第2480回 欧州選手権予選で連勝スタート(7) アイスランドにも大勝、記録的な連勝

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■先制点はストッパーのサミュエル・ウムティティ

 今年初めてのスタッド・ド・フランスでのサッカーの試合となったアイスランド戦には6万5000人の観客が集まった。昨年来厳しい成績の続くアイスランドであるが、その中で唯一輝く試合が昨年10月のギャンガンで行われたフランス戦である。フランスのファンにとってもアイスランドが手ごわい相手であると覚悟を決めていたが、アイスランドのキックオフで始まった試合はフランスの一方的なペースになった。相手ボールを奪い、立ち上がりからフランスがボールを支配し、自由自在に試合を組み立てる。
 フランスの先制点は時間の問題であった。12分にバンジャマン・パバールがキリアン・ムバッペにパスをして左にサイドチェンジする。これをムバッペが中央に折り返し、前線に上がっていたストッパーのサミュエル・ウムティティがヘディングで先制ゴールを決める。ウムティティはこれで代表29試合目で4得点目であるが、特筆すべきはこの日のウムティティのパス成功率は107本全部が成功し、100%、フランス代表の歴史を振り返ると過去10年間なかった数字である。これはウムティティのプレーが堅実であったことを物語るだけではなく、フランスが一方的に試合を押し込んでいたことも意味している。
 ウムティティの先制点の後もフランスは攻め続け、40分にはムバッペが決定的なチャンスをつかんだが、得点にはならず、1-0で折り返す。

■得点ランキング単独3位となったオリビエ・ジルー

 後半に入って最初にゴールを決めたのは68分のオリビエ・ジルーであった。アントワン・グリエズマンがペナルティエリアの外でボールを奪い、パバールにボールを預け、パバールがクロスをあげる。アイスランドの守備陣はボールに届かず、ジルーが左膝でシュートを決める。ジルーはこれでフランス代表通算35得点目となった。34点でダビッド・トレゼゲと並んでいたが、これで単独3位に浮上する。1位はティエリー・アンリの51点、2位はミッシェル・プラティニの41点であり、プラティニの記録が射程距離に入った。またジルーは35点のうち23点はこの日と同じ左足で得点を決めている。

■フランス代表通算1500得点目を記録したアントワン・グリエズマン

 78分にはムバッペがアイスランドの守備陣を抜いて、シュートを決めて、3-0となる。まだ20歳のムバッペは代表出場30試合目で12得点を決めている。このままでは終われないアイスランドも80分前後にはフランスのゴールを襲うが、ウーゴ・ロリスは難なくアイスランドのシュートを処理してしまう。
 その後、フランスは4点目をあげる。84分にはゴール前の混戦でムバッペがグリエズマンにヒールパス、これをグリエズマンが決める。グリエズマンも通算得点が28得点となり、ユーリ・ジョルカエフと並んだ。歴代8位であるが歴代6位の30得点にはジュスト・フォンテーヌとジャン・ピエール・パパンが並ぶ。また、このグリエズマンの得点はフランス代表史上1500点目というメモリアルゴールにもなったのである。

■2戦連続で4得点は6年ぶり、公式戦では17年ぶり

 フランスは4-0と大差でアイスランドに勝利する。アイスランドとの対戦成績はこれで10勝4分となり、負けなしである。フランスが負けたことのない国の中で最も多くの試合をしているのがアイスランドとなった。
 フランスは3日前のモルドバ戦に続き4得点をあげたが、フランスが4得点以上を続けて記録したのは今から6年前、2013年の9月から10月にかけてベラルーシ(4-2)と豪州(6-0)との連戦以来のことである。さらに公式戦に限ると2002年秋に行われた2004年欧州選手権予選のスロベニア(5-0)、マルタ(4-0)戦以来、17年ぶりとなる。
 フランスサッカー連盟創立百周年を記念したユニフォームに身をまとったフランスは見事に勝利し、早くも欧州選手権の本大会出場を確信させるスタートを切ったのである。(この項、終わり)

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