第641回 チャンピオンズリーグ第5節(2) リヨンは首位確定、ボルドーはUEFAカップ出場へ

■リヨンは首位決定戦、ボルドーは3位決定戦

 チャンピオンズリーグ第5節において痛恨の引き分けを喫してしまったリールを前回の本連載では紹介したが、今回はすでに決勝トーナメント進出を決めているグループEのリヨンとすでに決勝トーナメント進出を逃しているグループCのボルドーの戦いぶりを紹介したい。
 奇しくも第5節はグループEはレアル・マドリッド(スペイン)-リヨンと決勝トーナメント進出を決めているチーム同士の対戦となり、グループCはボルドー-ガラタサライ(トルコ)と決勝トーナメント進出を逃しているチーム同士の戦いとなった。リヨンはグループ首位突破をかけて、そしてボルドーは第二の目標であるUEFAカップ進出をかけてライバルと対戦することになった。

■リヨン、鮮やかに2点を先制

 レアル・マドリッドの本拠地であるサンチャゴ・ベルナベウにリヨンのイレブンは乗り込んだ。両チームとも決勝トーナメント進出が決まっているとあって、戦前の予想通り、スペクタクルな試合になった。引き分け以上なら首位突破が決まるリヨンであったが、アウエーの戦いということで守備的になるのではなく、積極果敢に攻める。11分には負傷のカリム・ベンゼマに変わって先発を任されたヨン・カルーが守備の要ファビオ・カンナバーロを交わしてシュート、先制点をあげる。さらに31分にもフローラン・マルーダがFKの名手ジュニーニョからのFKをボレーで鮮やかに決めて追加点となり、リードを広げた。銀河系軍団にとってホームで2点をリードされるということは近年記憶にないところである。かつてリヨンに所属していたママドゥ・ディアラが反撃の1点を返し、リヨンは今大会初めて失点を喫した。

■ロスタイムのPKをグレゴリー・クーペが防ぎ、首位確定

 後半に入ってもリヨンがリードを保っていたが、ようやくレアル・マドリッドは同点に追いつく。試合終了7分前のこと、ラウルのシュートがポストに跳ね返ったところをルート・ファン・ニステルロイが押し込んで同点となる。さらにロスタイム、クリスがペナルティエリア内でファン・ニステルロイを倒してしまい、ボールはペナルティスポットに置かれた。しかしこの勝ち越しのチャンスでファン・ニステルロイのPKはリヨンのGK、そしてフランス代表のGKであるグレゴリー・クーペに止められ、試合は引き分けとなる。リヨンは今大会初めて勝利を逃したが、グループリーグ首位を確定したのである。

■382分間の無得点状態から脱却したボルドー

 一方のボルドーはガラタサライが相手である。アウエーの試合のときは今季の欧州の移籍史上で屈指の移籍となった稲本潤一が不在であったため、楽観視していたが、今回はホームとはいえ、稲本が出場することから警戒せざるを得ない。これまで空席が多かったシャバン・デルマスにも稲本見たさに多くのファンが集まった。
 ここで奮起したのがボルドーのイレブンである。直前のリーグ戦でパリサンジェルマンにアウエーで2-0と完勝しており、本大会無得点という不名誉な状態から脱却し、年明けからのUEFAカップに出場したいところである。勝てばUEFAカップ出場の決まるボルドーは積極的に攻め続ける。22分にはアレハンドロ・アロンソが稲本のクリアミスを拾いそのままシュート、稲本のプレゼントパスはボルドーに本大会382分目にして初めての得点をプレゼントしたのである。

■直接対決を制し、UEFAカップ出場へ

 後半立ち上がり早々には今度はアロンソからのパスをフランス代表としても期待されるジュリアン・フォーベールがつなぎ、最後はベテランのリリアン・ラスランドが追加点。そして立て続けにゴールが生まれ、フォーベールが3点目を上げ、後半開始の最初の5分間でボルドーは3-0とリードを広げる。これで試合は決まり、冷静さを失ったガラタサライの選手の不用意なファウルが続き、興味をそぐ試合内容となった。終盤の見せ場は、凡プレーやファウルを続け、ブーイングを浴びながらもベンチに下げなかった稲本がゴールをあげたところであろう。
 ボルドーはこれで勝ち点を4とし、最終節でガラタサライと同勝ち点となる可能性もあるが、直接対決の成績で上回るため、3位が確定、UEFAカップでの活躍を期すことになったのである。(この項、終わり)

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