第2726回 第2回UEFAネーションズリーグ開幕(3) 10か月ぶりの代表戦に23人を選出

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■昨年11月以来となる代表戦

 新型コロナウイルスの感染拡大によって中断を余儀なくされた欧州のサッカー界、クラブレベルでは初夏に再開したが、代表チームの再始動は9月からのUEFAネーションズリーグまで待たなくてはならず、ほとんどの代表チームが昨年の11月以来の試合となった。
 今年は欧州選手権も開催されるはずであったが、延期となってしまい、本来であれば、このUEFAネーションズリーグはスタッフ、選手も新体制で臨むチームも少なくなかったであろう。しかし、欧州選手権の延期によって、多くのチームは現体制をベースとした陣容で臨むこととなる。ただし、昨年11月以来の試合とあって選手の成長もあるであろう。
 フランスはディディエ・デシャン監督が続投、来年の欧州選手権に向けてのスタートとなる。8月28日に発表するメンバーがどのような陣容になるか、チャンピオンズリーグの激闘を終えたばかりのファンにとっては興味津々となった。特に今年は3月以降、国内のクラブはほとんど試合をしておらず、国内カップの決勝戦2試合とパリサンジェルマンとリヨンがチャンピオンズリーグを戦っただけである。一方、他国リーグに所属している選手は中断はあったものの、リーグ戦等の日程を完遂している。

■代表入りが期待される選手

 注目を集めたのはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで活躍していた若手選手であろう。その代表がドイツのRBライプチヒのダヨ・ウパメカノであろう。そしてリヨンのホッセム・アウアも注目の集まるところである。
 また、これらの試合には出場していないものの、国内で評価をあげているのがレンヌの17歳、エドゥアルド・カマビンガである。2019年の夏にリーグ戦にデビューし、注目を集めているが、8月時点でのコンディションはよくないと報じられている。ほかに負傷して選出されないのではないかと言われているのがバイエルン・ミュンヘンでチャンピオンズリーグに出場しなかったバンジャマン・パバールである。
 一方、欧州選手権が最後の代表戦と目されていたベテランのブレーズ・マツイディ、ムーサ・シソッコなどは欧州選手権を待たずして、2020年夏に代表から去るかもしれない。 さらに、考慮しなくてはならないのが、新型コロナウイルスの脅威である。スティーブン・マンダンダは8月にコロナウイルスに感染しているが、それ以外の候補となる選手はまだ感染していない。
 このような不確定要素の多い中で23人のメンバーを選出しなくてはならないのが代表監督の仕事である。

■ディディエ・デシャン監督の選んだ23人

 デシャン監督の選んだ23人は以下のとおりである。GKはウーゴ・ロリス、マイク・マイニャン、マンダンダの3人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ルカ・エルナンデス、プレスネル・キンペンベ、クレマン・ラングレ、フェルラン・マンディ、ラファエル・バラン、ウパメカノの8人、MFはエンゴロ・カンテ、ムーサ・シソッコ、スティーブン・エンゾンジ、アドリアン・ラビオ、カマビンガの5人、FWはオリビエ・ジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、アントワン・グリエズマン、アントニー・マルシャル、キリアン・ムバッペ、ジョナタン・イコネ、アウアとなった。

■初選出はダヨ・ウパメカノ、ホッセム・アウア、エドゥアルド・カマビンガ

 この23人の中で代表出場歴がないのは昨年11月にも選出されているGKのマイニャン、フィールドプレーヤーはいずれも初選出でウパメカノ、アウア、カマビンガである。もしも試合に出場すれば史上最年少の代表選手となるカマビンガの選出には理由がある。同ポジションのポール・ポグバが新型コロナウイルスの陽性反応があり、選に漏れたからである。また、タンギ・エンドンベレも新型コロナウイルス陽性のために選に漏れた。この時点では隔離されている状態のマンダンダは選出されているが、第一GKで主将を務めるロリスが負傷から復帰しており、出番は限られているであろう。 そして最大の驚きはある選手の復活なのである。(続く)

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