第3477回 明暗が分かれたヨーロッパリーグのフランス勢(4) 4位に順位を上げたリヨン
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■欧州カップの常連、アゼルバイジャンのカラバフ
リヨンの第4節はドイツのホッフェンハイムとのアウエーゲーム、後半アディショナルタイムに双方が得点をあげて引き分けた。リヨンは全体順位は9位、トップ8入りをうかがう位置で後半戦を迎えた。
後半戦初戦となる第5節はアウエーでアゼルバイジャンのカラバフとの対戦である。カラバフは近年アゼルバイジャン国内では無敵の状態、昨季もリーグ優勝し、今季はチャンピオンズリーグの予備戦から参戦したが、予備戦2回戦、3回線と勝ち抜いたが、プレーオフでクロアチアのディナモ・ザグレブに連敗し、ヨーロッパリーグのリーグフェーズに転戦してきた。近年は国内リーグで好成績を残していることから欧州カップにも毎年のように出場しており、第3シードの中でトップの位置にある。しかし、トットナム・ホットスパーズ(イングランド)、マルモ(スウェーデン)、アヤックス・アムステルダム(オランダ)に敗れて3連敗、ようやく第4節でノルウェーのボデ・グリムトに勝利して、1勝3敗の29位で後半戦を迎える。
■後半にカラバフを突き放したリヨン
このカラバフの最大の注目選手はヤシン・ベンジア、本連載の読者の方ならご存じであろうが、フランス出身で、リヨンの育成組織からリヨンでプロ契約、アンダーエイジのフランス代表であったが、フル代表ではアルジェリアを選択している。ベンジアはゲームメーカーとしてカラバフの攻撃を支える。
小雨の中で始まった試合、序盤はカラバフが攻めたが、先制点をあげたのはリヨンであった。ラヤン・シェルキが右サイドから攻め込んで、ゴール前のクロスにギオルギ・ミカウターゼが合わせてゴールに入る。その直後のカラバフの反撃はシュートがポストに当たる。カラバフは試合を支配しながら、ポストやバーに嫌われ、同点に追いつくことができない。シュートを何本も放たれながら、リヨンは何とか1点のリードでハーフタイムを迎えた。
後半はリヨンが試合を支配した。決定機を次々につかむが、今度はバーやカラバフの守備に当たり、追加点につながらない。60分過ぎに両チームともこの状況を打開すべく、選手を次々に交代させる。この選手交代が功を奏したのはリヨンであった。63分にコランタン・トリッソがジャルダン・ベルトゥのパスを受けて追加点をあげる。さらにリヨンは68分にもマリック・フォファナのゴールで3-0と突き放す。80分にはミカウターゼがカラバフのゴール前で2回フェイントをかけ、この日2点目となるゴールを決め、大差となる。カラバフは終了間際に1点を返すのが精いっぱい、アウエーで4-1と勝利したリヨンは3勝1分1敗とし、順位を6位にあげたのである。
■フランクフルトに先制点を許したが、前半のうちに追いついたリヨン
リヨンの勢いは止まらなかった。年内最終戦となる第6節の相手のドイツのフランクフルトは第1シードである。ここまで3勝1分という成績で総合順位は3位である。ホームのグルーパマ競技場での試合、リヨンは国内リーグでも調子を上げ、5位まで順位をアップさせている。試合前には両チームのファン同士のトラブルも起こり、大一番となる。最初の得点機はリヨン、7分のトリッソのシュートはポストに当たる。さらにアレクサンドル・ラカゼットのシュートも枠をかすかに外れる。先制点はアウエーのフランクフルト、19分にアンスガー・クナウフが決める。しかし、リヨンは27分のシェルキの右足のシュートで同点に追いつく。リヨンはその後もチャンスを重ね、同点でハーフタイムを迎える。
■激しい試合に競り勝ったリヨン
後半になってリヨンは50分にフォファナが勝ち越しゴールを決め、さらに54分にはアーネスト・ヌアマが追加点を入れて差を広げる。その後は激しい試合展開となったが、フランクフルトの反撃を85分のオマール・マームシュの1点に抑え、リヨンは両チームでイエローカード12枚という激しい試合を3-2と競り勝ち、総合順位を4位にあげたのである。(この項、終わり)