第2026回 欧州選手権の直前の2試合で連勝(4) 3点以上奪った4連勝で本大会を迎える
平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。
■最後の親善試合、スコットランド戦の先発メンバー
6月10日の開幕戦のルーマニア戦まで6日となった6月4日に行われたスコットランド戦、守備に課題を残したカメルーン戦からメンバーを入れ替えるかどうかが注目された。ディディエ・デシャン監督がピッチに送り出したメンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは右からバカリ・サーニャ、アディル・ラミ、ローラン・コシエルニー、パトリス・エブラ、MFは中央の低めの位置にエンゴロ・カンテ、右にポール・ポグバ、左にブレーズ・マツイディ、FWは右にキングスレー・コマン、左にディミトリ・パイエ、中央はオリビエ・ジルーである。
■ラッサナ・ディアラが離脱、エンゴロ・カンテが先発
カメルーン戦で先発した中央の低めのMFのラッサナ・ディアラが負傷し、代表から外れた。守備陣の選手が次々と負傷のため離脱していくフランスであるが、バックアップメンバーのモルガン・シュナイデルランがメンバーに入った。ラッサナ・ディアラのポジションにはシュナイデルラン、ヨアン・カバイエという意見も少なくはなかったが、イングランドのレスターで活躍したカンテが先発出場し、残り10人は同じメンバーとなった。またスペインのアトレチコ・マドリッドに所属しチャンピオンズリーグ決勝を戦ったアントワン・グリエズマンはこの試合も先発から離れたが、後半からの出場となるであろう。
■スコットランドの誇る2人のフレッチャー
上下とも青でストッキングが赤のフランスに対し、ピンクのセカンドジャージをまとったのスコットランドの主将はダレン・フレッチャー、長年マンチェスター・ユナイテッドで活躍し、2006年にはキリンカップ、2008年にはクラブワールドカップで訪日していることから日本のファンの皆様はよくご存じであろう。
しかし、フランスのファンにとってなじみが深いのはもう1人のフレッチャー、スティーブン・フレッチャーである。2トップの一角を担うスティーブン・フレッチャーはイングランドのサンダーランドの所属であるが、今年初めからマルセイユにレンタルされている。マルセイユではリーグ戦12試合に出場し2ゴールであるが、フランスカップでは決勝進出の原動力となった。フランスカップ決勝ではパリサンジェルマンに敗れ、ノータイトルに終わったが、シーズン最後の試合をフランスの地で白星で飾りたい。5月29日にイタリアとの親善試合ではアウエーで0-1の惜敗、フランスに対して勝機はある。
■ハイペースでゴールを量産するオリビエ・ジルーが2得点
フランスは立ち上がりからスコットランドに対して優位に試合を進め、攻撃陣が躍動する。そして8分に右サイドをサーニャとコマンの2人で崩してクロスをあげる。このクロスをジルーが技ありのシュートで先制点はフランス。フランスはボール支配率ではスコットランドをやや上回るだけであるが、シュート数では圧倒する。シュートに結び付けられる攻撃陣は2点目を決める。35分にはゴール前でジルーがスコットランドのタックルをかわしてシュート、2点目を入れる。ジルーは代表49試合で17ゴール、1試合あたりの平均ゴール数は81試合出場で27得点のカリム・ベンゼマ以上のハイペースである。
そして39分にフランスは左CKのチャンスを得る。キッカーのパイエから上がったボールをまずはニアポストのエブラがヘディング、ファーポストに流れたボールをヘディングしたのがコシエルニーであった。コシエルニーのヘディングシュートでフランスは3-0とリードして後半を迎える。
後半になったところでフランスは両ウイングを右はコマンからグリエズマン、左はパイエからアントニー・マルティアルに代える。両ウイングのうち出色の出来を見せたのがマルティアルである。このスコットランド戦の先発メンバーがルーマニア戦にも先発と思われていたが、ここにきて左ウイングにマルティアルが浮上した。後半もフランスは攻めたが無得点、3-0と勝利し、課題の守備は目立ったミスはなく、レベルアップした。
フランスは3月のオランダ戦から4連勝、いずれも3点以上を奪った攻撃力はフランスに優勝をもたらすであろうか。(この項、終わり)