第1943回 ようこそフランスへ (3) 第2シード、第3シードから本大会出場を決めたチーム
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■第2シードでグループ首位になったチェコとベルギー
前回の本連載では9つの第1シードとなった国のうち、オランダとギリシャがグループリーグで4位以下となり、予選落ちしたことを紹介したが、第2シード以下はどうだったであろうか。
第2シードとなったのはウクライナ、クロアチア、スウェーデン、デンマーク、スイス、ベルギー、チェコ、ハンガリー、アイルランドである。
第2シードの中で予選で目覚ましい成績を残したのがグループAで首位となったチェコ(7勝1分2敗)、グループBの首位のベルギー(7勝2分1敗)である。チェコは前回の本連載で紹介したオランダのいるグループAでアイスランド、トルコを押さえての首位突破である。またベルギーはこのシード順の基本となった本大会では思うような成績を残していないが、世界ランキングは1桁、グループBは10戦全敗のアンドラ以外の5チームはすべて勝ち点10以上という混戦状態であったが、ウェールズを押さえて首位を獲得した。またこのグループBの第1シードはボスニア・ヘルツェゴビナであり、第1シードがシードに見合った成績を残すことができない中で第2シードが首位を確定した。
首位突破はこの2チームだけであり、クロアチア、スイスが2位通過となった。
■第3シードから首位突破したオーストリア
第3シードの9チームの中で欧州を驚かせたのが古豪オーストリアである。中欧の名門チームも1998年のワールドカップ・フランス大会の出場を最後に予選のハードルを越えることができず、辛うじて2008年のスイスとの共同開催の欧州選手権に開催国として出場しただけであるが、地元開催の大会もグループリーグで敗退している。実はオーストリアは欧州選手権の本大会出場はこの2008年大会だけであり、予選を勝ち抜いて出場したことがない。国民自体も今回の予選に対して期待をしていなかったが、グループGで9勝1分と無敗、予選出場53チームの中では10戦全勝のイングランドに次ぐ成績である。また、2位のロシアに勝ち点で8の差をつけおり、2位との勝ち点差が8というのもグループEのイングランド(2位スイスと勝ち点9差)に次いで2番目の成績である。なお、試合数が2試合少ないグループIのポルトガルも2位アルバニアに勝ち点7の差をつけている。予選で欧州を驚かせたオーストリアが本大会でも活躍すれば古豪復活と言えるであろう。
■初出場のスロバキア、最終戦で2位に入ったルーマニア
オーストリア以外の第3シードの国でグループリーグ2位までに入ったのは、スロバキア、ルーマニア、ポーランドである。
スロバキアは初戦でアウエーでウクライナに勝利、そして第2戦ではホームにスペインを迎える。先制し、追いつかれたものの、87分に勝ち越し点を奪い、2-1で連勝する。さらにその後も白星を重ね、2015年6月までに6連勝する。ようやく第7戦でスペインにアウエーで敗れ、ベラルーシにも敗れてスペインに首位を譲ったものの、グループCでウクライナを押さえ、2位に入り、スロバキアとして初めての欧州選手権出場となった。
ルーマニアは第1シードのギリシャが最下位になったグループFで中盤以降ドローが続いたが、最終戦でフォロー諸島に勝利して2位に入った。
■大混戦のグループDで2位に入ったポーランド
ポーランドのグループD、最終戦を迎える段階で勝ち点19のドイツを勝ち点18のポーランドとアイルランドが追う大混戦となった。ドイツがジョージアに勝利して首位を確定、ポーランドはアイルランドとの直接対決に勝利して2位となった。なお、アイルランド戦で決勝点をあげたロベルト・レバンドフスキは13ゴールをあげて予選全体の得点王となった。
ここまで第3シードまでのグループリーグ終了時の予選突破チームを紹介したが、第4シード以下のチームも本大会に名乗りをあげたのである。(続く)