第2034回 決勝トーナメント1回戦の相手が決定 (2) 終盤に決勝点をあげたアイルランドと対戦
平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。
■グループリーグ最終戦、イタリア-アイルランド戦とスウェーデン-ベルギー戦
6月22日21時、最後のグループリーグの試合としてグループEの2試合がキックオフされた。リールでイタリア-アイルランド戦、ニースでスウェーデン-ベルギー戦である。この試合がキックオフされる時点でグループEは2勝のイタリアがすでに首位を確定し、決勝トーナメント進出を決めているが、2位の1勝1分のベルギー、3位のスウェーデン(1分1敗、得失点差-1)、4位のアイルランド(1分1敗、得失点差-3)の3チームはいずれも決勝トーナメント進出のチャンスを残している。
■残る1議席はトルコとグループEの3位の争い
またこの時点でのグループ3位チーム同士の争いであるが、グループAのアルバニアは勝ち点3、得失点差-2、グループBのスロバキアは勝ち点4、得失点差±0、グループCの北アイルランドは勝ち点3、得失点差±0、グループDのトルコは勝ち点3、得失点差-2、グループFのポルトガルは勝ち点3、得失点差±0となっている。グループEの順位が決まっていないが、この時点で上位3チームに入れば決勝トーナメント進出が確定、最下位チームは敗退が決定である。上位3チームに関してはスロバキア、北アイルランド、ポルトガルが当選を決めた。また、最下位争いであるが、アルバニアとトルコが勝ち点、得失点差とも並んだが、総得点が1点少なかったアルバニアが落選となった。残る1議席はトルコとグループEの3位チームの争いとなる。
■上位陣が引き分け以上の場合は北アイルランドと対戦
また、残る議席が1つとなったことから、前回の本連載で紹介した3位チームのうち成績の良い4チームの組み合わせ15通りのうち13通りの可能性はなくなり、2通りに絞られた。トルコがグループEの3位よりも良い成績であればフランスは北アイルランドと対戦する。逆にグループEの3位がトルコよりも良い成績であればフランスはグループEの3位と対戦する。グループEの3位の可能性があるのはベルギー、アイルランド、スウェーデンといずれも難敵である。
グループEの最終節は上位対下位の対戦である。順当な結果、すなわちイタリアがアイルランドを、ベルギーがスウェーデンをそれぞれ引き分け以上の成績を残せば、ベルギーがイタリアに次ぐ2位となる。3位チームは勝ち点2以下にとどまり、決勝トーナメントに進出できず、フランスは北アイルランドと対戦する。一方、下位勢が上位に対し勝利すれば、勝ち点4となり、3位にとどまった場合でも決勝トーナメントに進出できる。
また、2位のベルギーがスウェーデンに敗れ、イタリアがアイルランドに引き分け以上の場合は、首位イタリアに次いで勝ち点でスウェーデンとベルギーが並ぶ。この時点でベルギーとスウェーデンの得失点の差は2、すなわち、1点差でスウェーデンが勝利した場合は得失点差で並び、総得点でベルギーが上回ることからベルギーが2位、スウェーデンが3位となるがスウェーデンが2点差以上、あるいはハイスコアでの1点差勝利であれば、スウェーデンは2位に浮上する。グループEで2位になれば決勝トーナメントの1回戦の相手はハンガリーであり、ズラタン・イブラヒモビッチは2ゴールを狙っている。
■終盤の決勝点でイタリアを下したアイルランド、3位に入る
南北フランスでの試合はフランスのファンの期待通りの展開となった。リールではメンバーを落としたイタリアに対し、アイルランドは果敢に攻めるがイタリアの誇るディフェンスラインを崩せない。またスウェーデンも同様で引き分け以上を狙うベルギーの堅守に穴をあけることができない。そして試合の終盤、ニースの試合でベルギーのラジャ・ナインゴランがゴールを奪い、これでベルギーは2位以上をほぼ確定する。このままいけば決勝トーナメント1回戦は北アイルランド、と思ったその直後、アイルランドは緑に染まったリールでロビー・ブレイディが決勝点。イタリアを倒したアイルランドが3位に入り、フランスはアイルランドと対戦することになったのである。(この項、終わり)