第3510回 チャンピオンズリーグのプレーオフ (4) モナコ、ベンフィカとの第1戦を落とす

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグフェーズで1つ上の順位のベンフィカと対戦するモナコ

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグ史上2回目となったフランス勢対決のパリサンジェルマンとブレストの第1戦について紹介した。今回はモナコの戦いを紹介しよう。 リーグフェーズの総合順位17位のモナコの対戦相手は16位のベンフィカ(ポルトガル)である。リーグフェーズでの勝ち点は両チームとも13、得失点差で+4のベンフィカが0のモナコよりも1つだけ順位が上になり、プレーオフの第2戦をホームで開催することができる。

■グループリーグを首位突破した2014-15シーズンもベンフィカに負け越したモナコ

 モナコにとってはベンフィカは鬼門と言ってよい。これまで欧州カップでは3試合対戦している。まず、2014-15シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグで2回対戦している。このグループリーグでモナコは最下位の第4シード、これに対してベンフィカは第1シードであったが、結局モナコはグループリーグを首位で突破し、ベンフィカは最下位に終わり、敗退している。最終結果だけを見れば、モナコがベンフィカに対してジャイアントキリングをしたかに見えるが、グループリーグで3勝2分1敗という成績を残したモナコであるが、本連載第1774回で紹介した通り、中盤戦でベンフィカと連戦、1分1敗と負け越しているのである。モナコは終盤戦で連勝し、首位突破となったが、当時はUEFAインデックスでフランスはポルトガルと競り合っており、モナコがポルトガルのチームとの直接対決で敗れたことは痛い結果となった。

■新方式になり、リーグフェーズで対戦したチームと決勝トーナメント初戦で対戦

 そして記憶に新しいのは今季のリーグフェーズである。昨季までの大会方式や他の大会ではグループリーグで対戦したチームが決勝トーナメントの初戦で対戦することはなかった。新方式のなせる業である。
 今回もモナコは第4シード、そしてベンフィカは第2シードとモナコは番付では下の位置にある。第5節でモナコはベンフィカをホームに迎えた。本連載第3468回で紹介した通り、それまで無敗のモナコであったが、警告者を多数だし、後半に入って58分には1人が退場、それでもリードを保っていたが、終盤に同点ゴールと決勝ゴールを奪われて、逆転負けし、これがチャンピオンズリーグでの初黒星となる。後半戦のモナコは1勝3敗、順位を大きく落とした。
 一方のベンフィカはモナコ戦までは2勝2敗であったが、後半戦は2勝1分1敗、最終的に勝ち点でモナコに追いつき、得失点差で上回ったのである。
 プレーオフ第1戦は2月12日にモナコのルイ二世競技場で行われたが、その直前に行われたリーグ戦第21節はパリサンジェルマンとのアウエーゲームである。チャンピオンズリーグのプレーオフ第1戦を控えたチーム同士の戦いとあって注目を集めたが、モナコはパリサンジェルマンに1-4と大敗を喫する。

■リーグフェーズでの対戦同様、退場者を出してしまったモナコ

 このように11月末のベンフィカ戦の敗戦以降、チーム状態が下降気味のモナコであるが、ルイ二世競技場には多くの観客が集まった。11月の対戦は退場者が出たことに加え、モナコのゴールが微妙な判定で取り消されたこともあり、今度こそ勝利できると確信したファンも多かったであろう。
 しかし、試合は11月27日の再現となった。開始早々、モナコは攻め込み、ブレール・エンボロがペナルティエリア内の競り合いで倒されるが、主審は笛を吹かない。モナコはボール支配率でベンフィカを上回る展開となるが、なかなか得点をあげることができない。前半終盤にはクレパン・ディアッタが負傷し、モアタセン・アル・ムスラティが警告を受ける。前半は両チームスコアレスで終わる。
 後半に入り、ベンフィカは右サイドのバンゲリス・パブリディスが、モナコの選手のファウルを受けながら抜け出す。最後はループシュートでGKのラドスワフ・マイェツキを交わして先制ゴールをあげる。その直後にモナコはアル・ムスラティが2枚目の警告で退場となり、1人少なくなる。その後はベンフィカが優勢に試合を進め、追加点はなかったが、モナコはホームでの第1戦を落としたのである。(続く)

このページのTOPへ