第3502回 終盤戦のリーグフェーズ (8) ブレスト、レアル・マドリッドに力負け

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■勝ち点13で最終節を迎えるブレスト

 チャンピオンズリーグを戦っているフランス勢をパリサンジェルマン、モナコ、リールと紹介してきたが、最後にブレストを取り上げよう。本連載では何度も繰り返している通り、今年のフランスサッカーあるいは欧州サッカーの最大の驚きと言ってよいであろう。昨季はリーグでクラブ史上最高の3位になり、初の欧州カップ出場を決めた。
 リーグフェーズに出場した36チームの中でUEFAインデックスは最下位であったが、開幕戦でシュトゥルム・グラーツ、第2節でRBザルツブルクというオーストリア勢に連勝、レバークーゼン(ドイツ)には引き分けたが、スパルタ・プラハ(チェコ)に勝利して折り返す。後半戦はバルセロナ(スペイン)とシャフタール・ドネツク(ウクライナ)に敗れたが、PSVアイントホーフェン(オランダ)には勝利、勝ち点13で最終節を迎える。

■勝ち点12にとどまる昨季王者のレアル・マドリッドが先制

 最終節はホームで行われ、相手は第1シードのレアル・マドリッド(スペイン)、これまでに15回の優勝を誇る昨年のチャンピオンチームであるが、ここまで7試合で3敗を喫している。白い巨人を倒したのはリバプール(イングランド)、ACミラン(イタリア)、そしてリールである。レアル・マドリッドの勝ち点は12にとどまっており、15位で最終節を迎える。両チームともプレーオフ出場は確保しているが、トップ8入りは他の試合の結果次第である。まずは勝利、そして得点差をつけての勝利が欲しい。
 ブレストはこの日も本拠地を離れ、ギャンガンのルドゥルー競技場で1万5000人の観衆とともに戦う。レアル・マドリッドはキリアン・ムバッペ、オーレリアン・チュアメニ、フェルラン・マンディという3人のフランス人選手が先発する。
 試合開始早々から両チームとも相手のゴール前に攻め込むが、最初の得点チャンスは赤いユニフォームのブレストであった。6分、ゴールから20メートルの位置でFKを得る。ペレイラ・ラジェが直接ゴールを狙うが、レアル・マドリッドのGKチボー・クルトワがナイスセーブ。一方のブレストもGKのマルコ・ビゾが26分のルーカス・バスケスからのクロスに合わせたロドリゴのシュートを見事に止める。惜しくも先制点にはならなかったロドリゴであるが、その直後、左サイドからペナルティエリア内にボールを持ち込み、そのままシュート、ファーサイドのポストに当たり、ゴールインする。ブレストも28分にはカモリ・ドゥンビアがシュートするがクルトワに阻まれる。

■同点ゴールが取り消され、失点を重ねたブレスト

 ブレストは1点を追って後半を迎える。先にゴールネットを揺らしたのはブレスト、51分にラジェからのパスを受けたルドビック・アジョルクのシュートが決まるが、VARの結果、オフサイドの判定で取り消される。そして試合は地力の差が表れる。56分にレアル・マドリッドはバスケスのパスをゴール前のジュード・ベリンガムが決めて2点差、さらに78分にはムバッペのシュートをビゾが止めたものの、こぼれ球がロドリゴのところに戻り、ロドリゴのシュートで3-0となる。ブレストは健闘したものの、0-3と敗れてしまい、勝ち点13のままとなった。

■出場した4チームともプレーオフ進出以上となったフランス勢

 リーグフェーズが終了し、フランス勢はリールが勝ち点16(5勝1分2敗)でそれ以外の3チームは勝ち点13(4勝1分3敗)で並んだ。リールは7位でトップ8入りして本戦にストレートインする。勝ち点13の3チームは得失点差の勝負となり、終盤に点差をつけた勝利の多かったパリサンジェルマンが+5でシード権付きの15位となる。得失点差が0となったモナコは17位、レアル・マドリッド戦の敗戦で貯金を使い果たして赤字になったブレストは得失点差が-1となり18位となる。モナコとブレストはシード入りは逃したが、プレーオフに進出する。
 フランス勢は出場4チームがすべてプレーオフ進出以上であり、欧州五大リーグではイングランドと並ぶ快挙となった。(続く)

このページのTOPへ