第2582回 欧州選手権予選突破(1) ルカ・エルナンデスの代役はバンジャマン・マンディ
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、この度の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ホームのモルドバ戦で勝利すれば予選突破となるフランス
前回の本連載ではパリサンジェルマンがチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出を決定したことを紹介したが、今回からは代表チームが欧州選手権の予選を突破したことを紹介しよう。
本連載の第2571回から第2574回にかけて10月に行われた欧州選手権予選の第7節と第8節の模様を紹介した。フランスはグループHでトルコと首位争いをしているが、ホームのトルコ戦で引き分け、このグループからの本大会出場の決定は11月に持ち越されることになった。すでに10月の時点でベルギーとロシア(以上グループI)、イタリア(グループJ)、ポーランド(グループG)、スペイン(グループF)の5か国が予選突破を決めている。
トルコとフランスは勝ち点19で並び、3位のアイスランドが勝ち点15であることから、フランスはあと1勝すれば本大会出場となる。そのフランスは11月14日にホームでモルドバ、17日にアウエーでアルバニアと対戦する。また、トルコは14日にアイスランドとホームで戦うが、この試合でトルコが勝利した場合はフランスの成績に関係なく、トルコとフランスが本大会出場となる。
■予選突破を楽しみにする地元ファン
モルドバとは3月19日の予選の初戦でアウエーで対戦し、フランスが4-1と完勝、そしてアルバニアとは9月7日にホームで対戦し、これも4-1と大勝している。これらの戦績からほぼ確実にフランスは予選突破をするであろう。そしてモルドバ戦は今年最後のホームでの試合とあって、対戦相手の世界ランキングは175位と低いが、試合1週間前の段階で5万枚のチケットがすでに販売済みとなっている。
ファンにとってはスタッド・ド・フランスでの予選突破の瞬間を見たいであろう。そしてディディエ・デシャンが選手として達成した二冠(1998年ワールドカップと2000年欧州選手権)を今度は監督として二冠を達成することを期待している。その二冠のためにどのような選手を起用するかも注目の集まるところである。
■左サイドDFの二番手争いをする2人のマンディ
10月の連戦では負傷でウーゴ・ロリス、ポール・ポグバ、レオ・デュボワ、キリアン・ムバッペがメンバーから外れていたが、デュボワとムバッペは復帰した。一方、10月はメンバー発表後のプレミアリーグのブライトン戦で負傷したロリスは11月初めに手術を行い、長期に離脱する模様である。またポグバも復帰できていない。ロリスの穴は10月はベテランのマンダンダが埋め、ポグバのポジションはムーサ・シソッコが代役を担った。
そして11月初めにルカ・エルナンデスが負傷してしまい、エルナンデスの指定席となった左サイドバックの二番手争いが話題となった。ここで浮上してきたのが、2人のマンディである。1人はフェルラン・マンディ、スペインのレアル・マドリッドの所属であり、昨年11月に初めて代表に招集され、6月のトルコ戦とアンドラ戦に出場して以来の復帰が期待される。そしてもう1人のマンディはバンジャマン・マンディ、こちらはイングランドのマンチェスター・シティの所属となる。昨年のワールドカップ優勝メンバーであるが、ロシアの地でプレーする時間は少なかった。そしてワールドカップ優勝直後の9月に行われたオランダ戦を最後にフランス代表から離れてしまった。
■バンジャマン・マンディが1年2か月ぶりに復帰
11月7日にデシャン監督は23人のメンバーを発表し、GKはアルフォンス・アレオラ、スティーブ・マンダンダ、マイク・マイニャンの3人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、プレスネル・キンペンベ、クレマン・ラングレ、バンジャマン・マンディ、バンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、クルト・ズーマの8人、MFはエンゴロ・カンテ、ブレーズ・マツイディ、タンギ・ヌドンベレ、ムーサ・シソッコ、コランタン・トリッソの5人、FWはオリビエ・ジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、キングスレー・コマン、ナビル・フェキル、アントワン・グリエズマン、トマ・ルメール、キリアン・ムバッペの7人となったのである。バンジャマン・マンディは1年2か月ぶりの復帰を果たしたのである。(続く)