第724回 2006-07フランスリーグ・フィナーレ(7) 3位争いをするランスとボルドー
■試合ごとに順位が変動した2位、3位争い
来季のチャンピオンズリーグ出場権についてはまず1位のリヨンと2位のマルセイユに本戦出場権が与えられたが、予備戦3回戦からの出場権が与えられる3位争いは混戦となった。
リヨンが優勝を決めた第33節終了時点の2位はランス(勝ち点53)、3位はボルドー(52)であったがここから毎節3位の座にあるチームが入れ替わった。
第34節ではボルドーとランスの順位が入れ替わり2位ボルドー(55)、3位ランス(53)となる。そして第35節ではランスが勝利、ボルドーが引き分け、勝ち点56で並ぶが得失点差で2位ランス、3位ボルドーと順位がまた入れ替わる。さらに第36節ではランスとボルドーがそろって敗れ、ナンシーに勝利したマルセイユが勝ち点で逆転し、2位マルセイユ(58)、3位ランス(56)、4位ボルドー(56)となる。第37節は前回の本連載で紹介したとおり、マルセイユが勝利して2位を確定、ランスとボルドーは引き分けに終わり、順位に変動はなかった。
■4チームに3位のチャンスのある最終節
第37節では順位こそ変わらなかったものの、2試合で1しか勝ち点を伸ばすことができなかったランスとボルドーを追うチームが迫ってきたのである。最終節を迎える段階での順位と勝ち点を確認すると、3位ランス(57)、4位ボルドー(57)、5位レンヌ(56)、6位トゥールーズ(55)までに3位の可能性がある。
最終節は全10試合が同時刻にキックオフされるが、3位ランスはアウエーでトロワ戦、4位ボルドーはアウエーで6位トゥールーズとの対戦、5位レンヌはアウエーでリール戦となる。
■半年以上3位以内をキープしてきたランス
一番有利な立場にあるのが3位ランスである。ボルドーと勝ち点で並んでいるが、得失点差は+9、ボルドーの+6に比べて3点リードしている。ランスはすでに2部降格が決まってしまった相手に勝利すれば、ボルドーが大差で勝利しない限り、3位をキープできる。
今季のランスはUEFAカップの決勝トーナメントにも進出しているが、リーグ戦では秋になってから調子を上げて上位に進出してきた。リヨン追走の一番手であり、9月になってかは8勝4分1敗という成績で2位に浮上、12月17日の第18節ではホームにリヨンを迎え撃ち、勝ち点で14も差はあったが、直接対決にファンの期待は高まった。しかし、0-4で完敗してしまい、この一戦でリヨンの優勝は決まってしまった感がある。
リヨンの独走を許してしまったランスであるが、リーグ戦では2位をキープ、3月から4月にかけて3連敗を喫したこともあり、3位に落ちたこともあったが、昨年11月11日に3位になってから半年以上常に3位以内に順位するという安定した力を保ってきた。
■春になってから順位を急上昇させたボルドー
一方、ランスと勝ち点で並ぶボルドーはリーグカップで優勝を果たしており、すでに3月末の段階でUEFAカップ出場権を確保している。ボルドーは昨季2位と言う実績がありながら、前半戦はもたついた。2月17日にトロワに負けたのを最後に、負けはなく、リーグカップ決勝にも勝利し、4月末にランスに勝利し、リーグ戦は9試合連続勝ち点で2月中旬に9位だった順位は急上昇した。3月末のリーグカップ優勝に満足することなく4月は2引き分けの後3連勝と勝ち点を積み上げ、ランスを交わして2位に躍り出たのである。2年連続の2位確保をファンは期待したが、ボルドーにとってはまさかの5月になった。
5月最初の試合は5日に行われた第35節であり、相手は6位のレンヌである。アウエーの試合とはいえ、好調ボルドーが勝利すると思われたが、スコアレスドローに終わり、勝ち点を1しか加えることができず、この日勝利で勝ち点3を加えたランスに得失点差で2位の座を譲ることになったのである。
第36節は最下位のナントとのホームゲームである。この試合については本連載第720回で紹介しているが、ボルドーが勝利すればナントの2部降格が決まる。ところがこの大西洋岸の名門クラブ同士の戦いをボルドーは落としてしまう。結局他の試合の結果でナントは2部に降格し、ボルドーのシャバン・デルマスには誰も喜ぶ者はいなかったのである。
昨年秋から上位をキープするランス、春になってから順位を急上昇させたボルドーと対照的な戦績の両チームである。両チームともゴール目前でもたつき、最終節を迎えたが、予想外の結果となったのである。(続く)