第3488回 フランスリーグ、前半戦終了(1) 秋の王者はパリサンジェルマン

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■年明けに折り返し点を迎えるフランスリーグ

 今季のフランスサッカーは、年内最後の試合がフランスカップのベスト32決定戦となり、年明け最初の試合の前にチャンピオンズトロフィーが行われるという昨年までとは異なるスケジュールとなった。
 チャンピオンズトロフィーに出場したリーグチャンピオンのパリサンジェルマンとリーグ2位のモナコは第16節の試合を年内の12月18日に行い、それ以外の16チームは1月3日から5日にかけてリーグ戦を行った。
 そしてその翌週末の1月10日から12日にかけて第17節が行われ、リーグ戦の前半戦が終了した。前半戦終了時点の首位チームは秋の王者と呼ばれる。秋の王者に対してトロフィーが送られるオーストリアのようなリーグもあるが、フランスでは特段の表彰等は行われない。しかし、この折り返し点での成績はリーグ戦全体を考えるうえで大切なポイントとなる。
 さて、今季のフランスリーグであるが、本連載第3420回から第3424回で開幕の模様を紹介した。欧州選手権に加え、パリでオリンピックが開催されたことから、開幕は8月16日と例年よりも遅くなった。ただ、欧州五大リーグについていうとフランスと同じ時期に開幕したのがイングランド、スペイン、イタリアであり、ドイツはその翌週に開幕しており、有力リーグの日程がそろったことになる。

■チャンピオンズリーグ出場組が上位を占めるリーグ戦

 本連載では開幕戦については紹介し、前年度覇者のパリサンジェルマンが新戦力の活躍もあり、ルアーブルに大勝、昨季2位のモナコは昇格組のサンテチエンヌに勝利した。また、クラブ史上最高の3位となり、チャンピオンズリーグにも出場したブレストは、8位となって欧州カップ出場を伸ばしたマルセイユに敗れている。また前年4位でチャンピオンズリーグにも出場したリールはスタッド・ド・ランスに勝利している。過去の実績だけではなく、この開幕戦の結果を見れば、チャンピオンズリーグでまさかブレストが躍進するとは思えず、パリサンジェルマンに大ブレーキがかかることも想定できなかったであろう。
 開幕から5か月、今季に関してはチャンピオンズリーグに出場しているチームが前半戦で上位を占め、パリサンジェルマン以外のチームについては次回以降紹介しよう。

■国内リーグ戦では無敗を続けたパリサンジェルマン

 今季もフランスサッカーで最も注目を集めるのはパリサンジェルマンである。本連載ではチャンピオンズリーグでの不振を紹介してきたが、国内リーグでは開幕戦でアウエーでルアーブルに大勝した後も、順調に勝ち点を積み上げてきた。第2節はパルク・デ・プランスでのホームゲーム、オリンピックのため、長期間にわたり本拠地が使用できず、5月13日のトゥールーズ戦以来、3か月以上ぶりにパルク・デ・プランスに戻ってきた。このモンペリエ戦でパリサンジェルマンの攻撃陣は久しぶりにパルク・デ・プランスに集ったファンを満足させる6ゴールをあげた。さらにパリサンジェルマンの勢いは止まらず、チャンピオンズリーグ開幕までリーグ4連勝、16得点で3失点と爆発的な攻撃力を見せた。まさかチャンピオンズリーグ初出場のジローナ(スペイン)相手にパルク・デ・プランスで終了間際までゴールをあげることができず、1-0の辛勝スタートとなることは誰も想像していなかった。それ以降のチャンピオンズリーグでの苦戦は本連載で紹介した通りである。
 しかし、リーグ戦では好調であり、ジローナ戦直後のスタッド・ド・ランス戦では引き分けて今季初めて勝利を逃したが、その後は無敗を続ける。

■リヨンを圧倒、年内に秋の王者となったパリサンジェルマン

 リーグ戦の第15節は12月13日から15日にかけて行われ、パリサンジェルマン-リヨン戦は人気カードとあって日曜の夜に最後の試合として行われた。この時点で2位のマルセイユの勝ち点は30、勝ち点34のパリサンジェルマンは勝利すれば、前半戦のトップ折り返しを年内に確定できる。
 パリサンジェルマンは5位のリヨンを圧倒して、3-1と勝利、2試合を残して3年連続で秋の王者となったのである。(続く)

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