第760回 スコットランドにホームで敗れる(2) 地元パリサンジェルマンのGKミカエル・ランドロー

■ACミランと二度対戦したパリサンジェルマン

 10年ぶりのパルク・デ・プランスでの試合となったフランス代表であるが、パルク・デ・プランスといえばパリサンジェルマンの本拠地である。サンシーロからパルク・デ・プランスに舞台を移すというと、本連載の読者の皆様ならば思い出すのが、2000-01シーズンのチャンピオンズリーグであろう。1次リーグを勝ち抜いたパリサンジェルマンは2次リーグでACミラン(イタリア)、デポルティーボ・コローニャ(スペイン)、ガラタサライ(トルコ)と同じグループBとなる。パリサンジェルマンはデポルティーボ・コローニャ、ガラタサライ相手に連敗してしまう。グループリーグの折り返しに当たる第3戦と第4戦はACミランとの対戦となった。チャンピオンズリーグでの両チームの顔合わせは1994-95シーズンの準決勝以来のことである。そのときはまずパリで第1戦、第2戦がミラノで、両試合ともACミランが勝利している。
 ACミランは最初の2試合を1勝1分と順調に乗り切り、パリサンジェルマンに連勝して、一気に準々決勝進出を決めたいところである。2001年2月14日に行われた第3戦がミラノのサンシーロ競技場での戦い、そして第4戦がパリのパルク・デ・プランスでの戦いとなった。2試合とも1-1のドローとなり、ACミランは勝ち点を思うように伸ばすことができず、結局グループリーグ3位に終わり、パリサンジェルマンはグループリーグで最下位の4位となってしまう。

■2試合連続して首位攻防戦となるフランス

 イタリア-フランス戦と同日に他の予選の試合も行われ、注目の4強についてはスコットランドがホームでリトアニアを3-1と下したが、ウクライナはアウエーでグルジアと1-1と引き分けてしまっている。したがって9月8日の試合を終えた段階での順位は1位フランス(勝ち点19、6勝1分1敗)、2位スコットランド(18、6勝2敗)、3位イタリア(17、5勝2分1敗)、4位ウクライナ(13、4勝1分2敗)となり、フランスにとってはイタリア戦に続いて2位チームと対戦する首位攻防戦になった。

■18年前の唯一のパルク・デ・プランスでのスコットランド戦

 フランスとスコットランドの過去の対戦成績は14戦して7勝7敗、引き分けが1回もないという珍しい成績である。昨年の10月にグラスゴーで行われた試合ではスコットランドが1-0と勝利しているが、それ以前はフランスが3連勝していた。そして過去14回の対戦で唯一パリのパルク・デ・プランスで行われた試合が、1989年10月11日のワールドカップ・イタリア大会予選である。この試合はフランスが3-0と完勝しているが、この時の予選ではスコットランドとの2回目の対戦であり、最初の対戦は1989年3月8日にグラスゴーで行われ、スコットランドが2-0と勝利している。まずスコットランドのホームゲームを行ってからフランスのホームゲームと言うのは今回と同じである。今回もそのワールドカップ・イタリア大会予選同様、アウエーの試合で相手に勝利を許しても、ホームでしっかり勝てるとファンは期待している。

■18年前も今回もゴールを守るパリサンジェルマンの選手

 パルク・デ・プランスで18年ぶりにスコットランドを迎えることになったが、18年前の試合との共通点はGKの所属チームである。18年前のGKはジョエル・バツ、パリサンジェルマンに所属し、試合前の選手紹介では万雷の拍手を浴び、引き分け以上ならばワールドカップ出場が決まるスコットランドの攻撃を完封し、フランスの望みをかすかにつないだ。
 今回のスコットランド戦のGKはミカエル・ランドローである。ランドローはリヨンのグレゴリー・クーペの負傷による長期離脱のために正GKへと昇格し、残りの予選でゴールを守ることになった。パリサンジェルマン所属のランドローにとっては最初で最後となるかもしれないホームグラウンドのパルク・デ・プランスでの代表戦となった。これまでランドローは代表では7試合に出場しており、5勝2分と負けなしであり、特筆すべきは無失点であると言うことである。長らくクーペの控えだったパリジャンに地元での晴れ舞台が用意されたのである。(続く)

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