第3173回 2024年欧州選手権に向け、好発進(2) 第2シードになったフランス
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■UEFAネーションズリーグの成績で決定する欧州選手権予選のシード
準優勝したカタールでのワールドカップ以降最初の試合は欧州選手権予選となる。ワールドカップが秋開催となり、ワールドカップ後に直接欧州選手権が始まることになった。前回の2021年大会(新型コロナウイルス感染拡大のため2020年から1年延期)は分散開催であったが、今回は従来の大会形式に戻り、予選を勝ち抜いた23か国と開催国がドイツに一堂に会して行われる。
予選は5チームないし6チームの10のグループに分かれ、ホームアンドアウエーの総当たりのリーグ戦を行い、各グループの2位までに入った20か国とプレーオフを勝ち抜いた3か国の合計23か国が本大会に出場できる。予選の組み分けのシード順の決定とプレーオフの出場チームについては直近のUEFAネーションズリーグの成績で決められる。
■勝ち点5にとどまったフランスは総合12位で第2シード
UEFAネーションズリーグは9月の末に各グループリーグが終了し、各グループにおける順位が確定した。最上位のリーグAにおけるグループリーグで首位となった4チームはファイナルズで順位が決まるが、この時点でグループリーグにおける同順位のチームごとに勝ち点等を比較し、全体順位をつける。4つのグループから構成されるリーグAの場合、グループ4で勝ち点16だったオランダが全体1位、グループ1で勝ち点13だったクロアチアが全体2位、グループ2で勝ち点11(得失点差+3)のスペインが全体3位、グループ3で勝ち点11(得失点差+1)のイタリアが全体4位というように全体順位をつける。また、ここまでの4チームはファイナルズを戦うための日程が控えており、欧州選手権の試合数が少ない5チームからなるグループに入ることになる。そして以下の全体順位であるが、グループリーグ2位の中で勝ち点12と最も好成績のデンマークが全体5位、勝ち点10、得失点差+8のポルトガルが全体6位になるという具合である。
フランスは最上位のリーグAであったが、グループ1でようやく最下位を免れ、次回のUEFAネーションズリーグでのリーグBへの陥落は回避できたものの、欧州選手権予選では苦しいシード順となった。グループ3位は全体で9位から12位までの順位となるが、フランスは勝ち点5しか獲得できず、3位の国(スイス:勝ち点9、予選免除のドイツ:勝ち点7、ポーランド:勝ち点7)の中では最下位となり、全体12位となってしまった。この結果、第1シードの10チーム(開催国で予選免除となるドイツを除く全体11位まで)に入ることができず、第2シードとなった。
また、プレーオフの出場チームについては各グループで3位以下になったチームについてUEFAネーションズリーグでの上位12チームが3つのチケットを争うことになる。
■欧州選手権予選では24年ぶりの第2シード
このように新設されたUEFAネーションズリーグは同レベルの相手との戦いを重ね、欧州選手権へとつながるように設計されているのである。9月までのUEFAネーションズリーグでの不振が嘘のようにワールドカップでは好成績を残したフランスであるが、欧州選手権予選では第1シードの座を失ったのである。フランスが予選のシード分けで第2シードとなるのはワールドカップ予選では2018年大会以来、欧州選手権予選では2000年大会以来のことである。
ただし、この第2シードとなった2018年ワールドカップ、2000年欧州選手権、いずれも予選を突破し、本大会でも優勝しているのである。
■難敵オランダ、アイルランド、ギリシャと同じグループBに入ったフランス
10月初めに行われた組み合わせ抽選、フランスはグループBに入る。このグループは5チームからなり、第1シードからオランダ、第3シードからアイルランド、第4シードからギリシャ、第5シードからジブラルタルという顔ぶれである。ジブラルタルは英国の海外領土であるが、2013年にUEFA、2016年にFIFAにそれぞれ加盟したばかりであり、実績も残していないが、それ以外のオランダ、アイルランド、ギリシャはいずれも難敵である。(続く)