第2016回 欧州選手権に挑む23人、メンバー決定(2) 2年前のワールドカップと10人が入替
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■カリム・ベンゼマ抜きのFWは3月と同じメンバー
前回の本連載では欧州選手権に挑む23人のメンバーのうち、GK3人、DF8人、MF6人を紹介したが、今回は残るFWを紹介しよう。FWに関してはCFとして絶対的な存在であったカリム・ベンゼマを恐喝事件のため、欧州選手権の代表から外すことを4月中旬に決めた。したがってベンゼマ抜きでのメンバー構成が必要とされる。恐喝事件が発覚したのは昨年の秋、ベンゼマなしで代表をチームを編成したのは昨年11月のドイツ、イングランドとの連戦からである。11月の時のFWはハテム・ベンアルファ、キングスレー・コマン、アンドレ・ピエール・ジニャック、オリビエ・ジルー、アントワン・グリエズマン、アントニー・マルティアル、ディミトリ・ペイエという7人であった。そして3月のオランダ、ロシアとの連戦にはFW登録は6人に減り、ベンアルファが外れてグリエズマン、マルティアル、コマン、ジルー、ジニャック、ペイエというメンバーとなった。
結論から言えば、FWは3月と同じ6人のメンバーに落ち着いた。今季ニースで絶好調であり、ここまでリーグ戦で17得点、5アシストを記録してきたベンアルファが注目されたが、結局は代表メンバーには入らず、バックアップメンバーになった。
■8人のバックアップメンバー
さて、今回は23人の代表メンバーに加え、8人のバックアップメンバーを発表している。GKのアルフォンス・アレオラ、DFはサミュエル・ウムティティとジブリル・シディベ、MFは21歳のアドリアン・ラビオとモルガン・シュナイデルラン、FWはケビン・ガメイロ、アレクサンドル・ラカゼットとベンアルファである。
この8人のバックアップメンバーは2つのグループに大別できる。まず、所属チームでは試合に出場しているものの年齢が若く、代表経験もない選手であり、23歳のアレオラ、22歳のウムティティ、23歳のシディベ、21歳のラビオの4人がこれに相当し、守備の選手が中心である。
もう一方は年齢的にも中堅であり代表経験もあるが、今回の23人に入ることができなかったメンバーであり、代表歴15試合の26歳のシュナイデルラン、8試合の26歳のガメイロ、10試合の24歳のラカゼット、15試合の29歳のベンアルファである。ベンアルファの29歳という年齢は他のバックアップメンバーに比べて高く、ディディエ・デシャン監督が悩んだことを物語っていると言えよう。
■2年前のワールドカップにも選ばれた13人
2年前のワールドカップの際のメンバーと今回の23人を比べると、下記の13人が連続して選出されている。GKのロリス、DFのバラン、コシエルニー、マンガラ、エブラ、サーニャ、ディーニュ、MFのポグバ、マツイディ、カバイエ、シソッコ、FWのグリエズマン、ジルーである。
一方、2年前のブラジル行きの飛行機には乗っていなかったのはGKのスティーブン・マンダンダ、ブノワ・コスティル、DFのジェレミー・マチュー、クリストフ・ジャレ、MFのラッサナ・ディアラ、エンゴロ・カンテ、FWのペイエ、マルティアル、コマン、ジニャックの10人である。
■この2年間に初めて代表入りした4人
これら10人のうち2年前に代表経験がなかったのはコスティル、カンテ、マルティアル、コマンの4人だけである。28歳のコスティルはGKというポジションから遅い代表入りとなったが、2004年に17歳以下のワールドカップで優勝しており、その時のメンバーとして唯一の選出である。またカンテは所属チームのイングランドのレスターで大活躍、ミラクル・レスターの中心となった25歳の小柄な選手である。そしてFWの2人はこのチームで最も若い2人である。コマンは19歳、マルティアルは20歳である。これらの若い戦力がどのようにチームを活性化していくかが、デシャン監督が目標とする優勝へのカギとなるであろう。(この項、終わり)