第890回 2008-09 欧州カップ本戦開幕(1) ノルウェー勢を下したマルセイユとレンヌ

■9月16日に開幕する欧州カップの本戦

 前回までの本連載では2010年ワールドカップの予選が開幕したことを紹介してきたが、その直後に今度は2008-09シーズンの欧州カップ(チャンピオンズリーグ、UEFAカップ)の本戦が開幕する。今回からこの欧州カップの開幕について取り上げたい。
 チャンピオンズリーグ、UEFAカップとも本戦は9月16日に始まる。チャンピオンズリーグの本戦は32チームで争われ、4チームずつ8つのグループリーグを戦う。一方、UEFAカップは80チームがホームアンドアウエー方式の1回戦を戦い、勝者がグループリーグを戦うことになる。両方とも決勝は来年の5月、国内のリーグ戦、国内のカップ戦、そしてもちろん代表チームの試合などの合間をぬって長丁場の戦いが繰り広げられる。

■予備戦を戦ったマルセイユとレンヌ

 さて、112チームがスタートラインに立ったわけであるが、このスタートラインまでの争いは昨季のリーグ戦やカップ戦だけではなく、7月から8月にかけて予備戦が行われてきた。
 チャンピオンズリーグの予備戦は1回戦から3回戦まで行われ、UEFAの定めたリーグ別のランキングの23位以下のリーグの優勝チームは1回戦から参戦する。ランキング4位のフランスについては、リーグの1位と2位は本戦から出場、3位チームは予備戦の3回戦を戦うことになる。
 また、UEFAカップは予備戦だけではなく、さらにその前の段階にインタートトカップが存在し、6月から熱戦が繰り広げられてきた。
 フランスからは本戦に直接出場できるのはチャンピオンズリーグはリヨン(昨季リーグ1位)、ボルドー(2位)、そしてUEFAカップは、パリサンジェルマン(昨季リーグカップ勝者)、ナンシー(昨季リーグ4位)、サンテエチエンヌ(5位)の5チームである。昨季リーグ3位のマルセイユはチャンピオンズリーグの予備戦からの参戦、リーグ6位のレンヌはインタートトから欧州の戦いに挑むことになり、真夏に国際試合を行うことになる。奇しくもこの両チームはフランスリーグ開幕戦で対戦し、本連載第877回で紹介したとおり、4-4のドローゲームを演じている。

■ノルウェーのリーグ覇者を下したマルセイユ

 マルセイユは予備戦の3回戦からの登場となり、ホームアンドアウエー方式で第1戦を8月12日、第2戦を8月26日に行った。本戦出場のかかるこの戦いの相手はノルウェーの昨季のリーグチャンピオンのSKブランである。SKブランは2回戦からの参戦で、リトアニアのリーグチャンピオンのFKベンツピルスを倒してマルセイユとの対戦となり、第1戦にマルセイユを迎えることになった。
 リーグ開幕戦でレンヌ相手に4失点を喫したマルセイユは、守備陣が不安定であると評される中で、早くも欧州の未知のチームとの対戦がやってきた。守備を立て直すためにマルセイユはストッパーにロナルド・ズバールを起用する。この選手交代が功を奏し、昨季のノルウェーチャンピオンを無得点に抑え、前半40分にブノワ・シェイルーが上げたゴールを守りきり、今季公式戦での初勝利を上げる。
 そしてこの勝利で勢いに乗ったマルセイユはリーグ戦では第2節、第3節と連勝し、SKブランを本拠地ベロドロームに迎える。5万5000人の満員の観衆の前でマルセイユはチャンピオンズリーグ本戦を目指す。後半の66分にママドゥ・ニアンが先制点を奪い、優位に立つ。75分に追いつかれ、このままでもマルセイユが本戦出場であったが、ロスタイムにニアンが決勝点をあげて、勝利で本戦出場を飾ったのである。

■ノルウェーの2位相手に逆転を演じたレンヌ

 レンヌについては第873回の本連載でインタートトカップを勝ち抜いたことを紹介したが、マルセイユとの開幕戦を終えた直後に予備戦2回戦に登場した。この予備戦2回戦を勝ち抜けばUEFAカップ本戦が待っている。奇しくも相手は昨季のノルウェーリーグ2位のスタバークである。ホームアンドアウエー方式で行われ、8月14日の第1戦はアウエーでの戦いで、2点を先行されたレンヌは1点を返すのが精一杯であった。
 しかし、この反撃の1点が2週間後のレンヌでの戦いの逆転劇の伏線となった。38分にジェローム・ルロワのゴールで、2試合合計得点が2-2となり、アウエーゴールルールでレンヌが優位に立つ。追いつかれれば、本戦出場を逃すと言う厳しい条件の試合であったが、ルロワが追加点をあげた。通算スコア3-2となり、マルセイユ同様ノルウェー勢を退けたレンヌは、本戦出場を決めたのである。(続く)

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