第2850回 最終戦はポルトガルとドロー(2) グループリーグで前回大会の決勝の再戦

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■勝利すれば首位突破のフランス

 グループリーグ最後の試合としてグループFのフランス-ポルトガル戦、ドイツ-ハンガリー戦が同時にキックオフされる。フランスはすでに決勝トーナメント進出を決めているが、その他の3チームもすべて決勝トーナメント進出の可能性があり、特にポルトガルとドイツは首位突破の可能性を残している。フランスは勝利すれば首位突破できるが、引き分けた場合もドイツが引き分け以下の場合は首位突破となる。対戦相手のポルトガルはフランスに勝利し、ドイツが引き分け以下の場合に首位突破となる。またフランスはポルトガルに敗れれば、2位以下、さらには3位になる公算大である。

■今大会初の中立地での試合となる両チーム

 フランスは直近の主要国際大会であるワールドカップのタイトルホルダー、そしてポルトガルは5年前の前回大会の優勝チームである。そしてこの顔合わせは前回の決勝と同じである。前回の決勝はスタッド・ド・フランスで行われたが、今回はブダペストで開催、このプスカシュ・アレーナでは、フランスは第2戦、ポルトガルは第1戦のハンガリー戦で試合をしたばかりである。また、両チームはブダペスト以外の試合はドイツとミュンヘンで試合をしている。つまり、これまでの2試合はアウエーゲームであり、ようやく3試合目にして中立国での試合となったのである。 中立国での試合とは言え、ブダペストのプスカシュ・アレーナにはほぼ満員の5万4000人の観客が集まり、自国代表が出場せずとも、欧州のトップレベルの試合に対する関心の高さをうかがわせる。
 5年前の決勝以来、両チームは2回対戦している。それは昨秋のUEFAネーションズリーグでのことであるが、10月のスタッド・ド・フランスでの試合はスコアレスドロー、11月のリスボンでの試合はフランスが1-0と勝利している。ただ、両試合とも観客はほとんどいなかった。両チームの満員の観衆の前での試合は5年ぶりのこととなる。さらにこれが中立地での試合となると2006年のワールドカップ以来のことである。この時はミュンヘンのアリアンツ・アリーナでの試合、縁というものは奇妙なものである。

■ジュール・クンデ、コランタン・トリッソが先発するフランス

 フランスは上から下まで白一色のユニフォーム、先発メンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは右からジュール・クンデ、ラファエル・バラン、プレスネル・キンペンベ、ルカ・エルナンデス、MFは5人、低い位置にエンゴロ・カンテとポール・ポグバ、攻撃的な位置には右にコランタン・トリッソ、トップ下にアントワン・グリエズマン、左にキリアン・ムバッペ、FWは1人でカリム・ベンゼマ、という4-2-3-1システムである。第2戦は負傷で外れたエルナンデスが戻ってきたが、バンジャマン・パバールとアドリアン・ラビオが外れ、トリッソとクンデが初先発となる。

■就任以来、主要国際大会で好成績を残しているフェルナンド・サントス監督

 一方のポルトガルはGKはルイ・パトリシオ、DFは右からネルソン・セメド、ペペ、ルーベン・ディアス、ラファエル・ゲレイロ、MFは右からジョアン・モウチーニョ、ダニーロ、レナト・サンチェス、FWは中央にクリスティアーノ・ロナウド、右にベルナウド・シウバ、左にディオゴ・ジョッタというメンバー、上から赤緑赤という濃い色合いのユニフォームでこの一戦を迎える。
 ポルトガルの指揮官はフェルナンド・サントス、2014年から代表監督を務めているが、その前はギリシャ代表の監督であった。日本の読者の皆様であれば、2014年ワールドカップで対戦したことをご記憶であろう。ギリシャ代表をワールドカップの決勝トーナメント、2016年には母国を欧州選手権優勝に導いた。2018年のワールドカップでは決勝トーナメント1回戦でウルグアイに敗れたが、2019年にはUEFAネーションズリーグの初代チャンピオンとなっている。ポルトガル代表監督就任以来の主要国際大会で好成績を残している。ただ、フランス相手に勝利したのは5年前の決勝のみ、再び勝利することができるだろうか。(続く)

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