第3445回 中盤を迎えたUEFAネーションズリーグ(3) オリンピックに出場した選手たち

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ブルガリア戦敗戦の伏線となった1993年10月の黒星

 紛争の続くイスラエルの地を離れ、ハンガリーのブダペストでホームゲームを戦うイスラエル、フランスとの対戦は実に19年ぶりのこととなる。フランスとイスラエルの過去の対戦成績はフランスの4勝4分1敗、イスラエルのこれまでのワールドカップ、欧州選手権の成績を考えれば、フランスが圧倒しているわけではない。
 初対戦は1988年1月、ちょうどフランスは欧州選手権予選で敗退した低迷期である。テルアビブでの親善試合、フランスは先制しながら追いつかれ、初対決はドローとなった。2回目の対戦は1994年ワールドカップ予選、まずイスラエルで対戦し、フランスは4-0と快勝したが、1993年10月13日、雨のパルク・デ・プランスでの試合でフランスは終盤に2失点、後半アディショナルタイム(当時はロスタイムと表記)に2-3と逆転負けを喫した。当時は1月に1回しか国際試合を行っておらず、この1敗が翌月の11月17日に行われたブルガリア戦での2試合連続ロスタイムの失点での敗戦につながり、米国行きを逃している。このように初期の対戦で苦い経験があるのか、その後も圧倒しているわけではない。

■パリオリンピックで主将を務めたオムリ・ガンデルマン

 また、イスラエルについては日本の読者の皆様はパリで行われたオリンピックで対戦したことから、オリンピックチームについてはよくご存じのことであろう。オリンピックでは初戦のマリ戦では引き分けたが、続くパラグアイ戦、日本戦はいずれも敗れ、予選敗退となった。
 オーバーエイジの選手も加えて23歳以下の選手で構成されていたオリンピックチームであるが、その中で今回のフランス、イタリアとの連戦のメンバーに2人が入った。1人はオーバーエイジで選出されたオムリ・ガンデルマン、24歳のMFでオリンピックチームでは主将を務め、パラグアイ戦では同点ゴールを決めている。日本人選手が多数所属するヘント(ベルギー)に所属することから日本の皆様もご存じの選手であろう。

■19歳以下の欧州選手権でも活躍したオスカル・グローフ

 23歳以下の選手は1人、MFのオスカル・グローフである。まだ20歳の選手であるが、2022年に行われた19歳以下の欧州選手権では大活躍し、決勝進出の原動力となり、決勝ではイングランドに敗れたが、高い評価を受けた。昨夏にマッカビ・テルアビブからオーストリアのレッドブル・ザルツブルクに移籍し、欧州レベルでの活躍をしている。パリオリンピックでもチームはグループリーグで敗退したが、すべての試合で先発出場、ゴールもあげている。

■デビュー以来3試合連続出場となるミカエル・オリーズ

 フランスの先発メンバーであるが、GKはマイク・メニャン、DFは右からジョナタン・クロース、イブラヒマ・コナテ、ウィリアン・サリバ、テオ・エルナンデス、中盤は低い位置にオーレリアンとエドゥアルド・カマビンガ、高い位置には右にウスマン・デンベレ、中央にミカエル・オリーズ、左にクリストファー・ヌクンク、FWは中央にランデル・コロムアニという布陣である。これまでアントワン・グリエズマンが務めていたトップ下に入ったのはオリーズである。パリオリンピックで活躍し、9月に代表入り、初戦のイタリア戦では先発出場でデビューした。また、ベルギー戦にも途中出場、代表入り以降3試合連続での出場、このイスラエル戦はトップ下、グリエズマンの後継者として期待がかかる。
 また、左サイドのヌクンクは昨年6月以来の代表での試合出場となるが、これまでは途中出場が多く、先発出場となると2022年6月のクロアチア戦以来のこととなる。ヌクンクへの期待というよりはキリアン・ムバッペ不在の穴の大きさを感じる。
 フランスがハンガリー国内で試合を行うのは2021年の欧州選手権のハンガリー戦以来となる。フランスは上から下まで白いユニフォーム、ホームのイスラエルは上から下まで青いユニフォームで初勝利を目指すのである。(続く)

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