第3464回 ファイナルラウンドへ首位突破(1) 最終戦はミラノでのイタリア戦

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■2位以内を確定したフランス、首位イタリアと勝ち点3差

 前回までの本連載では終盤戦を迎えたUEFAネーションズリーグの第5節のイスラエル戦の模様を紹介した。514日ぶりのスタッド・ド・フランスでの試合であったが、相手がガザ侵攻で国際的な非難を集めるイスラエルということもあり、会場はコロナ禍を除くと最少観客数となる16,611人の前で試合が行われ、フランスは一方的に攻めながら、ノーゴールでスコアレスドローとなった。しかし、同時に行われたベルギー-イタリア戦でベルギーが敗れたため、フランスは2位以内を確定した。
 2位以内を確定して、ファイナルラウンド進出を決めたが、ベルギーが敗れたということはイタリアが勝利したということになる。すなわち、フランスは勝ち点1しか積み上げることができなかったが、イタリアは勝ち点3を積み上げたということになる。最終節を迎える段階の勝ち点はグループ首位のイタリアが13、フランスが10と3に開いてしまった。

■11月17日にミラノで直接対決するイタリアとフランス

 両チームは11月17日、ミラノのサンシーロ競技場で対戦する。フランスがアウエーの試合でイタリアに勝利すれば、勝ち点で並び、直接対決、得失点差などの勝負となる。ファイナルラウンドは3月下旬に準々決勝がホームアンドアウエー方式で行われるが、グループを首位通過したチームがシード扱いとなり、グループ2位通過のチームと対戦する。また、2位通過のホームで第1戦、勝負を決する第2戦は首位通過のチームのホームで行われる。昨季までのチャンピオンズリーグと同様の大会フォーマットとなっており、首位通過を狙いたいところである。

■フランス国内でイタリアに70年ぶりに敗れたフランス

 フランスはイタリアとは今年9月6日にホームゲームとしてパリのパルク・デ・プランスで試合をしたが、本連載第3430回で紹介した通り、ブラッドリー・バルコラの最速ゴールで先制したものの、1-3と逆転負けしている。ただし、フランスはそれまではイタリアとの相性はよく、3連勝中であった。フランス国内でフランスがイタリアに敗れたのは、1954年のコロンブでの対戦以来、70年ぶりのことであった。両国の通算対戦成績はフランスからみて11勝10分19敗である。
 ミラノでの対戦は2007年9月8日の欧州選手権予選以来である。この時はスコアレスドローであったが、その前年にはスタッド・ド・フランスで対戦しフランスが3-1と勝利している。両チームとも予選を突破し、2008年にスイスとポーランドで行われた欧州選手権に出場したが、両国はここでも同じグループリーグに入り、スイスのチューリッヒで対戦した。グループリーグの最終戦で対戦し、イタリアが2-0と勝利し、本予選通算して1勝1分1敗という戦績であったが、イタリアはグループリーグを首位突破したが、フランスはグループリーグ最下位で敗退した。

■勝利のカギはフランスの攻撃陣

 それ以来のタイトルマッチでのイタリアとの対戦となる。第1ラウンドはホームで敗れたが、第2戦で勝利したいところである。ただ、勝利して勝ち点で並んでも、順位決定の第1順位は直接対決の結果となる。第1戦で1-3と敗れていることからフランスは3-1以上のスコアで勝利しなくてはならない。今回のUEFAネーションズリーグの前は親善試合で3連勝しているが、そのうち2試合はイタリア国内での試合であった。2012年はパルマで2-1、2016年はバーリで3-1というスコアでフランスが勝利していることからミラノでの勝利は夢ではない。
 ただし、問題はフランスの攻撃陣である。9月にアントワン・グリエズマンが引退し、10月からはキリアン・ムバッペが代表チームから離脱している。10月のイスラエル、ベルギーとの対戦は連勝できたが、11月17日のイスラエル戦は明らかに攻撃陣の役者不足がスコアレスドローという結果につながっている。
 限られた戦力で、どのように最終戦を迎えるのか、ディディエ・デシャン監督の手腕が問われているのである。(続く)

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