第3437回 新方式のチャンピオンズリーグ開幕(5) モナコもブレストもホームで白星発進

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■好調同士のモナコとバルセロナ

 公式戦では31季ぶりの対戦となるモナコとバルセロナ(スペイン)であるが、今夏のシーズン前に両チームはバルセロナで対戦し、モナコが3-0と勝利している。また、モナコはリーグ戦でも好調でここまで3勝1分と無敗である。通常は閑古鳥の鳴くモナコのルイ二世競技場であるが、人気チーム相手に地元チームも好調とあって、1万3000人のファンが集まった。
 バルセロナも国内リーグでは5戦全勝でトップを走る。好調なチーム同士の対戦はバルセロナのキックオフで始まった。モナコは好調とは言っても、先発11人中5人は初めてのチャンピオンズリーグの試合となる。
 両チームの最年長の選手はバルセロナはロベルト・レバンドフスキ、モナコは南野拓実であるが、若手選手にも注目したい。

■マグネス・アクリウシェが先制点、ジョルジュ・イレケニナが決勝点

 開始10分、バルセロナのGKがフィードしたボールを南野がカットし、GKと一対一の局面になろうとする。これをバルセロナのエリック・ガルシアが南野を後ろからタックルし、倒してしまう。主審は迷うことなくレッドカードを提示し、バルセロナは80分間、10人で戦うことになる。このプレーで得たFKからは得点を上げることができなかったモナコであるが、16分にはオリンピックの銀メダリスト、マグネス・アクリウシェがドリブルで持ち込んでバルセロナの守備陣を巧みにかわしてシュート、バルセロナの主将を務めるGKのマルク・アンドレ・テアシュテーゲンも及ばす、ゴールネットが揺れる。モナコが優勢に試合を進めてきたが、バルセロナも若手が躍動した。欧州選手権優勝メンバーとなったラミン・ヤマルが28分に同じような位置から同じようなシュートを決めて、バルセロナが同点に追いつく。チャンピオンズリーグでの17歳68日のゴールは17歳40日のアンス・ファティに次ぐ、二番目に若い選手のゴールとなった。モナコは34分にウィルフィレッド・シンゴがシュートを決めるはオフサイドの判定で勝ち越しならず。数的有利となったモナコが試合を圧倒してハーフタイムを迎える。
 そのモナコは後半に入っても攻め続け、71分にジョルジュ・イレケニナが勝ち越しゴールを奪う。さらに85分にもPKで追加点のチャンスかと思われたが、これはVARの結果、取り消しとなる。しかし、モナコは2-1と勝利、21季連続でチャンピオンズリーグに出場しているバルセロナに堂々の勝利を収めたのである。

■クラブ史上初の欧州カップ、ギャンガンでホームゲームを戦うブレスト

 フランス勢として最後に紹介するのがブレストである。昨季はクラブ史上最高のリーグ3位となり、初の欧州カップがいきなりチャンピオンズリーグとなった。ブレストの本拠地、フランシス・ルブレ競技場の収容人員は1万5000人でUEFAの基準に満たないため、ギャンガンの本拠地、1万8000人を収容するルドゥルー競技場でホームゲームを戦う。

■グラーツ相手に記念すべき勝利

 ブレストの記念すべき欧州カップ初戦は9月19日、オーストリアチャンピオンのシュトゥルム・グラーツとギャンガンで対戦した。13年ぶりにリーグ優勝したグラーツに対し、ブレストは立ち上がりから攻撃を仕掛ける。そして、待望のゴールが生まれたのは23分のことであった。ブレストのMFウーゴ・マグネッティがハーフボレーで一撃、ギャンガンのスタジアムは歓喜に包まれる。
 このままハーフタイムを迎えようとしていた前半アディショナルタイムの46分、ブレストのエディミウソン・フェルナンデスが痛恨のオウンゴール、ブレストはシュトゥルム・グラーツに追いつかれてしまう。  後半に入ってもブレストが攻める。49分にはCKを主将のブランダン・シャルドネがシュトゥルム・グラーツの守備陣に競り勝ってヘディングシュート、ジャストミートしたが、枠を外れてしまう。決勝点が生まれたのは56分のことであった。右サイドからのクロスをアブダラー・シマがボレーで決める。
 記念すべき欧州カップの初戦をブレストは白星で飾ったのである。(この項、終わり)

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