第891回 2008-09 欧州カップ本戦開幕(2) 工夫が凝らされた組み合わせ

■7チームが本戦に進出したフランス勢

 前回の本連載では欧州カップの予備戦に臨んだフランス勢のマルセイユとレンヌが勝ち抜いて本戦出場を決定したことを紹介した。フランスからは、チャンピオンズリーグへリヨン、ボルドー、マルセイユの3チーム、UEFAカップへパリサンジェルマン、ナンシー、サンテエチエンヌ、レンヌという4チームの合計7チームが本戦を戦うことになった。

■シード順、試合開催曜日が考慮されたチャンピオンズリーグ

 チャンピオンズリーグの本戦出場は32チームであり、4チームずつ8つのグループリーグに分かれてホームアンドアウエー方式の総当りのリーグ戦を戦い、各グループリーグの上位2チームが決勝トーナメントに進む。チャンピオンズリーグのグループリーグの組み分けは工夫がなされている。そのうちの1つがシード制であり、ビッグクラブが決勝トーナメントに勝ち残るように配意されている。シード順の根拠となるのはUEFAの定めたクラブのランキングである。過去5シーズンの欧州カップにおける成績を指数化したものであるが、上位はイングランド勢が並び、上位5チーム中4チームをイングランドのクラブが占めた。リヨンは6位であり、第1シード8チームの中に選ばれる。マルセイユが17位、ボルドーは21位でともに第3シードになった。
 そしてもう1つのグループリーグの組み合わせの工夫が、試合の行われる曜日である。8グループ、16試合が行われるが、火曜日と水曜日に4グループ、8試合ずつ行われる。同一リーグや同一都市のクラブが異なった曜日に試合が行われるように配意されているのである。例えば、ロンドンを本拠地とするチェルシーとアーセナルは違う曜日に試合が行われるように設定され、フランス勢の中でランキングが1番目のリヨンと2番目のマルセイユは異なる曜日に試合が行われるようになっている。

■リヨン、マルセイユ、ボルドーの対戦相手

 その注目のグループリーグの組み合わせであるが、リヨンはグループFに入る。第2シードからはバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、第3シードからはステアウア・ブカレスト(ルーマニア)、第4シードからはフィオレンチナ(イタリア)という組み合わせになり、水曜日の9月17日に第1戦をホームのフィオレンチナ戦で迎える。マルセイユとボルドーは火曜日の16日に第1戦を迎えることになった。マルセイユはグループD、第1シードのリバプール(イングランド)、第2シードのPSVアイントホーヘン(オランダ)、第4シードのアトレチコ・マドリッド(スペイン)と対戦し、第1戦はリバプールをホームに迎える。そしてボルドーはグループAであり、第1シードのチェルシー(イングランド)、第2シードのASローマ(イタリア)、第4シードのCFRクルージュド(ルーマニア)と対戦し、第1戦はフランス勢で唯一アウエーでの戦いとなり、チェルシーと対戦する。

■UEFAカップに参戦するフランス勢4チーム

 一方のUEFAカップであるが、1回戦はホームアンドアウエー方式で行われ、80チームが参加する。この80チームはパリサンジェルマン、ナンシー、サンテエチエンヌのように本戦に直接参戦する32チーム、レンヌのように予備戦を勝ち抜いてきた32チームのほかに、チャンピオンズリーグの予備戦の3回戦で敗れた16チームという3つに分類される。1回戦はその次のグループリーグまで見据えた組み分けになっており、10チームずつ8つのグループに分け、ランキング上位のチーム5チームと下位の5チームになるようにしている。また、同一国からは同じグループに複数チームが入らないようになっている。10チームを5チームに絞った上でグループリーグが行われる。パリサンジェルマンはグループ2で1回戦の相手はトルコのカイセリスポル、ナンシーはグループ3でスコットランドのマザーウェル、サンテエチエンヌはグループ8でイスラエルのハポエル・テルアビブ、レンヌはグループ6でオランダのトウェンテとそれぞれ対戦する。
 フランス勢4チームはいずれも木曜日の18日に第1戦を迎える。ホームで戦うのがレンヌとナンシーであり、パリサンジェルマンとサンテエチエンヌはアウエーで欧州の戦いをスタートさせるのである。(続く)

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