第2846回 初戦はドイツに勝利(3) 劣勢ながら、オウンゴールの1点でドイツに勝利
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■1万人以上の観客の中で行われるドイツ-フランス戦
第1戦が大一番となったグループFのドイツ-フランス戦、会場のミュンヘンのアリアンツ・アリーナは1万4500人の観衆を入れての開催となる。フランス代表にとっては1万人以上の観客の前での試合は1年数か月ぶりのこととなる。これはドイツも同じである。ドイツも開幕直前に親善試合を2試合行ったが、6月2日のインスブルック(オーストリア)のデンマーク戦は無観客、8日のデュッセルドルフでのリトアニア戦は1000人の観客の前で試合をしている。
グループFはこの試合の前にブダペストでハンガリー-ポルトガル戦が行われ、ポルトガルが3-0で勝利した。グループFはフランス、ドイツ、ポルトガルの三強による死のグループと評されている。また2位通過の場合は決勝トーナメント1回戦でグループDの首位突破チーム、おそらくはイングランドと対戦することが予想されるため、首位で通過したい。
■試合開始からドイツが優勢に試合を展開
両チームとも必勝を期す中で、先発メンバーは直前の親善試合に先発した予想通りの名前が並んだ。ドイツのキックオフで始まった試合、開始早々からドイツが積極的に攻める。4分にはトニ・クロースがFKをゴール前に蹴りこみ、これをマット・フンメルスがフランスのマーカーを楽にかわしてヘディングで合わせる。多くのフランスのファンは7年前のワールドカップ準々決勝での失点のシーンを思い出した。しかし、ヘディングしたボールはゴールの上を通り、フランスは最初のピンチで失点をすることはなかった。その直後にはヨシュア・キミッヒがルカ・エルナンデスに対し、過度の力の入っていたタックルということで、イエローカードがドイツの選手に示され、激しい試合の予感となる。
試合開始からドイツのボール支配率は8割近く、フランスが初めてチャンスを得たのは8分、キリアン・ムバッペが抜けだしたが、シュートはドイツの選手にブロックされる。15分にはエンゴロ・カンテからのパスをバンジャマン・パバールがシュートするが、フンメルスがCKに逃れる。アントワン・グリエズマンのCKにポール・ポグバが頭で合わせるが、これも枠をとらえることができない。フランスは17分にはムバッペが初めての枠内シュートを放つが、マヌエル・ノイアーにパンチングで阻まれ、数少ないチャンスをフランスは活かすことができない。
■マット・フンメルス、痛恨のオウンゴール
しかし、思わぬ形でスコアボードが動くことになった。20分、フランスはポグバが攻め上がり左サイドをあがってきたエルナンデスにパス、エルナンデスはゴール前に走りこんできたムバッペを目がけてダイレクトタッチでクロスをあげる。しかし、このクロスに合わせたのはフンメルス、見事に自らのゴールネットを揺らしてしまう。7年前の勝利の立役者が痛恨のオウンゴールとなった。本大会12試合目で3つ目のオウンゴールとなった。
その後もドイツが優勢に試合を進める展開は変わらない。ただし、ドイツはシュートを枠内に放つことなく、フランスのGKのウーゴ・ロリスは重要な仕事をすることなく前半を終えた。
■カウンターアタックをシュートまでつなげたフランス
後半に入って、52分にフランスはアドリアン・ラビオのシュートがポストに当たるが、得点ならず。逆に54分にドイツはセルジュ・ニャルビが右45度からシュートを放つが、ボールはバーの上を通り過ぎる。そして59分には、バンジャマン・パバールが相手選手の膝と自らの頭が激突、倒れこんで、そのままピッチを去るというアクシデントがあった。
劣勢のフランスであったが、少ないチャンスをシュートまで結び付け、66分にはムバッペがゴールかと思われたが、これはオフサイド。さらに85分にはカウンターアタックからポグバが右サイドを走るムバッペにパス、そしてムバッペはゴール前でノーマークとなったカリム・ベンゼマにパスして、ベンゼマの5年半ぶりの代表での得点かと思われたが、ムバッペへのパスがオフサイドとなってこれも取り消される。
しかし、フランスはドイツに1-0と勝利し、大きな勝利をあげたのである。(この項、終わり)