第1946回 ようこそフランスへ (6) 最も成績の良い3位チームになったトルコ

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■5位までのチームとの対戦成績で決まる最も成績の良い3位チーム

 これまで5回の連載で9つのグループリーグの上位2位までに入った18チームを紹介した。残る椅子は5つ、グループリーグで3位になったチームの中での争いとなる。ます、9チームのうち、最も成績の良い1チームが本大会の出場権を得て、残りの8チームはホームアンドアウエー方式でプレーオフを行い、最後の4つの椅子が決定する。
 最も成績の良いチームについては9つのグループでチーム数が異なる(グループAからHまでの8グループは6チーム、グループIは5チーム)ため、調整が必要である。グループI以外の8グループには第1シードから第6シードまでのチームが振り分けられ、グループIは第1シードから第5シードまでのチームが振り分けられている。したがって、各グループで上位5位までのチームと対戦した8試合の成績で優劣を決める。

■最も成績の良い3位チームは5勝1分2敗のトルコ

 単純な最終結果だけを見ると勝ち点19をあげているウクライナが最もいい成績を残しているかに見えるが、この勝ち点19のうち最下位のマケドニア相手に連勝した勝ち点6が含まれており、5位以上のチームとの成績は4勝1分3敗で勝ち点13にとどまる。上位5チームとの戦績で最も良い成績を残しているのは5勝1分2敗で勝ち点16のトルコであった。

■最終戦で3位を確定、最下位決定戦でカザフスタンが勝利し、トルコに朗報

 トルコの本大会出場決定は上位2位争いに劣らず劇的なものであった。グループAは本命のオランダが乱調で、最終節を迎えた段階の順位は1位アイスランド(勝ち点20)、2位チェコ(19)、3位トルコ(15)、4位オランダ(13)、5位ラトビア(5)、6位カザフスタン(2)となっており、すでにアイスランドとチェコが本大会出場を決めている。本大会出場権争いとしてはアイスランドと対戦するトルコをチェコと対戦するオランダが勝ち点で逆転し、プレーオフに出場できるかどうかが注目の的であった。
 ところがオランダはチェコに3点を先制され、追い上げながらも2-3で敗れる。またトルコはアイスランド相手に試合終了間際に得点をあげて1-0で勝利し、3位を確定する。ここでトルコに大きな影響を与えたのが、5位ラトビアが6位のカザフスタンを迎えた最下位決定戦である。この試合でこれまで2分7敗という第6シードのカザフスタンが勝利する。同勝ち点の場合は直接対決の結果で順位を決定する。カザフスタンでの試合では引き分けており、1勝1分のカザフスタンが5位になり、第5シードのラトビアは最下位になる。トルコはラトビアとは2戦2分、カザフスタンとは2戦2勝、ラトビアが最下位となったため、トルコが最終成績から減算される勝ち点は2にとどまり、勝ち点16で3位チームとして最も成績の良いチームとして本大会出場権を獲得したのである。もし、ラトビア-カザフスタン戦でラトビアが引き分け以上であれば、トルコの勝ち点は12にしかならず、ハンガリーにその座を譲ったのである。オランダの低迷とアイスランドの躍進が話題になりがちなグループAであるが、これまでにワールドカップ、欧州選手権でしばしば好成績を残してきたトルコの本大会出場も忘れてはならないであろう。

■残りの8チームはプレーオフで最後の4枚のチケットを争う

 それ以外の3位チーム、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ウクライナ、アイルランド、スロベニア、ハンガリー、スウェーデン、ノルウェー、デンマークがプレーオフに進むことになった。
 プレーオフについてもシード国4チームが選ばれた。このシード国の選出については最新の国別ランキングが適用され、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ウクライナ、スウェーデン、ハンガリーの4か国がシード国、デンマーク、アイルランド、ノルウェー、スロベニアの4か国が非シード国となったのである。(続く)

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