第3473回 中盤戦のチャンピオンズリーグ(7) バイエルン・ミュンヘンにも敗れたパリサンジェルマン

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■調子の上がらないパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘン

 フランス勢で唯一調子の出ないパリサンジェルマンは、第4節でアトレチコ・マドリッド(スペイン)と対戦、圧倒的に攻めながらも勝ち越し点を奪うことができず、後半アディショナルタイムにカウンターから決勝点を奪われ、1-2と敗れ、前半戦を1勝1分2敗で終え、順位は25位、このままでいくと決勝トーナメントにはプレーオフ経由でも届かない。
 後半戦最初の第6節は11月26日、アウエーでバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と対戦する。バイエルン・ミュンヘンは第1シードであり、このリーグフェーズの中で最も厳しい戦いとなる。ただし、バイエルン・ミュンヘンも新方式となった今季のチャンピオンズリーグでは決して良い成績を残していない。第1節ではディナモ・ザグレブ(クロアチア)に9-2と大勝したが、アストンビラ(イングランド)、バルセロナ(スペイン)に連敗し、ようやく第4節でベンフィカ(ポルトガル)に勝利して2勝2敗と五分の星に戻してホームで第1シードを迎える。
 これまで欧州のトップレベルで13回対戦してきた。新型コロナウイルスが世界を襲った2019-20シーズンはリスボン(ポルトガル)での決勝で対戦している。フランスとドイツ(西ドイツ)のチームで過去13回対戦というのは、最も多い対戦回数となる。そのようにライバル関係にある両チームであるが、今回は第1シード9チーム中成績の悪い2チームの対戦となった。

■思い切った選手起用に出たパリサンジェルマン

 迎え撃つバイエルン・ミュンヘン、主将はGKのマヌエル・ノイアー、守備的MFはジョシュア・キミッヒとレオン・ゴレツカ、攻撃的MFにはジャマル・ムシアラ、レロイ・ザネと先発メンバーのうち半数近くがドイツ代表であるが、フランス人選手はダヨ・ウパメカノとキングスレー・コマン、トップはイングランドのハリー・ケインと欧州の強豪国の選手がそろう。それ以外にDFラインにはオーストリア代表のコンラート・ライマー、韓国代表の金玟哉、カナダ代表のアルフォンソ・デービスと中堅以下の国の選手も名を連ねたが、ほぼ妥当なメンバーと言える。
 一方、何とか苦境から脱したいパリサンジェルマンは思い切った選手起用をする。まずGKはジャンルイジ・ドンナルンマをベンチに置き、ロシア代表のマトベイ・サフォノフを起用する。そして攻撃陣はブラッドリー・バルコラとウスマン・デンベレの2トップとする。

■先制点は金玟哉のヘディングシュート

 会場のアリアンツ・アリーナは7万5000人の観衆で埋まったが、パリからのファンも3500人が期待をかける。キックオフ直後からバイエルン・ミュンヘンは積極的に攻め、5分には左CKのチャンスを得る。キッカーはキミッヒ、GKがドンナルンマでないからか、直接ゴールを狙う。ただし、サフォノフもよく集中しパンチングで逃れる。6分にはムシアラ、8分はザネとそれぞれスピードのある展開でパリサンジェルマンの守備陣を振り切ってシュートするが、いずれもサファノフはセーブするする。
 試合はバイエルン・ミュンヘンが圧倒的に支配する。パリサンジェルマンは前節はアトレチコ・マドリッド相手にボールを支配したが、バイエルン・ミュンヘン相手は全く逆の展開となった。ようやく31分にデンベレがシュートを放つが、バイエルン・ミュンヘンの守備陣が得点を許さない。
 37分にはバイエルン・ミュンヘンは左CK、これを金玟哉がヘディングで決める。オフサイドではないかとチェックも入ったが、ゴールが認められた。40分には攻め込まれていたバイエルン・ミュンヘンはカウンター、最後はコマンがGKと一対一になるが、シュートは枠をわずかに外れた。

■ウスマン・デンベレが退場、第5節を終えて1勝1分3敗の25位

 1点を追うパリサンジェルマン、後半に入って55分、デンベレがファウルを犯し、2枚目のイエローカードで退場となる。数的不利になったパリサンジェルマンはバイエルン・ミュンヘンの追加点を許さないことが限度であった。0-1と敗れ、1勝1分3敗、勝ち点4の25位のままで第5節を終えたのである。(この項、終わり)

このページのTOPへ