第2551回 アルバニア、アンドラに連勝(1) 東京オリンピック世代から2人が初めての代表入り

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、このたびの台風15号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■新シーズン最初の試合はアルバニア、アンドラと本拠地で連戦

 リーグ戦は8月に始まったが、代表チームの試合も9月初めに新シーズンを迎える。以前は8月に親善試合が行われていたが、今では9月の上旬に2試合行われるようになった。シーズン開幕間もない中で、選手のコンディションも不安定な中での代表戦は常に不安が付きまとう。今年は2試合とも欧州選手権予選であるが、アルバニア、アンドラという力量の劣るチームとスタッド・ド・フランスでの連戦となる。ディディエ・デシャン監督としてはある程度思い切った選手の起用もできるであろう。

■負傷者を多数抱える中で選んだ23人の選手

 一方、気になるのが選手の負傷である。シーズン前から離脱しているレイバン・クルザワ、プレスネル・キンペンベ、バンジャマン・マンディ、フローリアン・トーバンに加え、シーズン開幕後にフェルラン・マンディ、ウスマン・ダンベレ、タンギ・ヌドンベレ、エンゴロ・カンテが負傷し、メンバー発表の直前にキリアン・ムバッペも負傷してしまう。
 こういう中でデシャン監督が発表した23人の選手をポジション別に紹介すると、GKはウーゴ・ロリス、アルフォンス・アレオラ、マイク・メニャンの3人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ルカ・エルナンデス、アイメリック・ラポルト、クレマン・ラングレ、バンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、クルト・ズーマの8人、MFはムーサ・シソッコ、ブレーズ・マツイディ、スティーブン・エンゾンジ、ポール・ポグバ、コランタン・トリッソの5人、FWはオリビエ・ジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、キングスレー・コマン、アントワン・グリエズマン、トマ・ルメール、ジョナタン・イコネ、ナビル・フェキルの7人である。
 エルナンデスは膝の負傷による長期離脱から復帰し、イングランドのマンチェスター・ユナイテッドに移籍したフェキルも久しぶりの代表入りとなった。

■所属クラブで出場機会に恵まれず、当初はメンバーから外れたサミュエル・ウムティティ

 6月の連戦のメンバーから外れたのは上記の負傷したメンバーが主であったが、ストッパーのサミュエル・ウムティティが外れている。ワールドカップ優勝メンバーであり、同じポジションのローラン・コシエルニーは引退、キンペンベが負傷し、本来ならば守備の中心となるべきであるが。所属クラブのスペインのバルセロナでは出場機会に恵まれず、レングレにポジションを譲っている。ストッパーの候補にはウムティティの他、バラン、ラポルト、ラングレ、パリサンジェルマンのアブドゥ・ディアロなどがいたが、デシャン監督はラポルト、ラングレ、バラン、ズーマを選んだ。このような経緯で当初はウムティティはメンバー落ちしたが、ラポルトの負傷離脱により、メンバーに復活した。このチャンスをいかし、所属チームでのポジション争いでも挽回のきっかけを作りたいところである。

■東京オリンピック出場に貢献したマテオ・ゲンドウジとジョナタン・イコネが初の代表入り

 また、ポグバも負傷で離脱し、20歳のマテオ・ゲンドウジが初めて代表入りした。ゲンドウジは6月に行われた23歳以下の欧州選手権に出場している。フランス生まれであるが、モロッコ代表の権利もあるゲンドウジは2年前には当時のエルベ・ルナール監督からモロッコ代表入りの打診があったが断っており、念願のフランス代表入りとなった。エルベは今回のアフリカ選手権後に辞任、現在のモロッコ代表監督はバヒッド・ハリルホジッチである。デシャンがナントでプロデビューした試合はハリルホジッチに代わっての出場であった。選手獲得を巡ってナントの監督を辞任したハリルホジッチはモロッコ代表監督としても最初に選手獲得でつまずいた。
 ゲンドウジとともに初の代表入りとなったのがイコネである。リールに所属するイコネは昨季のリーグ2位の原動力となった21歳の選手である。23歳以下の欧州選手権でも活躍し、来年の東京オリンピック出場権獲得に貢献した。そしてイコネはパリ郊外のボンディで育ち、ムバッペとチームメイトであった。
 東京オリンピック世代の選手が2人加わり、徐々にではあるが、世代交代が進んでいるのである。(続く)

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