第2849回 最終戦はポルトガルとドロー(1) 首位突破を目指すフランス

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■ドイツ-ポルトガル戦はクリスティアーノ・ロナウドのゴールで先制

 第2戦で勝利すれば、決勝トーナメント進出を決めることのできたフランスであったが、ハンガリー相手に試合を支配したものの、シュートの精度を欠き、1-1のドローに終わってしまう。そしてフランス全体が若干の落胆に包まれた1時間後、土曜日の夕方18時にグループFのもう1つの試合、ドイツ-ポルトガル戦がミュンヘンでキックオフされた。
 第1戦を落としているドイツが第1戦で勝利したポルトガルを迎えて行う試合、ポルトガルのエース、クリスティアーノ・ロナウドが先制点を入れる。ポルトガルは勝利すれば、決勝トーナメント進出が決まり、一方のドイツは連敗するとかなり厳しくなる。

■オウンゴールで逆転し、勝利したドイツ

 フランス戦ではオウンゴールで敗戦したドイツであるが、このポルトガル戦ではオウンゴールで勝利を得る。先制点こそ許したドイツであるが、その後は試合を優勢に進め、カイ・ハバーツがクロスに合わせたところをポルトガルのルーベン・ディアスが35分にオウンゴールで同点となる。そして39分にはヨシュア・キミッヒのグラウンダーのクロスをラファエル・ゲレイロがまたもやオウンゴールで逆転する。今大会は大会第1号がオウンゴールであったが、これでオウンゴールは5となり、大会記録を更新した。
 後半に入ってドイツはロビン・ゴセンスのクロスをハバーツがヘディングで3点目を決め、さらにキミッヒのクロスをゴセンスがまたも頭で押し込み、4-1とリードを広げる。ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウドがアシストを決め、ディオゴ・ジョッタが2点差に迫る得点をあげるが、反撃はこれだけ。ドイツが4-2と勝利する。

■第2節を終えてフランスが首位、混戦のグループF

 死のグループと言われるグループFは第1戦に勝利して、決勝トーナメントに王手をかけたフランスとポルトガルがいずれも第2戦で勝利することができなかった。第2戦を終了した順位は、首位フランス(1勝1分、勝ち点4、得失点差+1)、2位ポルトガル(1勝1敗、3、+1)、3位ドイツ(1勝1敗、3、+1)、4位ハンガリー(1分1敗、1、-3)となる。最終戦はフランス-ポルトガル、ドイツ-ハンガリーとなる。3位のドイツと4位のハンガリーが対戦するため、フランスはポルトガル戦で敗れても、ドイツあるいはハンガリーよりは上位になり、3位以上が確定した。3位になった6チームのうち勝ち点で上位の4チームには決勝トーナメントのチケットが渡される。

■決勝トーナメントを考慮すると首位突破をしたいフランス

 フランスの所属するグループFは最後に日程を消化する。したがって、グループリーグと決勝トーナメントのインターバルが短く、決勝トーナメントになってから不利な日程となる。この逆は、開催国が通常入るグループAであり、ホームアドバンテージと言えるであろう。
 ただし、グループFは他のグループの結果がわかってから最終戦を戦うため、戦い方が明確になるというメリットもある。
 今回の場合、フランスは2試合で勝ち点4を確保している。ポルトガルに敗れても勝ち点が減ることはない。つまり、グループEまでの3位のチームの中で勝ち点3以下のチームが2つ出現した段階で決勝トーナメント進出が決まる。グループFの最終戦の行われる2日前にグループCとグループBの最終戦が行われ、グループCの3位のウクライナ、グループBの3位のフィンランド、いずれも勝ち点3にとどまり、この時点でフランスの決勝トーナメント進出が決定した。
 そして最終戦開始時点で他のグループリーグの順位は確定しており、フランスが1位通過の場合はグループA3位のスイスかグループC3位のウクライナ、2位通過の場合はグループD首位のイングランド、3位通過の場合はグループB首位のベルギーと対戦する。しかも首位突破の場合は移動距離の短いルーマニアのブカレストでの試合となる。首位突破を狙うしかない、そういう気持ちに選手もスタッフもファンもなったのである。(続く)

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