第3439回 新方式のヨーロッパリーグ開幕(2) 第1節でニースは引き分け、リヨンは勝利

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■直前にサンテチエンヌに8-0と大勝したニース、苦しい試合の続くレアル・ソシエダ

 従来のグループリーグに代わってリーグフェーズとなったチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ、新方式となって下位タイトルへの転戦がなくなり、従来に増してリーグフェーズでの熱戦が期待される。
 ヨーロッパリーグのリーグフェーズはチャンピオンズリーグよりも1週間遅れて始まり、9月25日にその記念すべき開幕を迎えた。フランス勢のうち先に試合を行ったのはニースである。ニースは25日にホームのアリアンツ・リビエラにスペインのレアル・ソシエダを迎える。第4シードのニースに対してレアル・ソシエダは第2シード、格上のチームとの対戦となる。ニースはリーグ戦では第1節のオセール戦で敗れるなど黒星が先行していたが、9月20日のホームのサンテチエンヌ戦では8-0と大勝し、ヨーロッパリーグに向けてチームの状態を上げてきた。
 一方のレアル・ソシエダは昨季はスペインリーグで6位に入ったが、今季は黒星先行で1勝2分4敗とシーズン序盤から苦しい戦いが続く。

■カウンターから先制したレアル・ソシエダ、追いついたニースは勝ち越しならず

 レアル・ソシエダは5バックにして守りを固め、カウンターアタックに活路を見出そうとする。
 試合はホームのニースが優勢に試合を進めながらも、レアル・ソシエダがその攻撃を止め、カウンターを仕掛けるという展開となる。そのレアル・ソシエダのゲームプランが実を結んだのは18分のことであった。ハーフウェイライン付近でニースからボールを奪ったレアル・ソシエダは前方にボールを運び、ブライスメンデスからパスを受けたアンデル・バレネチェアの強烈な右足のシュートはゴールの隅に突き刺さった。
 対するニースは前半終了間際の45分、先制点のきっかけを作ったパブロ・ロサリオがクリアボールをペナルティエリア内で拾い、そのままシュート、これが決まってハーフタイムを同点で迎える。
 後半に入って51分、ペナルティエリア内でレアル・ソシエダのパチェコがダンテのユニフォームを引っ張ってしまう。VARの結果主審はPKを宣告、ニースは逆転のチャンスを迎える。PKのキッカーはエバン・ゲッサン、グラウンダーのシュートに対してレアル・ソシエダのGKのアレハンドロ・レミーロが見事にコースを読んでセーブする。その後はニースが優位に試合を進めたが、両チームとも勝ち越し点を奪うことなく、引き分けに終わった。

■昨季のヨーロッパカンファレンスリーグの勝者オリンピアコスを迎えるリヨン

 翌日の26日に登場したリヨンもホームで第1節を戦った。リヨンが迎え撃つのはギリシャのオリンピアコス、昨季のヨーロッパカンファレンスリーグの優勝チームである。シード順はリヨンと同じ第2シードである。リヨンの主将はパリオリンピックのフランス代表でもキャプテンマークを腕に巻いたアレクサンドル・ラカゼットである。リーグ開幕戦のレンヌ戦はラカゼットが出場せず、黒星スタート。第2節でラカゼットが戻ってきたが、モナコに敗れ連敗となる。ようやく第3節で勝利したが、ここまでのリーグ戦の成績は1勝1分3敗、オリンピアコス戦の直前にはホームでマルセイユに敗れている。

■前半は無得点ながら後半に2点を上げたリヨンが白星発進

 試合前には不安要素の多かったリヨンであるが、試合が始まると動きがよくオリンピアコスを圧倒し始めた。オリンピアコスのゴールにシュートを浴びせるが、オリンピアコスのGKが好守を見せ、リヨンに先制点を許さない。
 前半のリヨンは押し込みながら得点が奪えず、後半を迎え、序盤からラカゼットやマリック・フォファナなどの惜しいシュートが次々と続く。ようやくリヨンに先制点が生まれたのは65分ラヤン・シェルキがシュートを決める。さらに71分にはラカゼットとウィルフリード・ザハのワンツーパスで前進、前線のサイード・ベンラーマにつなぎ、ベンラーマが右足で追加点を決める。
 リヨンは88分にドゥエ・チェラタツァルがオウンゴールに1点差に詰め寄られたかに見えたが、VARでオリンピアコスのオフサイドが認められ、リヨンは2点差をキープして勝利したのである。(この項、終わり)

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