第854回 23人のフランス代表メンバー(1) 30人をクレールフォンテーヌに招集
■3月26日のイングランド戦以降、活動のないフランス代表
35年ぶりにフランスカップでリヨンが優勝し、7連覇したリーグとあわせて二冠を獲得したことで長いシーズンも終わった。ここで来季開幕までのバカンスを楽しみたいところであるが、今年は偶数年、欧州選手権が待っている。選手もファンも、今年はシーズンオフは返上、オーストリアとスイスで開催される欧州選手権に集中することになる。
さて、フランス代表については3月26日にイングランドと親善試合を行ったことを本連載第828回から第832回にかけて紹介したが、その後はシーズン終盤の戦いに各選手は専念してきた。イングランド戦以降は代表としての活動がないまま、23人のエントリー選手の期限である5月下旬を迎えることになった。
■国内リーグ終了後、30人がクレールフォンテーヌに集結
そのフランス代表は、国内のリーグ戦が終了した翌週の5月22日からクレールフォンテーヌで合宿を開始した。この合宿には30人の選手が招集された。上記の親善試合には この30人を紹介するとGKは4人で、グレゴリー・クーペ、セバスチャン・フレイ、ミカエル・ランドロー、スティーブ・マンダンダ、DFは10人でエリック・アビダル、ジャン・アラン・ブームソン、フランソワ・クレルク、ジュリアン・エスクーデ、パトリス・エブラ、ウィリアム・ギャラス、メクセス、ビリー・サニョル、セバスチャン・スキラッチ、リリアン・テュラム、MFは守備的MFと攻撃的MFに分かれ、守備的MFは6人、アルー・ディアラ、ラッサナ・ディアラ、マテュー・フラミニ、クロード・マケレレ、ジェレミー・トゥーララン、パトリック・ビエイラ、攻撃的MFは5人、ハテム・ベンアルファ、シドニー・ゴブー、フローラン・マルーダ、サミール・ナスリ、フランク・リベリとなっている。そしてFWは5人、ニコラ・アネルカ、カリム・ベンゼマ、ジブリル・シセ、バフェタンビ・ゴミス、ティエリー・アンリという顔ぶれである。
もっとも、国内ではフランスカップ決勝(リヨン-パリサンジェルマン)、国外ではイタリアカップ決勝(インテルミラノ-ASローマ)を24日に控え、チャンピオンズリーグ決勝(マンチェスター・ユナイテッド-チェルシー)が前日の21日に終わったばかりとあって、これらのチームの選手が合流せず、半数の15人だけが合宿初日から参加することになった。
■人材発掘に努めてきたスロバキア戦、スペイン戦、イングランド戦
昨夏以来、レイモン・ドメネク監督は欧州選手権の予選5試合、それ以外の親善試合4試合の合計9つの試合を行ってきた。4つの親善試合のうち、欧州選手権予選の最終戦となったウクライナ戦の直前に行われた昨年11月16日のモロッコ戦以外のスロバキア戦(昨年8月22日)、スペイン戦(2月6日)、イングランド戦の3試合には、大量の選手を招集し、フル代表同士の親善試合以外にA'代表を編成して試合を行い、人材の発掘に務めてきた。
これまでの親善試合では毎回40人近くが招集されたが、この段階ですでに30人に絞られている。また、昨年来の親善試合の際に招集された代表未経験の選手から、この30人に入り込んだのはGKのマンダンダだけであり、なかなかドメネク監督の眼鏡にかなった選手がいなかったことも事実である。一方、今回初めて代表候補としてリストアップされた選手がサンテエチエンヌに所属するゴミスである。
■高地合宿中のエクアドル戦の翌日にメンバーを発表
この30人の選手はさらに23人に絞られることになるが、22日からのクレールフォンテーヌで合宿を行い、24日にはいまや伝統となったティーニュでの高地合宿を行う。そしてそのティーニュ合宿中の27日には山を一旦降りてグルノーブルでエクアドルと親善試合を行う。そして28日に代表メンバーを決定する。
メンバー決定後最初の試合は31日にトゥールーズでパラグアイとの親善試合である。そしてその翌日の1日からはまたクレールフォンテーヌでの合宿に入り、3日には欧州選手権前最後の試合としてスタッド・ド・フランスにコロンビアを迎える。
そして翌日の4日には大会開催地であるスイス入りし、9日のルーマニア戦に備えるのである。(続く)