第3449回 チャンピオンズリーグ第3節(1) ブレスト、強豪レバークーゼンとドロー

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■フランス勢でスタートダッシュに成功したブレスト

 前回まではUEFAネーションズリーグの第3節と第4節という中盤戦でフランスがイスラエルとベルギーにいずれもアウエーで勝利し、目標である2位以内に前進したことを紹介した。
 代表チームのインターナショナルデーの翌週の半ばには今度はチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグが行われる。強豪クラブに所属する代表選手にとっては2週連続して週の半ばは国際試合を戦うことになる。
 グループリーグ6試合中4試合を消化し、中盤戦を終えたUEFAネーションズリーグに対し、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはリーグフェーズ8試合のうち、ようやく第3節を迎えるところである。しかし、スタートダッシュに成功したチームと失敗したチームの明暗がすでに明らかになっている。
 フランス勢で予想外の好スタートを切ったのがブレストである。チャンピオンズリーグどころか欧州カップにも初出場であり、シード順の元となるUEFAインデックスでは36チーム中最下位であったが、第1節ではオーストリアのシュトゥルム・グラーツに勝利、第2節も同じオーストリア勢のRBザルツブルクと対戦、アウエーでありながら4-0と完勝している。本連載第3442回で紹介している通り、連勝スタートを切ったのは36チーム中7チームのみ、そしてRBザルツブルク戦の大勝によってボルシア・ドルトムント(ドイツ)に次いで全体順位は2位となっている。

■第2シードの最上位のレバークーゼン

 フランス最西端から旋風を巻き起こしているブレストの第3節はレバークーゼン(ドイツ)とのホームゲームである。ホームゲームであるが、ブレストのフランシス・ブブレ競技場ではなく、ギャンガンのルドゥルー競技場で行われ、赤いユニフォームで真っ赤に染まった。ブレストは連勝スタートを切ったとはいえ、初戦のシュトゥルム・グラーツは第4シードで全体のUEFAインデックスはブレストのすぐ上の35位、第2戦のRBザルツブルクも第3シードであった。
 これに対し、レバークーゼンは第2シード、さらには第2シードでは最上位である、UEFAインデックスは全体では10位となり、アトレチコ・マドリッド(スペイン)やユベントス(イタリア)よりも上位である。そしてレバークーゼンも連勝スタート、第1節ではオランダのフェイエノールトに4-0、第2節はイタリアのACミランに1-0と勝利、勝ち点、得失点差ではブレストと並んでいる。国内リーグでもブレストが3勝1分4敗と黒星先行で11位に低迷しているのに対し、レバークーゼンは4勝2分1敗と4位でチャンピオンズリーグ出場圏内にいる。

■試合の序盤は優勢だったレバークーゼンが先制点

 試合は予想通り、レバークーゼンがボールを保持し、優位に進めた。ヨナス・ホフマン、フロリアン・ビルツが中心となってブレストの守備陣を脅かす。18分にレバークーゼンは高い位置でボールを奪って最後は右サイドからホフマンがシュート、これは枠を外れる。24分にはホフマンが左サイドに移動してボールを持ち込み、ラストパスを右サイドでフリーだったネイサン・テラではなく、ブレストの守備陣の間を走りこんだ中央のビルツにパス、これをビルツは全く無駄のない動きでシュート、これがレバークーゼンの先制点となった。29分にはビルツがゴール前のブレストの守備の選手を次々にかわしてシュートしたが、これはブレストのGKマルコ・ビゾがセーブする。

■同点に追いつき、後半は勝ち越しのチャンスを再三つかんだブレスト

 レバークーゼンの攻撃に耐えたブレストは38分に好位置でFKのチャンスを得てピエール・レースメルが直接狙うが、精度を欠き、枠から外れる。しかし、その直後のプレーでブレストはゴール前でボールをつなぎ、最後はレースメルがFKと同じような位置でボールを受け、右足で強烈に蹴りこみ、今度はゴールネットを揺らして、追いついた。
 後半は逆にブレストがボールを支配し、手拍子が沸き起こる。49分にはレースメルの左足シュート、57分にはケニー・ララのロングシュートがいずれも枠の外を外れる。74分にはマフディ・カマラのシュートがGKの右手に阻まれ、87分には自陣のピントからカウンターを仕掛け、ママ・バルデが右サイドを駆け上がってシュートするが外れる。ブレストは勝ち越すことはできなかったが、欧州の強豪に互角以上の戦いを見せたのである。(続く)

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