第3073回 UEFAネーションズリーグ終盤戦(6) 最終戦はデンマークに敗れ、3位に
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■オーストリア戦と5人が変更となったフランスの先発メンバー
フランスの最終戦の相手は逆転首位を狙うデンマーク、舞台はコペンハーゲンのパルケン競技場ある。両チームは2か月後にワールドカップのグループリーグで再戦するが、優勝のかかっているデンマーク、降格の危険性のあるフランス、目の前の試合に全力を出すだけである。
この大一番、フランスの先発メンバーであるが、GKはアルフォンス・アレオラ、DFは右からウィリアン・サリバ、ダヨ・ウパメカノ、ブノワ・バディアシル、MFは右からバンジャマン・パバール、オーレリアン・チャウメニ、エドゥアール・カマビンガ、フェルラン・マンディ、FWは中央のトップ下にアントワン・グリエズマン、2トップで右にオリビエ・ジルー、左にキリアン・ムバッペという布陣であり、新調した白いセカンドユニフォームがデビューする。ウーゴ・ロリス不在の中でグリエズマンが代表戦史上初めて主将を務める。
オーストリア戦同様3バックシステムで臨むが、オーストリア戦と比較すると5人が入れ替わっている。GKはマイク・メニャンの負傷による変更となったが、最終ラインはジュール・クンデ、ラファエル・バランに代わってサリバとウパメカノ、中盤は右のジョナタン・クロースに代わってパバール、ユスフ・フォファナに代わってカマビンガが先発しており、ワールドカップ本番を思わせるターンオーバー制を採用する。
■デンマークと初めてのアウエーでのタイトルマッチ
一方の赤いユニフォームのデンマーク、主将でGKのカスパー・シュマイケルが最後尾、オーストリア戦は3バックであったが、フランス戦は4バックにする。また攻撃陣もCFはマルティン・ブレイスウェイトに代えてカスパー・ドルベリを起用する。デンマークもフィールドプレーヤ4人を入れ替えて最終戦に臨む。
フランスは6月3日のホームゲームでデンマークに敗れ、その前の対戦は4年前のワールドカップ、この時はスコアレスドロー、11月26日のカタールでの対戦を前に、フランスはそろそろ勝利をあげたいところである。フランスにとって初めてのデンマーク国内でのタイトルマッチとなる。
■キックオフから30分までは一歩的なフランスのペースも無得点
フランスのキックオフで始まった試合、開始早々にデンマークが攻め込んでCKを得る。しかしデンマークの勢いはそこまでで、試合は白いユニフォームのフランスが支配するようになる。そしてオーストリアのウィーンでの試合はクロアチアが先制し、フランスのファンが喜び、デンマークのファンが落胆するが、すぐさまクロアチアが同点に追いつく。試合は次第にフランスの一方的なペースとなり、デンマークはシュートを放てないまま、時間が過ぎていく。
■ようやく目覚めたデンマークが連続得点を決め、フランスに勝利
ようやくデンマークが攻撃を仕掛けるようになったのは30分過ぎのことであった。34分に先制点を入れたのはデンマークのドルベリであった。ニースに所属していたドルベリは今季はスペインのセビリアでプレー、得点の嗅覚の鋭い選手であり、ゴール前での混戦からシュートを決めた。歓喜する3万6000人の満員の観衆、その喜びが冷めないうちに37分にデンマークは右CKのチャンスを得る。ゴール前にあがったボールをフランスがクリアしたが、スコフ・オルセンが左足でシュート、ジルーに当たってコースが変わり、アレオラも防ぐことができず、2点目の失点となった。
後半は両チーム互角の展開となったが、両チームとも得点をあげることはなく、デンマークが2-0で勝利した。気になるもう1つの試合であるが、クロアチアが後半に2点を入れて3-1でオーストリアを下す。
この結果、グループ1の最終順位は1位がクロアチア(勝ち点13)、2位がデンマーク(12)、3位フランス(5)、4位オーストリア(4)となり、クロアチアがファイナルズに進出、オーストリアがリーグBに降格となり、フランスは3位でリーグA残留となったが、ワールドカップに向けて暗雲が立ち込めたのである。(続く)