第613回 2006-07チャンピオンズリーグ開幕(2) リヨンとリールは第2シード

■UEFAの算定したポイントでなされたシード分け

 予備戦でリールがマケドニアのラボチニツキを下し、フランスから3チームが参戦することになったチャンピオンズリーグは32チームで本戦が行われる。32チームの内訳は強豪国のリーグの上位チーム16チームは本戦に直接出場、それ以外の16チームは予備戦を勝ち抜いての参戦となる。
 本戦はまず4チームずつに分かれてグループリーグを行い各グループの上位2チームがトーナメント方式で来年5月23日にアテネで行われる決勝を目指すことになる。リールが本戦出場を決めたその翌日にモナコでグループリーグの抽選会が行われた。抽選に先立ち、シード分けがなされた。32チームが8チームずつ第1シードから第4シードまで振り分けられる。

■上位ポイントのクラブが予備戦から参戦する逆転現象

 このシード分けはUEFAが算定した各クラブのポイント順になされたものである。したがって、各クラブともあらかじめ自分がどのシードに入るのかがわかっている。このUEFAのポイントは過去複数年の成績を反映しているが、予備戦から参戦するのか、本戦から参戦するかは前年の成績で決定する。そのため、UEFAのポイントでは上位にあるチームが予備戦から参戦することもあれば、その逆もありうる。
 その一例がイングランドのリバプールとアーセナルであり、ポイントでは第1シードに入る権利を持っているが昨年のリーグ戦の成績はリバプールは3位、アーセナルは4位であり、予備戦から参戦している。スペインのバレンシアも同様でリーグ戦3位で予備戦を戦う。またイタリアのACミランも今年はイタリアサッカー界での事件のため、リーグ2位でありながら予備戦からの参戦を余儀なくされている。

■予備戦の結果で明暗が分かれたリヨンとリール

 実はリヨンは本戦ストレートインとなる16チームの中でのUEFAポイントは5位であるが、リバプール、アーセナル、バレンシア、ACミランがそろって予備戦を突破すれば9番目となり第2シードになってしまう。先述の4チームは予備戦3回戦から参戦し、それぞれ難なく予備戦を突破し、リヨンを第2シードに陥落させたのである。
 一方、泣いたチームばかりではない。前回の本連載で紹介したリールは近年フランスリーグではリヨンに次ぐ成績を残しているが、昨年のリーグ成績が3位であるため、予備戦からの参戦となった。予備戦参戦組でリールよりもUEFAポイントが上位のチームは上記4チームに加え、オランダのアヤックス・アムステルダムである。リーグ優勝を逃したアヤックスは予備戦3回戦でデンマークのFCコペンハーゲンと対戦する。アウエーでの第1戦を2-1と制し、チャンピオンズリーグ出場はほぼ確実かと思われたが、落とし穴はホームでの第2戦であった。この試合アヤックスは0-2と落とし、通算成績2-3でチャンピオンズリーグ出場はならず、UEFAカップへ回ることになったのである。
 そしてリールのポイントは32チーム中16番目となり、第2シードに滑り込むことができたのである。

■強豪相手と対戦するグループリーグ

 また、フランスリーグ2位として本戦ストレートインとなったボルドーは第3シードとなる。
 グループリーグの組み分けは同一リーグのチームが同じグループに入らないようにも配慮され、リヨンはグループEで第1シードのレアル・マドリッド(スペイン)、第3シードのステアウア・ブカレスト(ルーマニア)、第4シードのディナモ・キエフ(ウクライナ)、リールはグループHで第1シードのACミラン、第3シードのAEKアテネ(ギリシャ)、第4シードのアンデルレヒト(ベルギー)、ボルドーはグループCで1シードのリバプール、第2シードのPSVアイントホーヘン(オランダ)、第4シードのガラタサライ(トルコ)と戦うことになった。フランス勢が戦う相手で欧州カップを獲得したことがないのはAEKアテネだけ、という強豪ぞろいである。アテネでの決勝に向けて長い戦いは9月12日に始まるのである。(続く)

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