第2507回 シーズン終了後の欧州選手権予選 (1) 代表未出場の4人を含む24人を選出
8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■シーズン終了後に行われる親善試合1試合と欧州選手権予選2試合
前回までの本連載で紹介したとおり、リーグ戦、入替戦でフランス国内のシーズンは終了した。国外を見渡せば、イングランド勢だけで争われるチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝戦が5月末から6月初めに行われ、フランス勢が不在のファイナルをフランスのファンは契約型のテレビで観戦することになった。
そして今年のシーズンオフには女子のワールドカップがフランスで開催されるが、男子はシーズン終了後に欧州選手権予選が行われる。
欧州選手権予選は2試合行われ、いずれもアウエーゲーム、6月8日にトルコ、11日にアンドラと戦う。そしてその準備のために2日にナントでボリビアと親善試合を行う。
■チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ決勝の影響を受ける日程
この3試合のためにディディエ・デシャン監督は24人の選手を選んだ。フランスリーグは5月24日に最終節を行い、欧州の主要国のリーグも同じ週末に最終節を迎えている。しかし、前述の通り、リバプールとトットナム・ホットスパーの間で6月1日に争われたチャンピオンズリーグ決勝、チェルシーとアーセナルが5月29日に戦ったヨーロッパリーグ決勝が残されている。これらのチームに所属する選手は親善試合のボリビア戦には間に合わないが、首位攻防戦となるトルコ戦には出場してほしいところである。
イングランドのこれら4チームに所属する代表クラスのフランス人選手はトットナム・ホットスパーにはウーゴ・ロリス、ムーサ・シソッコ、チェルシーにはエンゴロ・カンテ、オリビエ・ジルー、アーセナルにはローラン・コシエルニー、アレクサンドル・ラカゼットが所属し、リバプールにはフランス人選手がいない。このうち、昨年10月に代表からの引退を表明したコシエルニー、2年近く代表から声のかからないラカゼットを除く4人は代表に招集された。
■ディディエ・デシャン監督が24人を発表
24人の選手をポジション別に紹介すると、GKはロリス、アルフォンス・アレオラ、バンジャマン・ルコント、マイク・メニャンの4人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、クレマン・ラングレ、フェルラン・マンディ、バンジャマン・パバール、サミュエル・ウムティティ、ラファエル・バラン、クルト・ズーマの8人、MFはカンテ、シソッコ、ブレーズ・マツイディ、ポール・ポグバ、タンギ・ヌドンベレの5人、FWはジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、キングスレー・コマン、アントワン・グリエズマン、トマ・ルメール、キリアン・ムバッペ、フローリアン・トーバンの7人である。
■代表未出場はGKのバンジャマン・ルコント、マイク・メニャン、DFのクレマン・ラングレ、レオ・デュボワ
この中で代表戦に出場したことのない選手が3人いる。GKのメニャンとルコント、DFのラングレとデュボワである。
GKについてはトットナム・ホットスパー所属のロリスのチームへの合流が遅れることに加え、第2GKのスティーブ・マンダンダはすでに34歳、若手を発掘するため、リールの23歳のメニャンを抜擢した。メニャンは仏領ギアナのカイエンヌで生まれ、パリサンジェルマンの下部組織からリールでプロ契約、当初はナイジェリア代表として活躍したビンセント・エニェアマの控えであったが、レギュラーを獲得して2季目の今季はリーグ戦全試合に出場し、2位躍進のチームを支えた。年代別代表の常連であり、満を持しての代表入りである。またモンペリエに所属する28歳のルコントは代表戦の出場経験はないが、昨年9月以来の代表入りである。
ラングレはスペインのバルセロナに所属する23歳のストッパーである。ナンシーでプロデビューを果たし、2017年にスペインのセビリアに移籍、ここでの活躍が認められて、1年でバルセロナに移籍する。ラングレも年代別代表の常連であり、バラン、ウムティティを支える立場として期待されているのである。(続く)