第2853回 決勝トーナメント1回戦はスイスと対戦(2) 7試合連続でタイトルマッチでの対戦

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■決勝トーナメント1回戦はグループAで3位のスイスとブカレストで対戦

 死のグループと言われたグループF、最終節まで順位争いがもつれたが、終わってみれば、第1シードのドイツ、第2シードのフランス、第3シードのポルトガルが決勝トーナメントに進出することになった。
 首位突破のフランスの相手はグループAで3位のスイスである。スイスは初戦でウェールズと引き分け、第2戦でイタリアに0-3と敗れ、第3戦でトルコに3-1と勝利、イタリア、ウェールズに次ぐ勝ち点4で3位となった。グループAということで最終戦は6月20日であり、翌日の21日にはグループBの3位のフィンランドとグループCの3位のウクライナがいずれも勝ち点3にとどまったことから、決勝トーナメント進出を確定している。すなわち、フランスと同時期に決勝トーナメント進出を確定したわけである。
 フランスは最終戦を終えたのが6月23日、スイスより3日遅い。フランスとスイスの試合は6月28日にルーマニアのブカレストで行われた。スイスは中7日でアゼルバイジャンのバクーからの移動、フランスは中4日でハンガリーのブダペストからの移動となる。

■最初の32試合は親善試合、その後の6試合はタイトルマッチでの対戦

 これまでのフランスとスイスの対戦を振り返ってみよう。これが両国の39回目の対戦となる。対戦成績はフランス16勝、スイス12勝、引き分け10となっている。欧州の隣国ということでフランスとスイスはかつては毎年のように親善試合を行ってきた。実は過去38回の対戦のうち最初の32回は親善試合での対戦であった。フランスとスイスが最初に親善試合以外で対戦したのは2004年のポルトガルでの欧州選手権、それ以降現在まで6試合はワールドカップあるいは欧州選手権の本予選での対戦となる。

■前回の欧州選手権ではドロー、ブラジルワールドカップでは大勝

 最新の対戦は前回のフランスで開催された欧州選手権である。グループリーグの最終戦で顔を合わせた。フランスは2勝、スイスは1勝1分で首位通過をかけてリールで対戦した。結局はスコアレスドローとなり、フランスが首位突破を果たしている。
 その前の対戦は2014年ワールドカップブラジル大会、この時はグループリーグの第2戦で対戦する。双方第1戦で勝利しており、勝利すれば、決勝トーナメント進出に大きく前進する。接戦が予想されたが、フランスはオリビエ・ジルー、カリム・ベンゼマなどのゴールで5-0と一時は大量リード、スイスに2点を返されたが、5-2と大勝している。

■予選、本大会の3試合とも引き分けだったブラジルワールドカップ

 そしてその前の対戦は2006年ワールドカップドイツ大会である。この時は予選で2試合、本大会でも対戦している。予選ではスタッド・ド・フランスではスコアレスドロー、ベルンでの試合も1-1の引き分けとなり、フランスがグループ1位、スイスが2位となってそろって本大会に出場した。本大会ではグループGに入り、シュツットガルトで行われた初戦で対戦した。この試合もスコアレスドロー、結局、予選、本大会で3試合とも引き分けとなった。
 両チームの最初の親善試合以外での対戦が2004年欧州選手権である。スイスはワールドカップの黎明期には出場していたが、第二次世界大戦後、特に1970年代以降は本大会に出場する機会が少なくなる。欧州選手権も予選敗退が続いた。ようやくスイスがワールドカップ、欧州選手権の本大会に出場するようになったのが1990年代半ばのことである。欧州選手権は1996年大会に初出場、グループリーグで1分2敗で敗退する。そして2004年大会は2回目の出場となるが、グループリーグでクロアチアと引き分け、イングランドに敗れ、最終戦でフランスとコインブラで対戦した。しかし、フランスはジネディーヌ・ジダンとティエリー・アンリの2ゴールで3-1で勝利、初めてのタイトルマッチでの対戦で勝利した。
 このように2004年以来タイトルマッチで6試合対戦しているが、フランスは2勝4分と負けなしである。そして今回の対戦は初めて決勝トーナメントでの対戦となるのである。(続く)

このページのTOPへ