第857回 23人のフランス代表メンバー(4) パラグアイを圧倒するが、ゴール奪えず
■最終選考で残った23人の選手
前回の本連載では5月28日に発表された欧州選手権の本大会のメンバーに、前日に行われたエクアドルとの親善試合で代表にデビューしたばかりのバフェタンビ・ゴミスとスティーブ・マンダンダが入ったことを紹介した。
この2人が入ったことにより、GKのミカエル・ランドロー、FWのジブリル・シセという常連の選手がメンバーから外れた。それ以外にDFのフィリップ・メクセス、ジュリアン・エスクーデ、MFのマテュー・フラミニ、アルー・ディアラ、ハテム・ベンアルファがメンバーから外れ、7人が振り落とされた。
この結果、スイス、オーストリアへのチケットをつかんだ23人のメンバーを紹介すると、GKはグレゴリー・クーペ、セバスチャン・フレイ、マンダンダの3人、DFは右のサイドバックはビリー・サニョルとフランソワ・クレルク、左のサイドバックはエリック・アビダルとパトリス・エブラ、ストッパーはリリアン・テュラム、ウィリアム・ギャラス、ジャン・アラン・ブームソン、セバスチャン・スキラッチの8人、守備的MFはクロード・マケレレ、パトリック・ビエイラ、ラッサナ・ディアラ、ジェレミー・トゥーラランの4人、攻撃的MFの右サイドはフランク・リベリ、シドニー・ゴブー、左サイドはフローラン・マルーダとサミール・ナスリの4人である。そしてFWはティエリー・アンリ、ニコラ・アネルカ、ベンゼマ、ゴミスである。
■準優勝した2年前のワールドカップとほぼ半数が入れ替わり
2年前に準優勝を果たしたワールドカップ・ドイツ大会との連続出場となった選手はクーペ、サニョル、テュラム、ギャラス、ブームソン、アビダル、マケレレ、ビエイラ、リベリ、ゴブー、マルーダ、アンリの12人である。さらに決勝トーナメント1回戦で姿を消した4年前の欧州選手権ポルトガル大会からの3大会連続出場はクーペ、サニョル、テュラム、ギャラス、ブームソン、マケレレ、ビエイラ、ゴブー、アンリの3人である。実は決勝トーナメント1回戦で敗れた4年前の欧州選手権のメンバーのうち16人は2006年のワールドカップに連続出場している。2006年のワールドカップは準優勝であり、2004年の欧州選手権よりも良い成績を残しているが、次の国際大会である今年の欧州選手権のメンバーに連続出場した選手は12人であり、この2年間にほぼ半数の選手が入れ替わったことは注目に値する。またニコラ・アネルカは2000年の欧州選手権以来の国際大会復帰となる。
■控えメンバーがDFラインを形成したパラグアイ戦
そのメンバー決定後最初の試合が5月31日のトゥールーズでのパラグアイ戦である。大会前の親善試合はこのパラグアイ戦と6月3日のコロンビア戦である。レイモン・ドメネク監督は最終調整を考慮したメンバーでこの試合に臨んだ。GKはクーペであるが、DFラインは右からクレルク、スキラッチ、ブームソン、エブラと控えメンバーをそろえた。MF以降は再び先発が濃厚なメンバーで守備的MFマケレレとトゥーララン、攻撃的MFは右にリベリ、左にマルーダ、そしてFWはアンリとベンゼマであり、アンリが主将を務めた。
パラグアイとはこれまでワールドカップで2回対戦した経験があるだけで、これが初めての親善試合での対戦となる。パラグアイは現在ワールドカップの南米予選で首位に立ち、フランスを訪問する直前に日本を訪問し、コートジボワール、日本と引き分け、南米予選の成績がフロックでないことを証明している。また、このパラグアイは日本遠征のメンバーは国内のクラブに所属する選手中心であったが、このフランス戦は欧州のクラブに所属する主力級の選手も加えた真の代表チームである。
■リヨン勢7人が出場、試合を優位に進めるが、得点奪えず
先発メンバーの過半数の6人がリーグ7連覇を飾ったリヨンの選手である。試合は終始フランスが主導権を握るが、前半は両チーム無得点に終わる。後半以降、5人の選手を交代させるが、いずれも中盤より前の選手でDF陣はメンバーを変更しないで調子を見極める。後半開始の段階でゴブーがリベリに代わり投入されたので11人中7人がリヨンの選手となった。後半に入ってもフランスはボールを支配し、次々とパラグアイのゴールにシュートを浴びせるが、日本も揺らすことができなかったゴールネットを揺らすにはいたらず、スコアレスドローとなる。内容的には及第点で、フランス代表はクレールフォンテーヌに戻っていったのである。(この項、終わり)