第524回 欧州カップ決勝トーナメントへ(1) ストラスブール、リールは勝利で発進

■毎週半ばに欧州カップの試合がある2月中旬から3月中旬

 アフリカ選手権も終わり、2月中旬からいよいよ欧州カップの決勝トーナメントが始まった。まず、日程を確認しよう。32チームが決勝トーナメントを争うUEFAカップはベスト16決定戦が2月15日に第1戦、2月23日に第2戦が行われる。一方、16チームで決勝トーナメントを争うチャンピオンズリーグはベスト8決定戦が2月21日と22日に第1戦、3月7日と8日に第2戦が行われる。さらに3月9日にはUEFAカップのベスト8決定戦の第1戦、3月16日には第2戦が行われ、2月中旬から3月中旬にかけて週の半ばには必ず欧州カップの試合が予定されている。
 フランスからはチャンピオンズリーグのリヨン、UEFAカップのリール、マルセイユ、ストラスブール、モナコ、ランスと6チームが欧州の頂点を目指した春の戦いに挑戦することになる。

■リーグ戦とは逆にUEFAカップでは好調なストラスブール

 先陣を切って戦うのがUEFAカップに出場する5チームである。最初にキックオフを迎えたのはブルガリアのリテックスとアウエーで対戦するストラスブールである。リーグ戦では20チーム中19位と2部降格の危機にさらされているストラスブールであるが、欧州カップでは好調である。ストラスブールはアフリカ選手権の決勝を戦ったエジプトのアブド・ラボ・オスニとコートジボワールのアルツール・ボカを欠く布陣ではあったが、開始早々にウルリッヒ・ルペンのゴールで先制、終盤にはコートジボワール代表に選出されなかったアマラ・ディアヌが追加点を上げてアウエーで2点差をつけて勝利、フランス勢に勢いをつける。

■ホームで終盤冷や汗のリール

 UEFAカップに出場するチームは今季のリーグ戦では中位から下位に低迷するチームが多いが、唯一上位にいるのが3位のリールである。またフランス勢の中でリールだけが欧州カップの決勝トーナメントの第1戦を本拠地で戦う。リールの相手はウクライナのシャフタル・ドネツクである。チャンピオンズリーグから転戦してきたリールはホームで相手を圧倒する。ニコラ・フォベルグ、ジェフリー・デルニス、そしてアフリカの戦いから戻ってきたナイジェリア代表のピーター・オデムウィンギがゴールを決めて3-0と大差をつける。しかし、最後に気が緩んだのか、89分、ロスタイムに入ってからの91分に失点を重ね、結局は3-2というスコアでウクライナでの試合を迎えることになったのである。

■第1戦を落とし、ショックが尾を引くモナコとランス

 モナコとランスはリーグ戦でも中位にとどまっており、UEFAカップに注力したいところであるが、いずれも辛い第1戦となった。モナコはUEFAカップのグループリーグを首位で突破しているが、年が明けてリーグ戦では苦しい戦いが続いている。1勝3分1敗でなかなか勝ち点を伸ばすことができず、順位は9位にとどまっている。モナコの戴せない手はスイスのバーゼル、ワールドカップでも代表チームが同じグループリーグになっており、その前哨戦ともいえる戦いとなった。モナコは仏系イタリア人で代表チームでも活躍したクリスチャン・ビエリを起用し、必勝を期すが、得点を挙げるにはいたらず、逆に試合終盤に得点を許し、アウエーゲームとはいえ、第1戦を落としてしまう。気落ちしたモナコは3日後に行われた国内リーグでもニース相手に元気なく0-2と敗れ、第2戦に心配を残した。
 ランスは前回の本連載で紹介したとおり、リヨン相手の金星を逃した直後の欧州カップ決勝トーナメントへの参戦となる。ランスの相手はイタリアのウディネーゼである。試合開始直後は、ランスも攻撃を仕掛けたが、ウディネーゼに先制点を許してからはまったく元気がなくなり、次々と失点し、0-3と言うスコアで敗れてしまう。そしてランスもこの敗戦が尾を引き、3日後のリーグ戦ではレンヌに1-4と大敗したのである。(続く)

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