第3505回 2025年6か国対抗開幕 (2) 昨季最下位のウェールズと開幕戦で対戦
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■2年ぶりにスタッド・ド・フランスで行われる6か国対抗、ウェールズ戦で開幕
伝統の6か国対抗、今年は1月31日の金曜日の夜21時15分、スタッド・ド・フランスで開幕する。スタッド・ド・フランスは、昨年はパリオリンピックの準備のため使用できなかったことから、6か国対抗としては2023年3月18日のウェールズ戦以来のことになる。
フランスの初戦の相手はその時と同じウェールズである。ウェールズは2021年には優勝したが、2022年と2023年は連続して5位、昨年は全敗で最下位と振るわない。今大会が始まる時点の世界ランキングは11位まで下がっている。
迎え撃つフランスの世界ランキングは4位、参加国の中ではアイルランドの2位に次ぐ順位であり、両チームは第4節で3月8日にダブリンで直接対決する。フランスとしてはウェールズに快勝して、弾みをつけたいところである。
■スタンドオフにはロマン・エンタマックが復帰
さて、1月中旬に発表した今年の6か国対抗に臨む42人のメンバーについては前回の本連載で紹介したが、初戦のウェールズ戦のメンバーを紹介しよう。FW第一列はジュリアン・グロ、ペアト・モーバカ、ウイニー・アトニオ、ロック陣はアレクサンドル・ルーマとエマニュエル・メアフー、フランカーはフランソワ・クロとポール・ブーダン、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリットである。ハーフ団はアントワン・デュポンとロマン・エンタマック、スリークォータバックスは左からルイ・ビール・ビアレイ、ヨラム・モエファナ、ピエール・ルイ・バラシ、テオ・アティソグベ、フルバックはトマ・ラモスとなる。
なんと言ってもスタンドオフにエンタマックが復帰、所属チームのトゥールーズでもコンビを組むデュポンとのフランス代表でのハーフ団の復活はラグビーワールドカップを控えた2023年8月12日、サンテチエンヌでのスコットランド戦である。この試合の後半に負傷したエンタマックはその後、長らく戦列から離れた。
■アントワン・デュポン復帰後は3連勝のフランス
スクラムハーフのデュポンは、ラグビーワールドカップでは途中負傷しながら復活するも準々決勝で南アフリカに敗れ、その後はパリオリンピックの7人制に専念するため、代表チームを離れ、見事にオリンピックでは金メダル、昨秋からエンタマックより一足先に代表チームに復帰した。デュポンが復帰したのは昨年の秋のテストマッチであるが、本連載では初戦の日本戦のみを紹介したが、日本に52-12と大勝した後、ニュージーランドに30-29と競り勝ち、アルゼンチンにも37-23と3連勝している。デュポン復帰前の夏の南米遠征ではアルゼンチンに1勝1敗、テストマッチ対象外のウルグアイ戦で勝利だったことを考えれば、チームは大躍進したと言えるであろう。
■ラグビーワールドカップ準々決勝以降12連敗中のウェールズ
一方のウェールズであるが、昨年は6か国対抗で5戦全敗、夏の南半球遠征では南アフリカに13-41と敗れ、豪州には16-25、28-36と連敗している。の秋のテストマッチはフィジーに19-24と負けて始まり、豪州には20-54と大敗し、南アフリカにも12-45で敗れ、結局2024年は11戦全敗という不名誉な結果に終わっている。さらに2023年最後の試合はラグビーワールドカップの準々決勝のアルゼンチン戦であり、結局12連敗ということになる。
ラグビーワールドカップでは予選プールでは豪州、フィジー、ポルトガル、ジョージア相手に4連勝し、首位通過したが、その後は長いトンネルに入ってしまった。ラグビーワールドカップでは6か国対抗に出場している欧州勢との試合はなく、6か国対抗に出場している国から勝利をあげたのは2023年8月のイングランド戦が最後である。名将ウォーレン・ガットランドにとっては受け入れがたい状況が続いている。
下馬評で有利なフランスがどのような戦いをするのであろうか、ファンが注目する中、キックオフを迎えたのである。(続く)