第3468回 中盤戦のチャンピオンズリーグ(2) ボローニャに勝利し、ベンフィカに初黒星を喫したモナコ
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■100年近い歴史を誇るレナート・ダッラーラ競技場
北イタリアの古都ボローニャ、会場のレナート・ダッラーラ競技場は1927年に開場、1934年と1990年のワールドカップでいずれも会場になった歴史を持つスタジアムである。クラブが米国資本になった2014年には建て替えも報じられたが、100年近く伝統のあるスタジアムで試合が行われ続けている。かつては日本の中田英寿、冨安健洋もプレーしたことから日本の皆様にもなじみのあるスタジアムである。
チャンピオンズリーグでは調子の出ないボローニャ相手にモナコはアウエーでも勝ち点3を獲得したいところである。モナコは週の半ばの試合とあってリーグ戦とはメンバーを入れ替えて臨む。トップのブレール・エンボロを支える攻撃的MFには左右にエリース・ベンセギルとマグリス・アクリウシュという若い選手を配し、トップ下にはロシアのベテランのアレクサンドル・ゴロビンというメンバーであり、南野拓実はベンチでキックオフを迎える。
■優勢に試合を進めたモナコ、試合終盤に決勝点
試合は序盤こそ、ホームのボローニャが優勢に試合を進めたが、次第にモナコがギアをあげてきた。モナコはエンボロが15分にシュート、ボローニャのGKはCKに逃れる。モナコは連続してCKを獲得、ウィルフリード・シンゴがヘディングでシュートを決めたが、VARの結果、シンゴにファウルの反則があり、先制点は認められなかった。その後もモナコは何回も決定的なチャンスをつかむが、決めきれない。ボローニャも39分にゴールネットを揺らすが、オフサイドで得点は認められず、前半は両チーム無得点で折り返す。
ボローニャがチャンピオンズリーグで低迷しているのはシュートの精度の低さが原因である。ここまでの3試合で無得点である。後半に入って先に選手交代に動いたのはボローニャであった。モナコも遅れて選手交代、ベンセギルに代えて南野を投入する。後半もモナコのペースであったが、得点が生まれず、スコアレスドローかと思われたが、87分、モナコはゴロビンからのCKを主将のティロ・ケーラーが決めて、これが決勝点となり、モナコは1-0で勝利し、勝ち点を10でリーグフェーズを折り返した。
■ベンフィカ相手に先制したが、多数の警告を受けたモナコ
11月27日、モナコは第5節でベンフィカ(ポルトガル)をホームに迎える。前日に第5節を戦っているチームも多数あるため、モナコの暫定順位は6位、対するベンフィカは勝ち点6で22位である。両チームはチャンピオンズリーグでは10年ぶりの対戦となり、10年前はグループリーグでモナコは1分1敗であった。モナコのケーラーとベンフィカのアンヘル・ディマリアはパリサンジェルマン時代はチームメイトであった。
試合は得点の取り合いとなった。ボローニャ戦と同じ攻撃陣で臨んだモナコは、13分に右からのシュートをGKがはじいたところにいたゴロビンがすぐに折り返し、ベンセギルが先制点を決めた。モナコは優勢に試合を進めたが、前半の終了間際に次々と選手が警告を受ける。前半だけで両チーム6枚のイエローカードはチャンピオンズリーグでの歴代最多記録である。
■退場者が出て、最後に逆転されたモナコ
後半は47分のエンボロのポスト直撃のシュートで始まったが、その直後にモナコはヘディングでGKに戻そうとしたボールをベンフィカのCFバンゲリス・パブリディスが奪ってGKを交わして同点ゴールを決める。その直後にモナコはアクリウシュがベンフィカのDFラインの裏でボールを受けてシュートを決めるがオフサイドの判定でノーゴール。53分にはディマリアがペナルティエリア内にボールを持ち込んで折り返したところをアレクサンダー・バーがヘディングシュートしたが、これもオフサイドの判定、またゴールが取り消される。
58分にモナコのシンゴが退場となる。1人少なくなったモナコであるが、66分にはゴールライン付近からゴロビンが深く戻してスングトゥ・マガサが豪快にシュート、文句なしのゴールとなる。
しかし、最後にモナコは力尽きた。ベンフィカは84分にアルトゥール・カブラルが同点ゴール、そして88分には右サイドからディマリアがゴール前にクロスをあげゼキ・アムドゥニが至近距離からヘディングで決勝点を奪う。
モナコは5試合目にして初黒星、第5節を終えた時点の順位は8位をキープしているのである。(続く)