第2583回 欧州選手権予選突破(2) 試合前に予選突破、逆転勝ちで単独首位
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、この度の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■トルコがドロー、試合前に決まった予選突破
いよいよ史上二度目の二冠を目指す欧州選手権の出場権をかけたモルドバ戦が11月14日にキックオフされる。ワールドカップで優勝してからフランスが敗れたのは2試合、このいずれもがアウエーでの試合(2018年11月の欧州リーグのオランダ戦、2019年6月の欧州選手権予選のトルコ戦)であり、ホームでのフランス代表はワールドカップ前の2018年3月に行われたコロンビア戦で敗れたのを最後に12戦連続で敗れていない。
スタッド・ド・フランスでのフランス-モルドバ戦は20時45分キックオフであるが、気になるトルコ-アイスランド戦は現地時間で20時、フランス時間で18時にキックオフされ、スコアレスドローとなった。この段階で3位のアイスランドとフランスの勝ち点差は3、フランスが連敗し、アイスランドが最終節で勝利すれば勝ち点で並ぶが、フランスはアイスランドとの直接対決に連勝しているため、フランスが2位以内を確定し、予選突破を決めた。また、トルコもアイスランドとの勝ち点差を4としたため予選を突破した。
■順当なメンバー、ラファエル・バランが主将
7万人の観衆の集まったスタッド・ド・フランス、両チームとも上から下まで一色のユニフォームで、フランスは紺、モルドバは黄色といういでたちである。
フランスの全発メンバーはGKはスティーブ・マンダンダ、DFは右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、クレマン・ラングレ、MFは低い位置にエンゴロ・カンテとコランタン・トリッソ、攻撃的な位置には右にキリアン・ムバッペ、中央にアントワン・グリエズマン、左にキングスレー・コマン、FWはオリビエ・ジルーというシステムもメンバーも驚きのない順当な起用となり、ウーゴ・ロリスの不在によりバランが主将を務める。バランが主将を務めるのは15試合目となる。
■立ち上がりに先制点を許したフランス
試合はフランスが立ち上がりから圧倒したが、祝福ムードに水を差す一撃をモルドバが決めた。9分にモルドバはロングボールを縦に入れる。フランスのラングレとモルドバのラタが競り合い、これに勝ったバディム・ラタがゴールの隅に先制点を決める。実はモルドバはこれまでの予選8試合で2点しか奪っておらず、意外な展開となった。またフランスは序盤に失点することは珍しく、開始10分以内に失点したのは3年ぶりのことである。これで目が覚めたフランスは直後にパバールがボレーシュート、ジルーがクロスをニアポストにシュートとモルドバのゴールを襲うが得点はならず。29分にも最前線のジルーにディーニュがクロスをあげてジルーがヘディングシュートをするが、枠を外れる。フランスはシュートは放つものの、精度を欠き、シュートを枠内に収めることができない。
■バランが同点ゴール、オリビエ・ジルーが勝ち越しのPK
そしてフランスにとってこの試合で2本目の枠内シュートが同点ゴールとなった。35分にモルドバ陣内のFKをグリエズマンが蹴る。ゴール前の空中戦となり、ジルーがモルドバのGKと競り合うが、両方ともボールに触れない。ボールに触ったのはゴール前に上がっていたバラン、主将のヘディングシュートが無人のゴールに決まり、フランスは同点に追いついた。
後半に入ってもフランスが一方的に攻め、守勢一方のモルドバはファウルを繰り返して攻撃を止める。FKが与えられ、イエローカードが連発されるが、ペナルティエリア内でのファウルはなく、フランスはなかなか勝ち越し点をあげることができない。
この流れの中でようやくフランスはPKを得る。79分にディーニュがムバッペとワンツーパスを決めてペナルティエリア内に侵入、これをモルドバの選手がファウルで止める。主審はペナルティスポットを指さす。キッカーはジルー、左足のサイドキックで力強く蹴られたシュートはネットを揺らし、勝ち越し点となる。またジルーにとっては代表での通算得点が39となり、ミッシェル・プラティニに2点差に迫った。
試合はこのままフランスが2-1と勝利し、予選突破決定後の地元での試合を勝利で飾り、単独首位となったのである。(続く)