧州選手権、オリンピックという国際大会があったシーズンオフも終わり、欧州各国ではリーグ戦が開幕した。かつては欧州の主要リーグの中でも開幕の時期が異なっていたが、現在は足並みがそろい、ドイツだけが8月23日に開幕、それ以外のイングランド、スペイン、イタリア、フランスはその前の週末に開幕した。
リーグ戦は週末に試合を行うが、テレビ中継などの理由で土日以外に試合も行われ、今年の場合、欧州五大リーグの中で最も早い試合となったのはスペインのアスレチック・ビルバオ-ヘタフェ戦、8月15日19時のキックオフであった。その翌日、金曜日の夜にフランスでもリーグ戦が開幕した。開幕戦のカードはルアーブル-パリサンジェルマン戦である。
■昨季はホームで勝利できず、優勝を決められなかったパリサンジェルマン
昨季チャンピオンのパリサンジェルマンであるが、前回の本連載でも紹介した通り、主将を務め、得点源であったキリアン・ムバッペが不在となって、最初の公式戦を迎える。
欧州屈指のチームを本拠地に迎えるルアーブル、最後にリーグ戦でパリサンジェルマンイ勝利したのは1999年と前世紀のことであり、昨季も成績は15位と入替戦を辛うじて逃れるものであったが、シーズン終盤の4月の末、パリサンジェルマンとの一戦は記憶に新しい。パルク・デ・プランスの試合で勝利すれば優勝の決まるパリサンジェルマン相手にルアーブルは先手を取り、パリサンジェルマンは追いつくのが精一杯で優勝を本拠地で決めることができなかった。
■クラブ史上最年少で試合に出場したイブラヒム・ムバイエ
前回の本連載で今夏の移籍市場でフランス人として最も高い移籍金となったのはリールからマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に移籍したレニー・ヨロであることを紹介したが、フランスのクラブが支払った移籍金という観点で見ると1位はジョアン・ネビス、2位はデジレ・ドゥエといずれもパリサンジェルマンである。ネイマール、リオネル・メッシ、ムバッペと獲得したスターがすべていなくなっても移籍市場の主役であり、若手選手を獲得している。
そのパリサンジェルマンの開幕先発メンバーに新戦力が名を連ねた。ストッパーのウィリアム・パチョはフランクフルト(ドイツ)から移籍してきたエクアドル代表、フランスリーグ1部で史上4人目のエクアドル人となる。ムバッペが抜けた後の左ウイングに入ったのはイブラヒム・ムバイエ、16歳でパリサンジェルマン史上最年少での出場となる。また左サイドDFのヨラム・ザグは今年の4月にプロ契約を結んだばかりの18歳の選手、ムバイエもザグもクラブの下部組織育ちである。新加入のジョアン・ネビスをはじめ、ベンチにはランダル・コロムアニ、ウスマン・デンベレ、ブラッドリー・バルコラ、ミラン・シュクリニアルなど欧州選手権に出場した選手、ムバッペの後の主将となったマルキーニョスはベンチスタートとなる。キャプテンマークはオリンピックに出場したアクラフ・ハキミがつけることになった。
■李康成が今季のフランスリーグの初ゴール、試合終盤に得点を重ねる
フランスリーグで今季初のゴールを決めたのは李康成であった。3分にハキミのパスを受けて左足でネットを揺らす。その後もパリサンジェルマンは試合を支配するが、ルアーブルは少ないチャンスをシュートに結び付ける。
後半開始時にはパリサンジェルマンはムバイエに代えて、ジョアン・ネビスを投入するが、ルアーブルは後半開始早々の49分にゴーチエ・ロリスが同点ゴールを決める。さらに、53分にはジョスエ・カシミールがザグに競り勝って、逆転ゴールを決めたかに見えたが、ハンドの判定でゴールが取り消された。パリサンジェルマンは攻め続け、選手を次々に交代させるもゴールをあげられない展開で終盤を迎えたが、85分にようやくデンベレが勝ち越しゴールを決めた。ジョアン・ネビスのクロスをヘディングで決め、ジョアン・ネビスも初出場で初アシストを決めた。残り時間でパリサンジェルマンはバルコラが追加点、コロムアニがPKを決め、4-1と大勝したのである。(続く)