第3428回 第4回UEFAネーションズリーグ開幕 (2) フル代表に選出されたオリンピック組

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■難敵のイタリア、ベルギー戦に向けた23人を発表

 欧州選手権後の最初の国際試合はUEFAネーションズリーグ、フランスは9月6日にイタリア、9日にベルギーと難敵とホームで連戦する。ワールドカップや欧州選手権よりは格下であるとはいえ、タイトルマッチであり、主要大会の後だからと言って簡単に新戦力のテストと行かない点が厳しい。また、この強敵との連戦で新戦力のテストは難しい。しかし、4回目となるUEFAネーションズリーグに向けて、ディディエ・デシャン監督がどのようなメンバーを選出するか注目した。
 8月29日に23人のメンバーが発表されたので、まずはそのリストを紹介しよう。GKはマイク・メニャン、アルフォンス・アレオラ、ブリス・サンバの3人、DFはジョナタン・クロース、ウェスレイ・フォファナ、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、ウィリアム・サリバ、ダヨ・ウパメカノ、フェルラン・マンディの8人、MFはユスフ・フォファナ、エンゴロ・カンテ、マヌ・コネ、オーレリアン・チュアメニ、ウォーレン・ザイール・エメリの5人、FWはブラッドリー・バルコラ、ウスマン・デンベレ、アントワン・グリエズマン、ランダル・コロムアニ、キリアン・ムバッペ、ミカエル・オリーズ、マルクス・テュラムの7人である。

■ASローマに移籍したマヌ・コネ

 初選出は2人、コネとオリーズ、いずれも2001年生まれで今夏のオリンピックでの銀メダリストである。コネはオリンピックではMFを務めていたが、本来はストッパーの選手である。今回のオリンピックではホッケーの会場となったコロンブ競技場のあるコロンブの出身、パリFCの下部組織で育ち、トゥールーズに移る。移籍初年に負傷するものの、そこから復活し、プロ契約を結ぶに至った。クラブは1部から2部に陥落し、2020-21シーズンには2部で3位となり、ナントとの入替戦に臨むが、この時にはまだ残っていたアウエーゴール2倍ルールで及ばず、クラブは2部残留、そしてコネはドイツのボルシア・メンヘングランドバッハに移籍する。ボルシア・メンヘングランドバッハでもコンスタントに試合に出場し、オリンピック代表にはプレリストの段階から選出された。今季からイタリアのASローマに移籍、第3節のユベントス戦でセリエAデビューを飾っている。

■オリンピックで2ゴール、5アシストのミカエル・オリーズ

 もう1人のオリーズはオリンピックでは2ゴール、5アシストの大活躍が記憶に新しい。ナイジェリア人の父とアルジェリア系フランス人の母の元で、ロンドンで生まれ、チェルシーの下部組織で育つ。アーセナル、マンチェスター・シティの下部組織にも所属したが、最終的にはレディングの下部組織でプレーし、2019年の17歳の夏にプロ契約を結ぶ。レディングで2シーズンプレーした後は同じプレミアリーグのクリスタルパレスでプレー、そして今夏のオリンピックでの活躍をステップにドイツのバイエルン・ミュンヘンに移籍している。
 このようにロンドン生まれでイングランド以外を知らないオリーズであるが、イングランド、フランス、ナイジェリア、アルジェリアの代表資格がある。真っ先にオリーズにナショナルチームのユニフォームを着せたのがフランスであり、プロになる前の2019年5月にフランスは18歳以下の代表に招集、トゥーロン国際大会に出場している。2021年にはアフリカネーションズカップの予選を戦うナイジェリア代表のメンバーに招集されたが、出場には至らず、今回のフランスのフル代表招集につながったのである。

■追加招集されたロイック・バデ

 そしてメンバー発表後に負傷者が相次ぎ、ウェスレイ・フォファナに代わりロイック・バデ、マンディに代わりルカ・ディーニュが追加招集された。ストッパーのバデはパリ郊外のセーブルの出身、パリFC、ルアーブルの下部組織からプロになり、RCランス、レンヌを経てスペインのセビリアで活躍している。オリンピックでは初戦の米国戦で得点を決めた。残念ながら合宿中に負傷し、代表から離脱し、代表デビューを果たせなかったが、次の機会を期待したい。(続く)

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