第3499回 終盤戦のリーグフェーズ (5) パリサンジェルマン、最終節はシュツットガルトに快勝
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■同じ勝ち点10のシュツットガルトと対戦するパリサンジェルマン
チャンピオンズリーグのリーグフェーズの最終節となる第8節は1月29日21時に全18試合が一斉にキックオフされた。第7節までは2日間にわたって行われ、さらに時間をずらして行われたが、最終順位が決定するということもあり、同時に行われ、チームによっては他会場の途中経過を把握しながらの展開となる。
フランス勢で最も注目を集めたのはパリサンジェルマンである。第7節のマンチェスター・シティ(イングランド)との試合では2点を先行されながら、逆転勝ちをおさめ、順位をプレーオフ圏内の22位までアップさせた。さて、パリサンジェルマンはドイツのシュツットガルトと対戦する。シュツットガルトはパイサンジェルマンと同じ勝ち点10であるが、得失点差で24位とプレーオフ進出圏内の最低の順位をキープしている。
両チームとも引き分けであれば現在の順位をキープできるであろうが、シュツットガルトはホームでの試合、勝利を目指す。そしてパリサンジェルマンもチャンピオンズリーグではようやく連勝し、この勢いで3連勝を飾りたい。両チームとも勝利すれば、他の試合の結果によるが、シード権付きでのプレーオフ出場となる16位以内も可能である。
■15季ぶりにチャンピオンズリーグに出場するシュツットガルト
シュツットガルトは昨季ブンデスリーガで2位になり、チャンピオンズリーグには15季ぶりに出場となる。また欧州カップについても本戦出場は12 季ぶりとなる。すなわち欧州での実績に乏しく、今大会のリーグフェーズのシードは最下位の第4シードである。また、UEFAインデックスも出場36チームでブレスト、シュトゥルム・グラーツ(オーストリア)に次いで下から3番目である。そういう中でチャンピオンズリーグではプレーオフ圏内をキープしていることは立派であり、今季も現時点で4位、来年もまたチャンピオンズリーグも戻ってこられる位置にある。会場のMHPアレーナは超満員の6万人を超すファンが集まり、その片隅には約3,000人のパリからのファンも陣取った。
■鮮やかなゴールを決めたパリサンジェルマンの攻撃陣
マンチェスター・シティ戦で新調した紺の第4ジャージを着用したパリサンジェルマンが優勢に試合を進める。6分にはこの試合初めてのCKを獲得し、キッカーはウスマン・デンベレ、デンベレが蹴ったボールをニアポストにいたデジレ・ドゥエがファーポストに技ありのパス、これを左サイドのブラッドリー・バルコラがヘディングで決める。パリサンジェルマンは鮮やかに先制ゴールを決める。
■ハットトリックを達成したウスマン・デンベレ
そして追加点も鮮やかであった。16分、シュツットガルトはこの試合最初のチャンス、左サイドをジェイミー・レベリングがドリブルで駆け上がり、パリサンジェルマンの選手を振り切ってクロスを上げる。これをクリス・ヒューリッヒがシュート、ジャンルイジ・ドンナルンマが右手一本で好セーブしてはじく。このこぼれ球をシュツットガルトの選手がシュートできず、パリサンジェルマンが自陣ゴール前から一気にカウンター攻撃を仕掛けた。逆にパリサンジェルマンはバルコラが左サイドから中に折り返し、デンベレのシュートがゴールネットを揺らす。バルコラへのパスがオフサイドではなかったかということでVARが入ったが、パリサンジェルマンの追加点が認められた。
30分にもバルコラは2点目と同様に左サイドをドリブルで駆け上がり、同じようなクロスを供給、中央に走りこんできたのは今度はドゥエであった。ドゥエのシュートはシュツットガルトのGKが身を挺して防ぎ、ボールはゴールラインを越えていなかった。
35分には右サイドのドリブルからデンベレが豪快なシュートを決め、3-0でハーフタイムを迎える。
後半に入っても54分にパリサンジェルマンはペナルティエリア内でアクラフ・ハキミからのパスを受けたデンベレのシュートが決まる。デンベレはハットトリックを達成した。
意地を見せたいシュツットガルトの反撃は77分の1点(記録上はウィリアン・パチョのオウンゴール)のみ、パリサンジェルマンは4-1と快勝、3連勝でリーグフェーズ最終戦を飾ったのである。(続く)