第3452回 チャンピオンズリーグ第3節(4) フランス勢で最下位のパリサンジェルマン
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■不本意な序盤戦となったパリサンジェルマンとPSVアイントホーフェン
本連載ではこれまでブレスト、モナコ、リールとフランス勢を紹介してきた。チャンピオンズリーグのリーグフェーズに出場している36チーム中最もシード順の低いブレストは2勝1分、モナコはバルセロナ、リールはレアル・マドリッドとアトレチコ・マドリッドというスペインの強豪を破るなど、活躍が目立つが、その中でただ1チーム沈んでいるのがパリサンジェルマンである。チャンピオンズリーグの第3節を迎える段階で国内リーグでは首位であるが、チャンピオンズリーグでは1勝1敗、格下のジローナ(スペイン)には辛勝、強豪のアーセナル(イングランド)には0-2と敗れており、内容はよくない。
パリサンジェルマンの第3節は10月22日にオランダのPSVアイントホーフェンをパルク・デ・プランスに迎えて行われた。PSVアイントホーフェンは第3シードであるが、第1節ではアウエーで第2シードのユベントス(イタリア)に敗れ、第2節では第3シード相手のホームゲームであったが、ポルトガルのスポルティングと引き分けてしまっており、不本意な序盤戦となった。
思うような結果を残せなかったチーム同士の対戦、パリサンジェルマンの攻撃陣は中央に李康成、右にウスマン・デンベレ、左はブラッドリー・バルコラとなる。白いユニフォームのPSVアイントホーフェンは中央に主将のルーク・デヨング、右にヨハン・バカヨコ、左にノア・ラングという布陣である。パリサンジェルマンとPSVアイントホーフェンは欧州カップで初対戦、パリサンジェルマンはオランダ勢との対戦は少なく、10年前のグループリーグでアヤックスと対戦して以来となる。
■優勢に試合を進めたが先制点を許したパリサンジェルマン
試合は立ち上がりからパリサンジェルマンがペースをつかんだ。両サイドから攻めあがり、試合を支配する。11分にはバルコラのシュートがわずかに枠を外れる。その直後にはこの試合で初めてある程度の時間PSVアイントホーフェンがパリサンジェルマンの陣内でボールを保持したが、得点には至らない。パリサンジェルマンは16分には李康成、19分にはデンベレ、27分にはバルコラと攻撃陣の惜しいシュートが続く。
なかなか先制点をあげることができなかったパリサンジェルマンに対し、PSVアイントホーフェンは34分にデンベレにプレスをかけてボールを奪い、パスを受けたラングがドリブルしてマルキーニョスと一対一となる。ここでラングはニアサイドにシュート、これにはジャンルイジ・ドンナルンマも反応できず、この日2本目のシュートで初の枠内シュートが先制ゴールとなった。一方的に押し込みながら、先制されたパリサンジェルマンはその後も守備が安定せず、PSVアイントホーフェンの攻撃を許すことになったが、追加点は奪われることなく、1点のビハインドで後半を迎えることになった。
■アクラフ・ハキミが同点ゴール、アディショナルタイムのPKは取り消されドロー
後半は拮抗した展開で始まったが、得点を奪ったのはパリサンジェルマンであった。55分に右サイドのアクラフ・ハキミがショートコーナーの展開で、ペナルティエリア外からシュート、これがPSVアイントホーフェンのGKワルテル・ベニテスの両足の間を通って同点ゴールとなる。同点に追いついたパリサンジェルマンであるが、もちろん、勝ち点3が欲しいところである。一方のPSVアイントホーフェンは勝ち点1でも御の字、この後試合は、攻めるパリサンジェルマン、守るPSVアイントホーフェンという構図になった。 そして後半アディショナルタイムの92分、ハキミがペナルティエリア内のマルコ・アセンシオにパスを出す。アセンシオはPSVアイントホーフェンのオリビエ・ボスカリに後ろからタックルされて倒れる。主審は若干迷ったのちに、ペナルティスポットを指さすが、VARの結果、タックルはボールに行っており、PKの判定は取り消される。
■フランス勢はモナコ、ブレスト、リール、パリサンジェルマンの順
パリサンジェルマンは1-1のドローに終わる。この結果、第3節を終えた時点のフランス勢の成績は、4位モナコ、5位ブレスト(いずれも勝ち点7、得失点差+5で総得点でモナコが上位)、15位リール(勝ち点6)、19位パリサンジェルマン(勝ち点4)と意外な展開となったのである。(この項、終わり)