第2571回 競り合いの続く欧州選手権予選(1) 上位と対決する2試合、ウーゴ・ロリスが負傷で離脱
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、この度の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■トルコ、フランス、アイスランド、アルバニアが競う本大会へのチケット
ラグビーワールドカップが日本で行われている一方、フランスではラグビーは国内リーグ、サッカーは国内リーグに加えて、欧州カップ、さらに代表の試合としては欧州選手権の予選が行われている。ラグビーのフランス代表は予選プールを突破し、決勝トーナメントに進出した。サッカーの代表も10月の初めに欧州選手権予選を戦っている。
欧州選手権予選についてはこれまでの連載で取り上げてきたが、6チームで行われるグループHは9月の段階で全日程の半分以上となる6試合を各チームが消化した。トルコとフランスが5勝1敗の勝ち点15で並び、アイスランドが4勝2敗の勝ち点12で追い、サラのアルバニアが3勝3敗の勝ち点9で4位となっている。本大会出場となる上位2チームに入る可能性があるのはこの4チームまでであろう。
■上位勢の直接対決に注目が集まる10月の試合
そして10月11日と14日にはこの上位4チーム同士の直接対決が目白押しである。10月11日にはアイスランド-フランス戦とトルコ-アルバニア戦、10月14日にはフランス-トルコ戦が行われる。また14日にはアイスランドはホームでアンドラ戦、アルバニアはアウエーでモルドバと戦う。
すなわち、現在勝ち点でトップに立っているフランスとトルコは上位のチームと対戦してから直接対決を迎えることになり、天王山といえるであろう。11日にアイルランドあるいはアルバニアがフランスやトルコに勝利すれば、本大会出場争いは混とんとしてくる。
フランスとしてはアウエーでのアイスランド戦で確実に勝ち点3を獲得してホームに戻ってトルコと対戦したいところである。
■重要な試合に臨む23人のフランス代表
各クラブでのシーズンも始まって2月、負傷して離脱している選手もいる中でのメンバー選考となった。10月3日にディディエ・デシャン監督は23人のメンバーを発表した。
GKはウーゴ・ロリス、アルフォンス・アレオラ、スティーブ・マンダンダの3人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ルカ・エルナンデス、プレスネル・キンペンベ、クレマン・ラングレ、バンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、クルト・ズーマの8人、MFはエンゴロ・カンテ、ブレーズ・マツイディ、タンギ・ヌドンベレ、ムーサ・シソッコ、コランタン・トリッソの5人、FWはオリビエ・ジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、キングスレー・コマン、アントワン・グリエズマン、トマ・ルメール、ジョナタン・イコネ、キリアン・ムバッペの7人である。
9月の連戦の際には負傷でメンバーから外れていたキンペンベ、ヌドンベレ、カンテ、ムバッペが復帰してきた。
■メンバー発表後に負傷離脱となった主将のウーゴ・ロリス
一方、ポール・ポグバが負傷により代表から外れ、メンバー発表後に各国リーグ戦などで負傷したロリス、デュボワ、ムバッペがチームを離れる。重要な試合とあって追加招集を行い、GKには9月の連戦では登録されていたマイク・メニャン、DFには昨年のワールドカップ以来の復帰となり、ワールドカップ後にイングランドのエバートンに所属しているジブリル・シディベ、FWには昨年11月のウルグアイ戦で代表デビューして以来の代表入りとなるアラッサン・プレアをドイツのボルシア・メンヘングランドバッハから呼び寄せた。
主将であり、チームの精神的支柱であるロリスの離脱は大きい。ロリスは所属するイングランドのトッテナム・ホットスパーでリーグ戦のブライトン戦で負傷、フランスからドクターを派遣して状況を見たがこの2試合に欠場となる。ベテランのマンダンダを起用するのか、所属するパリサンジェルマンでの出場機会も増えてきたアレオラを起用するのか、デシャン監督にとっては悩むところである。さらに、ロリスは主将も務めており、ロリスに代わるチームリーダーを誰が務めるのかという点でも注目である。(続く)