第3426回 新方式の欧州カップを目指すフランス勢(2) リールは本戦へ、RCランスはプレーオフで敗退

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■チャンピオンズリーグを目指すリール、プレーオフに臨む

 新方式の欧州カップ、フランスから7チームが出場しているが、そのうちチャンピオンズリーグのリールとヨーロッパカンファレンスリーグのRCランスは本戦までに予備戦、プレーオフを戦わなくてはならない。
 前回の本連載ではリールが予備戦3回戦でトルコのフェネルバフチェを降したことを紹介したが、今回は両チームのプレーオフの戦いを紹介しよう。
 チャンピオンズリーグの予備戦、プレーオフはUEFAインデックスで11位以下のリーグのチャンピオンチームと、UEFAインデックスで5位から15位のリーグの上位チームは別々に本戦出場を目指す。したがって、リールの対戦相手は中堅国以上のリーグの上位チームである。また、プレーオフの勝者はチャンピオンズリーグのリーグフェーズに出場となるが、敗れた場合はヨーロッパリーグのリーグフェーズに回る。なお、予備戦3回戦で敗れた場合もヨーロッパリーグのリーグフェーズに出場できる。すなわち、フランスリーグで4位のリールは欧州カップのリーグフェーズを戦うことが約束されていたのである。

■チェコリーグで2位のスラビア・プラハ相手に2試合通算得点で勝利

 ただ、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグではそのステータスは異なる。リールのプレーオフの相手はチェコのスラビア・プラハである。チェコリーグはUEFAインデックスで15位、そのリーグの2位となったスラビア・プラハは予備戦3回戦から参戦し、ベルギーのサンジルを下して、チャンピオンズリーグの本選出法を目指す。
 プレーオフは8月20日と28日に行われた。リールは本拠地のピエール・モーロワ競技場がパリオリンピックのために使用できず、予備戦3回戦に続いてバランシエンヌのエノー競技場を使用する。第1戦はリールのホームゲーム、3回戦でも得点をあげたジョナサン・デイビッドとエドン・ジェグロバのゴールにより、2-0と先勝する。
 プラハでの第2戦、スラビア・プラハは5分に先制する。次の1点を奪われるとリールは並ばれるが、後半に入って77分にジェグロバのゴールで追いつく。スラビア・プラハは84分に勝ち越しゴールを決めたが、2試合通算得点でチャンピオンズリーグに進んだのはリールであった。

■負けたら後がないヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフ

 ヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフに臨んだRCランスの相手はギリシャのパナシナイコスである。パナシナイコスはヨーロッパリーグの予備戦3回戦でアヤックス(オランダ)と対戦、第2戦がPK戦となり、17人目までもつれ込んだ末に敗れてしまい、転戦してきた。ヨーロッパカンファレンスリーグは、上位のタイトルとは異なり、敗れれば、欧州での戦いがストップする。

■パナシナイコス相手に先勝するが、第2戦でPK失敗、欧州の道途絶えたRCランス

 第1戦はRCランスの本拠地ボラール・デレリス競技場で行われた。4日前にフランスリーグが開幕し、アウエーでアンジェに勝利したRCランスは、今季初の本拠地での公式戦となる。RCランスはプジェミスワウ・フランコフスキとウェスレイ・サイードが前半のうちに得点を決めて2点リードするが、後半にパナシナイコスに1点を許す。この1点が響いた。1週間後の29日、アテネのオリンピック競技場での試合、5万8000人の大観衆とも戦うことになる。15分にRCランスはPKを得るが、これをフローリアン・ソトコが失敗してしまう。逆にパナシナイコスが後半に2点をあげ、2試合通算スコアで逆転する。1勝1敗であったが、RCランスは欧州カップのリーグフェーズをフランス勢で唯一逃したのである。
 リーグフェーズの出場チームが出そろい、フランス勢を改めて紹介するとチャンピオンズリーグにはパリサンジェルマン、モナコ、ブレスト、リールの4チーム、ヨーロッパリーグにはニースとリヨンの6チームが出場する。発足以来上位進出の続いたヨーロッパカンファレンスリーグは出場できなかったのである。(この項、終わり)

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