第2741回 第2回UEFAネーションズリーグ開幕(18) マーカス・テュラム、ルーバン・アギラーなどメンバー発表

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■10月よりも多い26人を3連戦に向けて選出

 ポルトガル戦を含む11月の3連戦に向けてディディエ・デシャン監督は26人のメンバーを11月5日に発表した。9月の連戦時は23人、そして10月の3連戦時は24人であり、それよりも多い人数がリストの中にあるということは総力戦でポルトガル戦に臨み、是非ともグループで首位となりたいという覚悟の表れであろう。
 GKはウーゴ・ロリス、マイク・マイニャン、スティーブ・マンダンダ、ブノワ・コスティルの4人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ルカ・エルナンデス、プレスネル・キンペンベ、クレマン・ラングレ、バンジャマン・マンディ、ラファエル・バラン、クルト・ズーマの8人、MFはエンゴロ・カンテ、スティーブン・エンゾンジ、ムーサ・シッソコ、ポール・ポグバ、アドリアン・ラビオ、コランタン・トリッソの6人、FWはオリビエ・ジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、アントワン・グリエズマン、ナビル・フェキル、アントニー・マルシャル、キリアン・ムバッペ、キングスレー・コマン、マーカス・テュラムの8人となった。

■代表入りしたマーカス・テュラム、ルーベン・アギラーも追加招集

 前回の本連載で注目したテュラムは代表入り、試合に出場すればユーリ・ジョルカエフ以来27年ぶりの親子でのフランス代表戦出場となる。
 一方、9月の連戦で代表に初招集されたダヨ・ウパメカノ、ホッサム・アウア、エドゥアルド・カマビンガは負傷したいた選手もいるが、そろって選から漏れた。
 国内リーグ戦、さらに欧州カップ戦が行われており、招集された選手の中には負傷した選手、負傷を抱えた選手もいる。メンバー発表後にフェキルは負傷のためにリストから外れ、代わりにアウアがカムバックした。
 さらにキンペンベとパバールの怪我の調子が思わしくないため、デシャン監督は右サイドバックとしてモナコに所属するルーベン・アギラーを追加招集した。アギラーはすでに27歳の中堅選手であるが、代表に招集されるのはこれが初めてである。正確にはこれまでボリビア代表に招集されたことがある。というのはアギラーはグルノーブル生まれであるが、両親はスペイン人であり、ボリビアにルーツを持つとされていた。南米では強豪の中に埋もれてしまっているボリビアは欧州で活躍する選手を代表入りさせようとしてアギラーに声をかけたが、結局ボリビア代表の資格がないことが判明したという逸話がある。

■過去8戦全勝のフィンランドとの親善試合でスタートする11月の3連戦

 3連戦の初戦は11月11日のフィンランドとの親善試合である。前回の本連載で紹介した通り、もともとは3月の末に対戦する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となっている。これまでのフィンランドとはワールドカップ予選で3回(6試合)対戦し、それ以外に2試合、親善試合で対戦しており、合計8試合の対戦となり、2013年のワールドカップ予選以来7年ぶりの対戦となる。そして、これまでの対戦成績はフランスの8戦全勝、18得点3失点と圧倒している。

■欧州選手権に初出場を決めたフィンランド

 ただ、フィンランドは今年行われるはずだった欧州選手権の本大会の出場権を獲得している。これまでフィンランドはワールドカップにも欧州選手権にも本大会出場の経験はなく、快挙となった。予選ではイタリアが10戦全勝と圧倒的な強さを誇ったが、ギリシャ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナという近年ワールドカップや欧州選手権に出場しているチームを抑えて本大会出場のチケットを勝ち取った。また、今回の欧州選手権は出場チーム数が多くなったとはいえ、初出場となったのはフィンランドと北マケドニアのみである。
 という点では過去の戦績は参考程度にしかならないであろう。また、新型コロナウイルスで万全の対戦を取っているとしても、爆発的な感染拡大中のフランスにおいて、いつだれが感染するかわからない。大一番のポルトガルとの対戦に向けた調整というだけではなく、そして新人やバックアップメンバーのテストという意味合いを持つ試合となるのである。(続く)

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