第2479回 欧州選手権予選で連勝スタート(6) 昨年来厳しい成績の続くアイスランド
8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■UEFAネーションズリーグは4戦全敗、13失点、1得点の惨敗
このところ欧州の中で存在感を増してきたアイスランドであるが、昨年始まったUEFAネーションズリーグでは小休止となった。最上位のリーグAに入り、その第3シードとなる。グループ2に入り第1シードのベルギー、第2シードのスイスと対戦することになった。
初戦はアウエーのスイス戦、サンクトガレンで行われた試合、スイスは6点を奪い、アイスランドはノーゴールで0-6と大敗する。そしてその3日後には本拠地のレイキャビクに戻ってベルギーを迎える。しかし、エデン・アザールのPKで先制され、その後もロメル・ルカクに2ゴールを奪われ、0-3とまた完封負けを喫する。
10月に入ってスイスをレイキャビクに迎えるが、2点を先行され、終盤に1点を返すにとどまり3連敗、そして11月にはブリュッセルでベルギーと対戦したが、0-2と敗れ、4連敗で来季のリーグBへの降格が決まってしまった。第3シードということで苦戦が予想されたが、4試合で13失点でわずか1得点、厳しい結果となってしまった。
■欧州選手権予選初戦はアンドラに勝利、1年半ぶりの勝利
心機一転で迎えたい欧州選手権予選、初戦はアンドラとアウエーで対戦する。人口わずか8万人の小国の国立競技場は収容人員わずか3000人で人工芝である。2000人の観衆が集まり、アイスランドは前後半に1点ずつ得点を奪い、2-0と勝利、アイスランドにとっては2017年10月7日のワールドカップ予選のコソボ戦以来の勝利となった。
■ベテラン選手をそろえたアイスランド
アイスランドはこの時の予選でも第3シードのトルコと同じグループに入っており、ホーム、アウエーとも勝利している。フランスとのアウエーゲームで善戦して、グループ首位を狙いたいところである。アイスランドの先発メンバーはGKはハネス・ソール・ハルドールソン、DFは5人、右からビルキル・マール・サエヴァルソン、スヴェリル・インギ・インガソン、カリ・アルナソン、ラグナル・シグルズソン、ヘルドゥル・ビェルグヴィン・マグヌーソン、MFは3人、右からルーナル・マウル・シグリョーンソン、アロン・グンナルソン、ビルキル・ビャルナソン、FWは右のギルフィ・ソール・シグルズソンと左のアルベルト・グズムンドソンの2人である。全員が昨年のワールドカップにエントリーしたメンバーであり、平均年齢は29歳、36歳のアルナソンを筆頭に30歳以上の選手が5人25歳未満の選手は21歳のグズムンドソンだけである。
昨年のワールドカップ後にエリック・ハムレン監督が就任し、UEFAネーションズリーグでは4連敗であったが、UEFAネーションズのない日程には親善試合を行い、10月にフランスとギャンガン、11月にカタールとベルギー国内で行ったほか、1月にはカタールで行われた国際大会に出場し、スウェーデン、エストニアと対戦している。これら親善試合は国外で行われているがすべて引き分けている。
■昨年10月の親善試合で終盤に追いついたフランス、モルドバ戦と同一の先発メンバー
そのうちの3試合は中立地で行われたが、唯一のアウエーゲームとなったのがフランス戦である。本連載の第2400回から第2402回で紹介しているが、ビャルナソンとアルナソンのゴールで2点を先行されたフランスが終盤の86分のアイスランドのオウンゴール、89分にアイスランドのハンドから得たPKをキリアン・ムバッペが決めて追いついている。
したがって、フランスとしても侮れない相手である。そのフランスの先発メンバーであるが、GKはウーゴ・ロリス、DFは右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、サミュエル・ウムティティ、レイバン・クルザワ、守備的なMFは右にエンゴロ・カンテ、左にポール・ポグバとなる。攻撃的MFは右にキリアン・ムバッペ、左にブレーズ・マツイディ、中央のトップ下にアントワン・グリエズマン、FWは1トップでオリビエ・ジルーとなる。すなわち3日前のモルドバ戦と全く同じメンバーを先発に選んだのである。(続く)