第3471回 中盤戦のチャンピオンズリーグ(5) リールもボローニャに勝利、フランス勢3チームが勝ち点10
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■モナコに続いてボローニャでの勝利を狙うリール
レアル・マドリッド、アトレチコ・マドリッドというスペインの強豪に連勝し、イタリアの名門ユベントスにも引き分けたリール、後半戦最初の第5節は11月27日、アウエーでボローニャ戦、ユベントスに続き、イタリアのチームとの連戦となる。ボローニャについては本連載第3467回と第3468回でモナコとの対戦を紹介したが、モナコには敗れ、ここまで1分3敗、リール戦の段階で36チーム中33位と厳しい戦いが続いている。モナコに続いてフランスのチームを本拠地レナート・ダッラーラ競技場に迎える。
一方、モナコに続いてボローニャで勝利をあげたいリールは、現在14位である。リーグフェーズは8位以内、16位以内、24位以内という目標があるが、プレーオフを戦わずして1回戦を戦う8位以内も射程距離にある。
■前半終盤に先制点を奪ったリール
リールはキックオフ直後からボローニャのゴール前に迫り、ジョナサン・デイビッドをターゲットに先制点を狙う。ところがボローニャは5分にタイス・ダリンガのシュートが決まる。昨季まではトゥールーズで活躍し、古豪のヨーロッパリーグ出場に貢献したオランダ人選手である。ところがダリンガのゴールはおうサイドのため、取り消される。試合は五分五分の展開となるが、シュートチャンスはリールが多かった。12分のアレクサンドロスのシュートはポストに当たるが、得点には至らない。リールが先制点を奪ったのは44分のことであった。リールの攻撃陣がチェイスし、プレスをかけて、高い位置でボールを奪う。コンゴ民主共和国代表の20歳のFW、エンガイエル・ムカウがシュートし、最初のシュートはボローニャのGKにブロックされるが、跳ね返ったボールを再びシュートして得点が生まれた。
■エンガイエル・ムカウの2点目が決勝ゴール
後半はボローニャもリールのゴールを脅かすが、リールのGKルカ・シュバリエが安定した守備を見せる。しかし63分、ボローニャはジョン・ルクミが同点ゴールを決める。ボローニャはチャンピオンズリーグ5試合目にして初ゴールを決めることができたのである。
しかし、リールはその直後に再びムカウがゴールを決めて勝ち越す。ムカウにとってリールに来てからリーグ戦も含め1試合に複数ゴールを決めたのは初めてのことである。このムカウの得点が決勝点となり、リールは3勝1分1敗として順位を12位にあげることができた。また、リールはチャンピオンズリーグの第1節でスポルティング(ポルトガル)に敗れたのを最後に、公式戦では負けておらず、国内リーグとチャンピオンズリーグで12戦無敗となった。
■勝ち点10で上位に入ったモナコ、ブレスト、リール
第3467回以降、モナコ、ブレスト、リールの中盤戦の戦いを紹介してきたが、第5節終了時点でいずれも3勝1分1敗で勝ち点10で並んでいる。得失点差、総得点数でモナコが8位、ブレストが11位、リールが12位となっている。リーグフェーズが始まる際のシード順を考えれば、リールが第3シード(19位から27位)、モナコとブレストは第4シード(28位から36位)であり、3チームとも予想を大きく上回る戦いを続けている。
したがって、UEFAインデックスにおいてもフランスは5位をキープし、追うオランダやポルトガルとの差を広げており、近い将来のチャンピオンズリーグへの出場条件は確保できている。
ただ気になるのはパリサンジェルマンである。チャンピオンズリーグで好調な3チームのこの時点での国内リーグの順位を見るとモナコは2位、リールは3位であるが、ブレストは12位と低迷している。リーグ戦ではパリサンジェルマンが無敗を続け、首位をキープしている。
ところが、そのパリサンジェルマンはチャンピオンズリーグでは序盤から苦戦が続いている。リーグフェーズの第1節では初出場のジローナ(スペイン)に終了間際にようやく決勝点をあげて勝利したが、第2節ではアウエーでアーセナル(イングランド)に敗れ、第3節ではPSVアイントホーフェンとホームで引き分け、1勝1分1敗で19位で中盤戦を迎えるのである。(続く)