第3424回 2024-25フランスリーグ開幕(5) 昨季2位のモナコは昇格したサンテチエンヌに勝利

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■8年ぶりの優勝を狙う昨季2位のモナコ

 前々回はパリサンジェルマン、前回はマルセイユとフランスリーグを代表する人気チームの開幕戦の模様を紹介し、両チームとも大勝でシーズンをスタートした。
 特にマルセイユは昨季クラブ史上最高の3位と躍進したブレストをアウエーで5-1と破り、今季は欧州カップ出場を逃したが、地力のあるところを見せた。
 昨年2位に躍進したのがモナコである。モナコは南野拓実が所属することから日本の読者の皆様の関心も高いであろう。そしてモナコは今年がクラブ創立100周年という記念すべき年にあたる。前々回の本連載で紹介した通り、パリサンジェルマンはキリアン・ムバッペも、リオネル・メッシ、ネイマールに続いてチームを去った。カタール資本になってからタイトルをほぼ独占しているパリサンジェルマンであるが、この間、リーグ優勝を逃したのは2回、2016-17シーズンと2020-21シーズンであるが、2016-17シーズンにパリサンジェルマンの牙城を崩したのがモナコであり、8年ぶりの優勝を狙う。昨季のモナコは首位のパリサンジェルマンと勝ち点9差、序盤は首位をキープしていたが、中盤に順位を5位まで落とした時期もあったが、結局2位でシーズンを終えた。モナコはシーズン開幕に向けて入念な準備を行い、シーズン開幕前の最後の親善試合はバルセロナ(スペイン)に3-0と勝利、ラマイン・カマラとクリスティアン・マウィッサと新戦力が得点をあげている。

■2部から昇格したサンテチエンヌ相手に勝利したモナコ

 モナコは本拠地のルイ二世競技場で開幕を迎えるが、対戦相手は今季1部に復帰してきたサンテチエンヌである。サンテチエンヌは本連載第3420回で紹介した通り、昨季は2部で3位、プレーオフで2部4位のロデスに勝ち、1部16位のメッスとの入替戦は第2戦で前後半終えたところで決着がつかず、延長戦に入り、延長後半でサンテチエンヌが決勝点をあげて、3季ぶりの復帰となった。チームカラーが赤と緑で対照的であるのに加え、ファンは冷静なモナコと熱血サポーターが大挙するサンテチエンヌ、対照的な組み合わせとなった。
 それでも今季のモナコへの期待は高く、1万4500人という異例の数の観客が開幕戦を見守った。今季のモナコの初ゴールは29分の南野であった。1995年生まれの南野は、現在チームで最年長となった。若い選手の多いモナコであり、試合前にはオリンピックで銀メダルを獲得したスングトゥ・マガッサとマグネス・アクリウシェが表彰されている。試合はこのままモナコが1点のリードを危なげなく守り切り、開幕戦で勝ち点3を獲得した。

■負傷者を出し、30分以上中断した試合で勝利したリール

 昨季は最終節で逆転され4位に落ちたリールはスタッド・ド・ランスと対戦する。スタッド・ド・ランスには伊東純也と中村敬斗という2人の日本人選手が在籍することから、日本の読者の皆様の関心も高いことであろう。この試合、12分にスタッド・ド・ランスのアマドゥ・コネとリールのエンジェル・ゴメスが空中で激突、コネはレッドカードで退場、ゴメスは救急車が来るまでピッチ上で30分間以上にわたり治療を受け、ピッチ脇に乗り込んだ救急車に乗せられる。前半のアディショナルタイムは35分、リールが先制点を奪ったのは74分のことであった。リールは後半のアディショナルタイムの93分にも追加点をあげ、2-0で白星スタートとなった。

■欧州カップ出場権を失ったレンヌがリヨンに勝利

 18日の日曜日はそれ以外の5試合が行われ、昇格組ではオセールがニースに勝利したが、アンジェはRCランスに敗れた。モンペリエ-ストラスブール戦とトゥールーズ-ナント戦はいずれも引き分けであった。
 第1節の最終戦となるのは20時45分キックオフのレンヌ-リヨン戦、このところ欧風カップの常連のレンヌ昨季は10位で出場権を失い、リヨンは6位になりヨーロッパリーグに出場する。レンヌは前半にバンジャマン・ブリジョーとアミン・グイリが連続ゴール、後半アディショナルタイムにヘンリック・マイスターが追加点をあげ、3-0と欧州組を一蹴したのである。(この項、終わり)

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